仮想通貨を交換するときは税金に注意!知らないとまずい課税所得

仮想通貨を売買する取引において利益がでたら、その所得金額に応じて税金を支払わなければならないことは、多くの方が理解されていることでしょう。

では、仮想通貨を別の仮想通貨に交換した場合はどうでしょうか?実は、仮想通貨同士を交換した場合も、実質的な利益には税金がかかります。

そこでこの記事では、仮想通貨(暗号資産)取引で利益が生じるケースや税金の考え方、所得が発生した場合の対策をわかりやすく解説していきます。こうした仮想通貨の取引に対して生じた税金計算を簡単にするやり方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 仮想通貨を交換して得た所得には税金がかかるため注意!
  2. 【ケーススタディ】仮想通貨の交換で生まれる所得と税金
    1. ケース1:ビットコインをイーサリアムに交換した場合
    2. ケース2:含み損のある通貨を別の仮想通貨(暗号資産)に交換した場合
    3. ケース3:少額のトークン同士を頻繁に交換した場合
  3. 【ケーススタディ】仮想通貨(暗号資産)を日本円に現金化した場合の税金
    1. ケース4:ビットコイン(BTC)を日本円に売却した場合
    2. ケース5:含み損の通貨を日本円に売却した場合
    3. ケース6:複数回に分けて日本円に売却した場合
  4. 仮想通貨の交換によって税金が発生したときの注意点
    1. 所得金額は円換算・取得価額の計算方法に注意
    2. 頻繁な交換や記録ミスによる申告漏れに注意
    3. 損益が発生するタイミングを把握しておく
  5. 仮想通貨同士を交換するときは事前の税金計算が重要
  6. 仮想通貨の交換による損益計算なら「クリプタクト」がおすすめ

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仮想通貨を交換して得た所得には税金がかかるため注意!

前述の通り、イーサリアムやアルトコインなどの仮想通貨同士を交換した場合であっても、実質的な利益には税金がかかります。

これは、実際には仮想通貨を日本円に換金したわけではなくとも、税務上は「一度仮想通貨を売却」した後に「その代金で別の仮想通貨を購入した」ことと同義であるとみなされるためです。

この原則を知らずに「日本円に換金するまでは利益が確定しないから課税対象にならない」と誤解をしていると、申告漏れとして追徴課税などのペナルティの対象になりかねませんので、注意が必要です。

仮想通貨取引においては、上記のように利益が発生したとみなされるタイミングが主に5つあり、国税庁によって例示されています。

●仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合  

●仮想通貨を他の仮想通貨と交換した場合 

●仮想通貨で決済(商品やサービス購入の支払いなど)をした場合  

●ステーキングやマイニング、ゲームなどの報酬で仮想通貨を得た場合  

●レンディングによって利子として仮想通貨を得た場合

税金は、発生した利益から必要経費等を差し引いた所得に対して課税されます。自身が行っている取引について、どのようなタイミングで利益が発生したとみなされるのか、しっかりと把握しておきましょう。

【ケーススタディ】仮想通貨の交換で生まれる所得と税金

それでは、仮想通貨同士の交換によって利益が発生する様々なケースについて、具体的に見ていきましょう。

ケース1:ビットコインをイーサリアムに交換した場合

例えば、1BTCを取得価格1,000万円で購入し、その後の値上がりにより時価1,500万円となった時点でETHに交換した場合、差額の500万円が利益とみなされ課税対象となります。

損益の計算式        
譲渡価額(1,500万円 × 1BTC) - 取得価額(1,000万円 × 1BTC) = 500万円      
 

実際に日本円を得ていなくとも、税務上は日本円の時価換算で所得が発生したものと見なされます。   
ここでは単一取引の計算例をわかりやすくお伝えするために必要経費の計算を省略していますが、実際には取引手数料等の経費を差し引いて課税所得を算出します。

