仮想通貨の税金チェックリスト1200×630.png

仮想通貨(暗号資産)の取引で課税対象になるのは、大きく分けて「仮想通貨を手放したとき」と「仮想通貨を新たに取得したとき」の2つです。所得区分は原則として「雑所得」に分類され、給与などほかの所得と合算する総合課税となります(2026年10月時点)。

ただ、取引所での売買だけでなく、ステーキングやレンディング、NFT、DeFi、担保ローンなど、仮想通貨の使い方は年々増えています。「この取引は課税対象なのか」「いつ所得になるのか」が取引ごとに違うため、申告から漏れてしまう取引が出やすいのではないでしょうか。

この記事では、取引・サービス別に18種類の税金の扱いを一覧表にまとめ、国税庁のFAQで示されている取扱いを中心に要点を解説します。国税庁のFAQで明確な取扱いが示されていない取引は、その旨と確認しておきたいポイントを紹介します。取引ごとの詳しい内容は、一覧表の各行にある個別記事で確認できます。

<この記事でわかること>

・仮想通貨(暗号資産)の取引のうち、課税対象になるものとならないものがわかります
・売却・交換・ステーキング・NFT・DeFiなど18種類の取引ごとに、税金がかかる場面と所得区分の目安を一覧で確認できます
・エアドロップで受け取った仮想通貨について、国税庁FAQで示されている範囲と確認しておきたいポイントがわかります
・仮想通貨担保ローンを利用するときに確認しておきたいポイントがわかります
・複数の取引をしている場合の損益のまとめ方と注意点がわかります

目次

  1. 仮想通貨の税金の基本|課税対象になる2つのパターン
  2. 取引・サービス別の仮想通貨税金一覧表
  3. 売る・交換する・支払う取引の税金
  4. 報酬として受け取る取引の税金
  5. エアドロップで受け取った仮想通貨の税金
  6. NFT・DeFi・ブロックチェーンゲーム・メタバースの税金
  7. 仮想通貨担保ローンの税金
  8. 積立・プレセール・デルタニュートラルの税金
  9. 税金がかからない仮想通貨の取引
  10. 複数の取引をしている場合の注意点
  11. よくある質問
  12. まとめ

仮想通貨の税金の基本|課税対象になる2つのパターン

取引ごとの扱いを見る前に、すべての取引に共通する基本ルールを確認します。仮想通貨の税金の全体像は「仮想通貨(暗号資産)の税金とは?基礎と計算方法、対策も解説」で詳しく解説しています。

所得区分は原則「雑所得」(総合課税)

個人が仮想通貨の取引で得た利益は、国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)で、原則として雑所得に区分されるとされています(問2-2)。同じ問では、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ原則として業務に係る雑所得に区分されるとされています。なお、事業所得に当たるかどうかは個別に判断されるとも注記されています。

雑所得は給与所得などと合算して税率が決まる総合課税の対象で、所得税(5〜45%)と住民税(10%)を合わせると、税率は最大で55%になります(復興特別所得税を除く)。

一方で、暗号資産取引で生じた雑所得の損失は、給与所得などほかの所得と損益通算できません(問2-11)。仮想通貨の利益が増えるほど税率が上がる点も含め、株式などとは扱いが異なることに注意が必要です。所得の金額ごとの税額の目安は「仮想通貨(暗号資産)の税金はいくら?税率早見表と収入別シミュレーション」で確認できます。

課税対象になるのは「手放したとき」と「受け取ったとき」

国税庁のFAQで示されている取扱いをもとにすると、仮想通貨の取引で所得が生じる場面は、次の2つのパターンに整理できます。

  • 手放したとき:売却・交換・商品の購入などで仮想通貨を手放すと、「手放したときの価額 − 取得価額」が所得(または損失)になります(問1-1〜1-3)
  • 受け取ったとき:マイニング・ステーキング・レンディングなどで仮想通貨を取得すると、「取得時点の時価」が所得の計算上の収入になります(問1-7)

マイニングなどで取得した仮想通貨の取得価額は、取得時点の時価とされています(問1-5)。そのため、取得した仮想通貨を後で売却すると、「売却額 − 取得時点の時価」の差額が改めて所得になります。同じ値上がり分に2回課税されるわけではなく、取得したときと手放したときで、それぞれ損益を計算する仕組みです。