ケース2:含み損のある通貨を別の仮想通貨(暗号資産)に交換した場合

購入時に1,500万円だった1BTCが1,300万円に下落している状態でイーサ(ETH)に交換した場合、200万円の損失が発生します。

損益の計算式        
譲渡価額(1,500万円 × 1BTC) - 取得価額(1,000万円 × 1BTC) = 500万円      
 


このケースでは購入価額にして120万円分のイーサリアム(ETH)を購入する対価として、譲渡原価100万円分のBTCを支払っています。

損益の計算式        
譲渡価格(1,300万円 × 1BTC) - 取得価額(1,500万円 × 1BTC) = ▲200万円

他の仮想通貨(暗号資産)取引で利益が生じている場合は、この損失と相殺することができます。   
ただし、仮想通貨(暗号資産)取引による所得は通常「雑所得」に区分されるため、他の所得(給与所得など)との損益通算はできず、翌年以降への繰越控除も認められていません。

ケース3:少額のトークン同士を頻繁に交換した場合

少額であっても、仮想通貨(暗号資産)同士の交換には都度損益が発生します。例えばXRPを使って別のコインに交換した場合、以下の通り損益計算が必要になります。

損益の計算式 (例)

譲渡価格(405円 × 1XRP) - 取得価額(400円 × 1XRP) = 5円   
譲渡価格(410円 × 2XRP) - 取得価額(400円 × 2XRP) = 20円   
譲渡価格(395円 × 1XRP) - 取得価額(400円 × 1XRP) = ▲5円   
譲渡価格(405円 × 2XRP) - 取得価額(400円 × 2XRP) = 10円

…以降、取引の件数だけ計算が増える

損益計算は各取引時点のレートに基づいて行う必要があるため、例え少額であっても取引ごとに計算する必要があります。

【ケーススタディ】仮想通貨(暗号資産)を日本円に現金化した場合の税金

続いて、仮想通貨(暗号資産)を日本円へ現金化(売却)するケースについて、見ていきましょう。

ケース4:ビットコイン(BTC)を日本円に売却した場合

1BTCを取得価格1,100万円で購入し、その後の値上がりにより時価1,400万円となった時点で売却した場合、差額の300万円が利益とみなされ課税対象となります。

損益の計算式        
譲渡価額(1,500万円 × 1BTC) - 取得価額(1,000万円 × 1BTC) = 300万円 

基本的に仮想通貨(暗号資産)を譲渡する場合、対価として得るものが日本円であろうと、他の仮想通貨(暗号資産)であろうと、損益の計算式に変わりはありません。   
いずれの場合も、譲渡価額と取得価額の差額が損益となる点を押さえておきましょう。

ケース5:含み損の通貨を日本円に売却した場合

購入時に1,400万円だった1BTCが1,100万円に下落している状態で売却した場合、300万円の損失が発生します。

損益の計算式        
譲渡価格(1,100万円 × 1BTC) - 取得価額(1,400万円 × 1BTC) = ▲300万円 

現金1,100万円が手元に入り、税務上は300万円の損失が確定します。   
他の仮想通貨(暗号資産)で利益が生じている場合は相殺が可能ですが、「雑所得」の場合は所得区分を跨いだ損益通算は認められていませんし、損失の繰り越し(繰越控除)もできません。

ケース6:複数回に分けて日本円に売却した場合

仮想通貨(暗号資産)を複数回に分けて売却した場合、取引のたびに損益が発生します。   
 

損益の計算式 (例)

譲渡価格(410円 × 1XRP) - 取得価額(400円 × 1XRP) = 10円   
譲渡価格(415 × 2XRP) - 取得価額(400円 × 2XRP) = 30円   
譲渡価格(390円 × 1XRP) - 取得価額(400円 × 1XRP) = ▲10円   
譲渡価格(405円 × 2XRP) - 取得価額(400円 × 2XRP) = 10円