具体的にどの時点で損益が確定するのかは「仮想通貨(暗号資産)の課税タイミングとは?損益が発生する代表的なケース5つを紹介」で、代表的なケースを使って解説しています。

取引・サービス別の仮想通貨税金一覧表

仮想通貨の主な取引18種類について、税金がかかる場面・所得区分の目安・注意点を一覧にまとめました。国税庁のFAQで明確な取扱いが示されていない取引は「取引内容により異なる」としています。

取引の種類税金がかかる場面所得区分の目安主な注意点詳しい記事
日本円での売却売却したとき原則として雑所得取得価額は移動平均法か総平均法で計算する総平均法・移動平均法どちらがお得?自分に合う仮想通貨の損益計算法
仮想通貨同士の交換交換したとき原則として雑所得日本円に換えていなくても課税対象になる仮想通貨を交換するときは税金に注意!知らないとまずい課税所得
商品・サービスの購入(決済)支払ったとき原則として雑所得少額の決済でも1回ごとに損益が生じる仮想通貨デビットカードでの決済にも税金はかかる?特徴から計算方法まで解説!
証拠金取引(仮想通貨FX)決済したとき雑所得(総合課税)申告分離課税の対象ではない―
ステーキング報酬を取得したとき取引内容により異なる(詳しい記事へ)取得時点の時価が収入になる仮想通貨のステーキングとは?仕組みや税金について解説
レンディング貸借料(報酬)を取得したとき取引内容により異なる(詳しい記事へ)取得時点の時価が収入になる仮想通貨(暗号資産)レンディングの税金とは?課税タイミング・所得区分・確定申告の注意点を解説
マイニング報酬を取得したとき取引内容により異なる(詳しい記事へ)取得に要した費用は必要経費になる仮想通貨のマイニングに関わる税金を解説!利益は確定申告が必要?
キャンペーン・プレゼント取引内容により異なる取引内容により異なる(詳しい記事へ)国税庁FAQで明確な取扱いは示されていないキャンペーンでもらった仮想通貨(暗号資産)も課税対象?税務上の取り扱いや注意点を解説
エアドロップ取引内容により異なる取引内容により異なる国税庁FAQで明確な取扱いは示されていないエアドロップで受け取った仮想通貨にも税金がかかるかも?対象となるケースを解説!
ハードフォーク(分裂)売却・使用したとき原則として雑所得分裂時に取引相場がなければ取得時の所得は生じず、取得価額は0円この記事の「エアドロップで受け取った仮想通貨の税金」
NFT仮想通貨で購入したとき・譲渡したとき譲渡所得・雑所得など(ケースによる)仮想通貨で購入すると、支払った仮想通貨の損益が生じるNFTの取引で得た所得にかかる税金はどれくらい?ケース別の計算方法
DeFi取引内容により異なる取引内容により異なる(詳しい記事へ)国税庁FAQで個別の取扱いは示されていないDeFi(ディファイ)の税金計算は難しい!?仮想通貨に詳しい税理士がDeFiの損益計算のやり方を解説!
ブロックチェーンゲーム(BCG)取引内容により異なる取引内容により異なる(詳しい記事へ)国税庁FAQで個別の取扱いは示されていないブロックチェーンゲーム(BCG)で得た収益にかかる税金とは?計算方法や確定申告のやり方を解説
メタバースの土地取引内容により異なる取引内容により異なる(詳しい記事へ)国税庁FAQで個別の取扱いは示されていないメタバースの土地にかかる税金とは?計算方法や確定申告方法を解説
仮想通貨担保ローン取引内容により異なる取引内容により異なる国税庁FAQで明確な取扱いは示されていない仮想通貨担保ローンにおける税金の考え方と注意点を解説
積立投資売却・交換したとき(購入時は課税なし)原則として雑所得購入回数が多く取得単価の計算が複雑になる仮想通貨の積立投資をしたら?税金の基本から計算方法まで解説
プレセール取引内容により異なる取引内容により異なる(詳しい記事へ)国税庁FAQで個別の取扱いは示されていない仮想通貨のプレセールとは?最新情報の集め方と税金が発生するタイミングを解説
デルタニュートラル戦略現物の売却・先物の決済など取引内容により異なる(詳しい記事へ)先物(証拠金取引)の所得は総合課税仮想通貨のデルタニュートラル戦略とは?税金面での注意点を解説

※ 2026年10月時点の国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)および「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和5年1月)をもとにまとめたものです。「取引内容により異なる」とした取引は、国税庁のFAQで明確な取扱いが示されていない、または取引の内容によって扱いが変わる可能性があるものです。詳しくは各記事を参照し、税務署または税理士にご確認ください。

以下では、一覧表の取引を性質ごとに分けて、要点を解説します。

売る・交換する・支払う取引の税金

仮想通貨を手放す取引では、「手放したときの価額 − 取得価額」が所得になります。もっとも基本的な取引ですが、日本円に換えていない取引も課税対象になる点が見落とされやすい部分です。

日本円での売却

仮想通貨を日本円で売却すると、売却額から取得価額を差し引いた金額が所得になります(国税庁FAQ 問1-1)。たとえば、1BTCを600万円で購入し、900万円で売却した場合は、300万円が所得になります(手数料等は考慮していません)。

同じ仮想通貨を複数回に分けて購入している場合、取得価額は移動平均法または総平均法で計算します(国税庁FAQ 問2-4)。どちらの方法を選ぶかで年ごとの所得が変わる場合があるため、計算方法の違いを理解しておくことが大切です。

仮想通貨同士の交換

ビットコイン(BTC)でイーサリアム(ETH)を購入するなど、仮想通貨同士を交換した場合も、手放した仮想通貨を売却したのと同じように扱われます(国税庁FAQ 問1-3)。日本円を受け取っていなくても、交換した時点で損益が確定する点に注意が必要です。

商品・サービスの購入(決済)

仮想通貨で商品やサービスの代金を支払った場合も、支払った仮想通貨を売却したものとして扱われます(国税庁FAQ 問1-2)。商品の価額と、支払った仮想通貨の取得価額との差額が所得になります。仮想通貨デビットカードのように少額の決済を繰り返すと、決済ごとに損益が生じ、記録の件数が増えやすくなります。

証拠金取引(仮想通貨FX)

国税庁のFAQでは、暗号資産の証拠金取引による所得には申告分離課税(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)の適用はなく、総合課税により申告するとされています(国税庁FAQ 問2-12)。株式の信用取引やFX(外国為替証拠金取引)とは扱いが異なり、2026年10月時点では現物取引の所得と合わせて総合課税となります。なお、証拠金取引は相場の変動によって、預けた証拠金を上回る損失が生じるおそれがある取引です。

報酬として受け取る取引の税金

ステーキングやレンディングなど、仮想通貨を「受け取る」取引では、取得時点の時価が所得の計算上の収入になります(国税庁FAQ 問1-7)。売却していないため所得の意識を持ちにくく、申告漏れが起きやすい取引です。所得区分は取引の状況によって変わる可能性があるため、一覧表の各記事で確認してください。

ステーキング

国税庁のFAQでは、ステーキングにより暗号資産を取得した場合、その取得時点の時価を所得の計算上の収入(総収入金額)に算入するとされています(国税庁FAQ 問1-7)。取引所のサービスによっては報酬が自動で付与されるものもあり、受け取ったことに気づきにくい場合があります。自動付与の具体例は「Coincheckのステーキングの自動付与に要注意!取引でかかる税金を解説」で解説しています。

報酬として取得した仮想通貨を別の仮想通貨に交換すると、その時点で交換による損益が生じます(国税庁FAQ 問1-3)。このときの取得価額は、報酬を取得した時点の時価です(国税庁FAQ 問1-5)。

レンディング

国税庁のFAQでは、レンディングにより暗号資産を取得した場合も、その取得時点の時価を収入に算入するとされています(国税庁FAQ 問1-7)。一方で、貸し出した仮想通貨そのものの扱いは、国税庁のFAQで明確に示されていません。