…以降、取引の件数だけ計算が増える

損益計算は各取引時点のレートに基づいて行う必要があるため、例え少額であっても取引ごとに計算する必要があります。

仮想通貨の交換によって税金が発生したときの注意点

仮想通貨(暗号資産)の交換で発生する税金について、計算方法や申告漏れを防ぐための注意点を見ていきましょう。

所得金額は円換算・取得価額の計算方法に注意

仮想通貨(暗号資産)同士での交換取引のように日本円が直接関わらない取引であっても、税金計算のもととなる利益や所得金額は日本円換算で計算されます。   
具体的には、譲渡価額と取得価額をそれぞれ日本円換算で算出し、その差額が利益となります。   
なお、取得価額の計算方法には「総平均法」と「移動平均法」の2種類があり、どちらを選択するかで取得価額がかわります。個人の場合、特に届出しなければ「総平均法」を選択したと見なされます。   
計算方法を正しく理解し、税金を正確に申告するようにしましょう。

頻繁な交換や記録ミスによる申告漏れに注意

仮想通貨(暗号資産)の所得を算出するためには、取引ごとに損益の計算を行う必要があります。これは取引を頻繁に行うほど計算の手間が増え、また複雑になっていくことを意味しています。   
もしも取引履歴の記録漏れがあったり、計算ミスをしてしまったりすると、誤った内容で確定申告を行うことになりかねません。結果的に所得を過少に申告してしまった場合、追徴課税などのペナルティを受ける可能性もあります。   
取引を頻繁に行う場合は、専用の損益計算ツールを導入するなど大量の取引履歴の記録や煩雑な損益計算に備えておくことが大切です。

損益が発生するタイミングを把握しておく

仮想通貨(暗号資産)取引の税金においては、どのような取引が税務上の損益を発生させるのか、正しく理解しておくことが重要です。   
売却・決済・交換などの「譲渡」取引だけでなく、レンディングやステーキングのように報酬や対価として仮想通貨(暗号資産)を得た場合も利益と見なされます。   
課税対象となる取引を把握することで、保存しておくべき取引履歴の範囲がわかるようになります。また、実現損益を把握したり、年末の着地点を予想して節税対策の見極めにも繋がることでしょう。   
税金計算についてより詳細に知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

仮想通貨同士を交換するときは事前の税金計算が重要

仮想通貨を交換した場合、確定申告の際にそれらの取引による所得を集計する必要があります。

後々大きな作業負担となることも踏まえて、一つひとつの取引による所得はその都度計算し、発生する税金の見込みをたてておくと良いでしょう。

またその他の取引と同様に、必要な納税額は事前に確保しておくことが大切です。ただし、仮想通貨の取引による利益はその時点の相場に基づいて日本円に換算する必要があり、特に仮想通貨同士の交換の場合は複雑となる傾向があります。さらに実際の取引回数が多くなればなるほど管理が難しくなるため、こうした負担を軽減するために損益計算ツールを使う人も多くいます。

仮想通貨の交換による損益計算なら「クリプタクト」がおすすめ

仮想通貨同士の交換で得た利益は、実際に売却を行ったわけではなく通帳に預金残高は増えていないため、うっかりすると雑所得の合算に加えるのを忘れてしまいます。しかし、計算ミス、記入漏れや計上漏れがあるなど、期日後に確定申告の内容に誤りが見つかると修正申告、更正の請求などを行う必要が出てきてしまいます。

とはいえ、全ての取引履歴から所得や税金を算出する作業は非常に手間がかかります。税理士などの専門家に相談することができれば安心ですが、費用面での負担が大きくなってしまうデメリットもあるため、自分で対応したいと考える方も多いことでしょう。

仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、そうした仮想通貨取引の損益計算を簡単に自動計算でき、税金額を把握するための面倒な手作業が不要になります。また確定申告ソフトや会計ソフトへのデータ連携にも対応しているため、確定申告や会計管理全体を効率化しやすいのもポイントです。無料でご利用いただけるプランもありますので、この機会にぜひお試しください。