マイニング

マイニングにより取得した暗号資産も、取得時点の時価が収入になり、その取得に要した費用は必要経費になるとされています(国税庁FAQ 問1-7)。イーサリアムのように、ネットワークの仕組みが変わってマイニングができなくなった銘柄もあるため、「イーサリアムでのマイニングはちょっと待って!現状や税金、報酬を得る方法」もあわせて確認しておくと安心です。

キャンペーン・プレゼント

取引所の口座開設キャンペーンなどで受け取った仮想通貨について、国税庁のFAQでは明確な取扱いは示されていません。キャンペーンの内容によって扱いが変わる可能性があるため、受け取った日時・数量・時価を記録したうえで、一覧表の記事を参考に、税務署または税理士に確認しておくと安心です。

エアドロップで受け取った仮想通貨の税金

エアドロップとは、一定の条件を満たした利用者に、仮想通貨やトークンが無償で配布されるイベントのことです。無償で受け取った仮想通貨でも、税金との関係を確認しておく必要があります。ただし、2026年10月時点で、エアドロップの取扱いは国税庁のFAQで直接示されていません。

エアドロップが行われる理由と主な事例

エアドロップは、新しいプロジェクトが認知を広げたり、コミュニティへの貢献に報いたりする目的で行われることが多いです。配布されるのは、まだ取引が始まっていないトークンや、市場価値が低いトークンである場合もあります。

これまでの代表的な例として、分散型取引所Uniswap(ユニスワップ)が2020年9月に過去の利用者へ一律400UNIを配布した事例や、ネム(XEM)の保有者にSymbol(XYM)が配布された事例があります。国内の取引所が保有者に代わって受け取り、ユーザーに付与したケースもあります。

国税庁FAQで示されている範囲

国税庁のFAQには、エアドロップを直接扱った問はありません。関連する記述として、次の2つがあります。

  • 一般的な考え方:「所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します」(問1-6)
  • ハードフォーク(分裂)の場合:分裂で新たに取得した暗号資産について、分裂時点で取引相場が存在せず価値を有していなかった場合は、取得時点では所得は生じず、取得価額は0円とされています。その暗号資産を売却・使用した時点で所得が生じます(問1-6)

ハードフォークの取扱いは、分裂によって取得した暗号資産についてのものです。エアドロップで受け取ったトークンにどのように当てはまるか、所得区分や課税のタイミングがどうなるかは、国税庁のFAQでは示されておらず、配布の内容によって扱いが変わる可能性があります。

エアドロップを受け取ったときの確認ポイント

エアドロップで仮想通貨やトークンを受け取った場合は、次の点を記録・確認しておくと、後で税務署や税理士に相談するときに役立ちます。

  • 受け取った日時・トークンの名称・数量
  • 受け取った時点で、取引所などに取引相場があったかどうか(あった場合はその価格)
  • 配布の条件(保有しているだけで配布されたのか、タスクの実行や利用実績が条件だったのか)
  • 受け取ったトークンをいつ、いくらで売却・交換したか

エアドロップの事例や考え方は「エアドロップで受け取った仮想通貨にも税金がかかるかも?対象となるケースを解説!」でも解説しています。

取引の内容によって扱いが変わる可能性があるため、申告の際は税務署または税理士に確認しておくと安心です。

NFT・DeFi・ブロックチェーンゲーム・メタバースの税金

NFTやDeFiなどのWeb3関連の取引は、仮想通貨とNFTが組み合わさったり、1回の操作で複数の取引が発生したりするため、損益の整理が複雑になりやすい分野です。国税庁から示されている指針が限られている部分もあるため、判断に迷う場合は税理士への相談も選択肢になります。

NFT

NFTを仮想通貨で購入すると、支払った仮想通貨を手放したことになり、その仮想通貨の損益が生じます(国税庁FAQ 問1-2の考え方)。

国税庁の「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和5年1月)では、NFTの譲渡による所得は、内容に応じて譲渡所得や雑所得などになるとされています。マーケットプレイス別の計算例は「OpenSeaの税金計算方法は?ケース別に解説」で確認できます。

DeFi(スワップ・流動性提供・ファーミング)

DeFi(分散型金融)でのスワップ、流動性提供、イールドファーミングなどについて、国税庁のFAQでは個別の取扱いは示されておらず、取引の内容によって扱いが変わる可能性があります。ウォレットでの取引は取引所の年間取引報告書に載らないため、取引履歴を自分で記録しておく必要があります。ウォレット利用時の注意点は「MetaMask(メタマスク)での取引で発生した収益に税金はかかる?確定申告の方法も解説!」で解説しています。

ブロックチェーンゲーム(BCG)

ブロックチェーンゲームでは、ゲーム内トークンやNFTの取得・売却・交換など、1つのゲームの中で複数の種類の取引が発生します。国税庁のFAQでは個別の取扱いは示されていないため、取得や売却の日時・数量・時価を記録しておき、詳しくは一覧表の記事を確認してください。

メタバースの土地

メタバース上の土地は、NFTとして発行・取引されている場合があります。ただし、メタバースの土地の取引の取扱いは国税庁のFAQで個別に示されていないため、詳しくは一覧表の記事を確認し、判断に迷う場合は税務署または税理士に確認してください。

仮想通貨担保ローンの税金

仮想通貨担保ローンとは、保有している仮想通貨を担保に差し入れて、日本円や別の仮想通貨を借りるサービスです。保有している仮想通貨を売却せずに資金を用意できる一方で、契約の内容によっては担保が売却される場合があります。

国税庁FAQで示されている範囲

2026年10月時点で、国税庁のFAQ(令和7年12月)には、個人が担保ローンを利用した場合の取扱いを直接扱った問はありません(法人向けに借り入れた暗号資産の期末時価評価の問、個人向けに暗号資産の信用取引の問はあります)。そのため、担保の差し入れ、日本円や仮想通貨の借入れ・返済、利息の支払いといった各場面の扱いは、取引の内容や契約によって変わる可能性があります。

強制決済されたとき

担保ローンでは、担保の仮想通貨の価格が下がり担保価値が一定の水準を下回ると、追加の担保を求められたり、担保が売却されて返済に充てられたりする場合があります(強制決済)。担保が売却された場合は、保有している仮想通貨を手放すことになるため、売却(国税庁FAQ 問1-1)として損益が生じる可能性があります。自分で売るタイミングを選べないため、思わぬ年に損益が生じる可能性がある点に注意が必要です。

利用前に確認しておきたいポイント

担保ローンを利用する場合は、次の点を契約内容とあわせて確認・記録しておくと、後で税務署や税理士に相談するときに役立ちます。

  • 借りるのが日本円か、仮想通貨か
  • 担保の差し入れ・返却の日時と数量
  • 強制決済が行われる条件と、行われた場合の日時・数量・価格
  • 利息の金額と、支払いに使う通貨(日本円か仮想通貨か)

仮想通貨担保ローンの税金の考え方は「仮想通貨担保ローンにおける税金の考え方と注意点を解説」でも解説しています。

取引の内容によって扱いが変わる可能性があるため、利用前に税務署または税理士に確認しておくと安心です。

積立・プレセール・デルタニュートラルの税金

投資の手法によっても、税金がかかる場面や記録すべき内容が変わります。

積立投資

日本円で仮想通貨を定期的に購入する積立投資は、購入した時点では課税されません。積み立てた仮想通貨を売却・交換したときに、移動平均法または総平均法で計算した取得価額との差額が所得になります(国税庁FAQ 問2-4)。毎日・毎週など購入の回数が多いため、取得単価の計算に手間がかかりやすい点に注意が必要です。

プレセール

プレセール(新規トークンの先行販売)に仮想通貨で参加する取引は、受け取るトークンの性質などによって扱いが変わる可能性があり、国税庁のFAQでは個別の取扱いは示されていません。支払った仮想通貨の日時・数量・時価と、受け取ったトークンの記録を残しておき、詳しくは一覧表の記事を確認してください。

デルタニュートラル戦略

デルタニュートラル戦略は、現物の買いと先物の売りを組み合わせて、価格変動の影響を抑える手法です。現物を売却したときの損益(国税庁FAQ 問1-1)や、先物(証拠金取引)の所得(総合課税、国税庁FAQ 問2-12)など、損益の発生源が複数あります。資金調達率(ファンディングレート)にもとづいて受け払いされる資金調達料の扱いは、国税庁のFAQで明確に示されていません。価格変動の影響を抑えていても、それぞれの取引で損益が生じるため、取引ごとに記録しておく必要があります。なお、先物の証拠金取引では、相場の急変などにより証拠金を上回る損失が生じるおそれもあります。

税金がかからない仮想通貨の取引

一覧表の取引とは反対に、一般的に税金がかからない主な取引も確認しておきましょう。

取引税金がかからない理由注意点
日本円で仮想通貨を購入する購入しただけでは損益が確定しない購入代価と手数料は取得価額として記録しておく
仮想通貨を保有し続ける値上がりしても売却するまでは課税されない(含み益)ステーキング報酬の取得など、取得が発生する場合は課税対象
自分のウォレット・取引所間で送金する売却や交換にあたらない送金手数料を仮想通貨で支払う場合の扱いも確認しておく

日本円での購入と保有

日本円で仮想通貨を購入しただけでは、損益は確定しないため税金はかかりません。購入した仮想通貨の取得価額は、購入代価に手数料などを加えた額です(国税庁FAQ 問1-5)。保有している仮想通貨の価格が上がっても、売却や交換をするまでは課税されません。

ただし、保有しているだけのつもりでも、ステーキング報酬の自動付与などで仮想通貨を取得している場合は、その取得が課税対象になります。保有中に注意したいケースは「仮想通貨の保有時は要注意。持っているだけで税金がかかるケースとは」で解説しています。

自分のウォレット・取引所間の送金

自分名義の取引所口座やウォレットの間で仮想通貨を移動させるだけであれば、売却や交換にはあたらないため、一般に課税対象にはならないと考えられています。一方で、他人への送金(贈与)や、送金手数料を仮想通貨で支払う場合は、扱いが変わることがあります。送金の場面ごとの扱いは「仮想通貨を送金すると税金はかかる?5つのシーンごとに解説」で確認できます。

複数の取引をしている場合の注意点

ステーキングをしながらNFTを売買し、DeFiも利用しているというように、複数の取引を組み合わせている方は少なくありません。取引が増えるほど、次のような点で計算が複雑になります。

1年間の損益はすべて合算する

仮想通貨の所得は、1月1日から12月31日までの1年間に行った取引の損益を合算して計算します。複数の取引所やウォレットを使っている場合も、すべてをまとめて計算する必要があります。

同じ雑所得のなかでは、ある取引の利益と別の取引の損失を差し引きできます。たとえば、ビットコインの売却で30万円の利益、イーサリアムの売却で10万円の損失があれば、合計20万円の所得となります。ただし、給与所得などほかの所得との損益通算はできません(国税庁FAQ 問2-11)。

取得単価はすべての取引で連動する

同じ仮想通貨の取得単価は、取引所での購入だけでなく、ステーキング報酬の取得や交換による取得など、取得にあたる取引を含めて計算します(国税庁FAQ 問1-5、問2-4)。ある取引の記録が漏れると、その仮想通貨のほかの売却・交換の損益もずれてしまいます。

確定申告が必要になる目安

給与を1か所から受けていて年末調整を受けている会社員の場合、仮想通貨を含む給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になる点に注意が必要です。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下でも仮想通貨の所得を含めて申告します。確定申告の要否や手順は「【2026年最新版】仮想通貨の確定申告が必要?計算方法とやり方・手順」で詳しく解説しています。

税制改正(分離課税)の動向

2025年12月19日に公表された令和8年度与党税制改正大綱では、一定の暗号資産(特定暗号資産)の譲渡等による所得を税率20%の申告分離課税とし、損失を3年間繰り越して控除できるようにする方針が示されました。その後、暗号資産を金融商品取引法の対象とする「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が、2026年7月15日に参議院本会議で可決・成立したと報じられています。

大綱では、分離課税は改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡等から適用するとされています。報道では、改正法の施行は2027年度、分離課税の適用は2028年1月1日からとなる見通しとされていますが、確定した日程ではありません。2026年10月時点では、仮想通貨の利益は原則として雑所得・総合課税のままです。また、対象は登録業者を通じて行う特定暗号資産の取引などに限られる見込みのため、この記事の一覧表の取引すべてが分離課税になるとは限りません。最新の情報は国税庁・金融庁の公表資料をご確認ください。改正の内容は「【2026年1月最新】仮想通貨の分離課税、令和8年度与党税制改正大綱でどう変わるか|注目点を解説」で解説しています。

取引の種類が多い場合は、損益計算ツールで取引履歴をまとめて計算する方法があります。損益計算ツール「クリプタクト」は、国内外の多くの取引所に対応しており、取引履歴をアップロードすると、日本の税制に基づいて計算された損益を確認できます。取引所の履歴に載らない取引も、カスタムファイルを作成して取り込めます。自動化の方法は「仮想通貨の損益計算は自動化できる?取引所やNFT・DeFi取引を自動取得・自動計算する方法とメリットを解説」で紹介しています。

よくある質問

Q:仮想通貨を買って持っているだけで税金はかかりますか?

いいえ、日本円で購入して保有しているだけでは税金はかかりません。価格が2倍に値上がりしても、売却や交換をするまでは課税されません。ただし、保有中にステーキング報酬などを取得した場合は、その取得時点の時価が収入になります(国税庁FAQ 問1-7)。

Q:仮想通貨同士を交換しただけでも課税対象ですか?

はい、課税対象です(国税庁FAQ 問1-3)。たとえば10万円で購入したビットコインを、時価30万円の時点でイーサリアムに交換した場合は、差額の20万円が所得になります。日本円に換えていなくても、交換した時点で損益が確定します。

Q:ハードフォーク(分裂)で受け取った仮想通貨は、受け取った時点で課税されますか?

国税庁のFAQでは、分裂時点で取引相場が存在せず価値を有していなかった場合、取得時点では所得は生じず、取得価額は0円とされています(問1-6)。その仮想通貨を売却・使用した時点で所得が生じます。なお、エアドロップについてはFAQで直接の取扱いは示されていません。

Q:仮想通貨の証拠金取引(レバレッジ取引)の利益は分離課税ですか?

いいえ、2026年10月時点では分離課税ではありません。国税庁のFAQでは、暗号資産の証拠金取引による所得には申告分離課税の適用はなく、総合課税により申告するとされています(問2-12)。

Q:ステーキング報酬と仮想通貨の売却益は、どちらも確定申告の対象ですか?

はい、どちらもその年の所得の計算に含めます。ステーキング報酬は取得時点の時価が収入になり(国税庁FAQ 問1-7)、売却益は売却額と取得価額の差額が所得になります。給与を1か所から受けていて年末調整を受けている会社員の場合、仮想通貨を含む給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。

Q:2026年10月時点で、仮想通貨の利益は分離課税になっていますか?

いいえ、2026年10月時点では、仮想通貨の利益は原則として雑所得・総合課税で、税率は所得税と住民税を合わせて最大55%です(復興特別所得税を除く)。令和8年度与党税制改正大綱(2025年12月公表)で20%の申告分離課税の方針が示され、2026年7月には暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正法が成立したと報じられています。分離課税の適用は2028年1月1日からとなる見通しと報道されていますが、確定した日程ではありません。

まとめ

仮想通貨の税金は、「手放したとき」と「受け取ったとき」の2つのパターンで課税対象になります。売却だけでなく、交換・決済・ステーキング・マイニング・レンディングなど、さまざまな取引で所得が生じる可能性があります。

  • 所得区分は原則として雑所得(総合課税)で、税率は最大55%です(復興特別所得税を除く)
  • マイニング・ステーキング・レンディングで取得した仮想通貨は、取得時点の時価が収入と取得価額になります
  • エアドロップ・担保ローン・DeFiなどは国税庁のFAQで明確な取扱いが示されていないため、取引内容を記録し、税務署または税理士に確認することが大切です
  • 複数の取引をしている場合は、1年間の損益を合算し、取得単価の連動にも注意が必要です

取引ごとの詳しい内容は、一覧表の各記事で確認できます。最終的な税務処理は、税理士または税務署に確認しておくと安心です。

取引の種類が増えるほど、手作業での損益計算は大きな負担になります。損益計算ツール「クリプタクト」なら、取引履歴をアップロードして損益を自動計算でき、無料のFreeプランからご利用いただけます(Freeプランは取引件数が50件を超えると損益の計算結果が表示されません)。

無料で始める(サインアップ)