
ビットコインのほかに、XRPやソラナ(SOL)、ステーブルコイン、ミームコインなど複数の銘柄を持っていると、「銘柄によって税金の計算は違うのだろうか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
2026年10月時点の制度では、個人の場合、どの銘柄でも仮想通貨の利益は原則として「雑所得」に分類され、ほかの所得と合算する総合課税の対象となります。現行制度では、銘柄によって税率が変わることはありません。ただし、ステーキング報酬のように「受け取った時点」で所得が生じる銘柄や、法律上の位置づけが異なるステーブルコインなど、扱いに違いが出る場面や、取扱いが明確に示されていない場面があります。
この記事では、銘柄に関係なく共通するルールと違いが出るポイントを整理し、銘柄ごとの税金の注意点を一覧で紹介します。各銘柄の詳しい計算方法は、表の中でリンクしている記事で解説しています。
<この記事でわかること> ・仮想通貨(暗号資産)の税金は、銘柄が違っても基本のルールが同じであることがわかります |
目次 |
仮想通貨の税金は銘柄が違っても基本は同じ
最初に、銘柄に関係なく共通する課税ルールを確認しておきましょう。仮想通貨の税金の全体像は「仮想通貨(暗号資産)の税金とは?基礎と計算方法、対策も解説」で詳しく解説しています。
どの銘柄でも利益は雑所得・総合課税になる
国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」では、暗号資産取引による利益は原則として「雑所得」に区分されるとしています。ビットコインでもアルトコインでも、この区分は変わりません。
雑所得は給与所得などと合算され、所得税は課税所得に応じて5%〜45%の累進税率、住民税は一律10%がかかります。合計の最高税率は55%(復興特別所得税を含めると約55.945%)です。収入別の税額の目安は「仮想通貨(暗号資産)の税金はいくら?税率早見表と収入別シミュレーション」で確認できます。
なお、同FAQでは、その年の暗号資産取引にかかる収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ原則として業務に係る雑所得になるとしています。
課税されるのは売却・交換・支払い・受け取りのとき
仮想通貨は、日本円で購入して保有しているだけでは原則として課税されません。所得が生じるのは、主に次のような場面です。
- 仮想通貨を売却して日本円にしたとき
- ほかの仮想通貨と交換したとき(例:ビットコインでXRPを購入)
- 仮想通貨で商品やサービスの代金を支払ったとき
- ステーキング・レンディング・エアドロップなどで仮想通貨を受け取ったとき
特に見落としやすいのが仮想通貨どうしの交換です。国税庁FAQでは、暗号資産Aで暗号資産Bを購入した場合、Aを譲渡したものとして所得計算が必要になるとしています。日本円に戻していなくても、交換の時点で損益が確定する点に注意が必要です。課税される場面の詳細は「仮想通貨(暗号資産)の課税タイミングとは?損益が発生する代表的なケース5つを紹介」や「仮想通貨を交換するときは税金に注意!知らないとまずい課税所得」で解説しています。
取得価額は銘柄ごとに計算する
売却したときの利益は「売却価額-取得価額(1単位あたりの取得単価×売却数量)」で計算します。取得単価の計算方法には総平均法と移動平均法があり、国税庁FAQでは暗号資産の種類ごとに選ぶとしています。個人が届出を出していない場合は、総平均法が適用されます。
つまり、ビットコインとXRPの取得単価はそれぞれ別に計算します。銘柄が増えるほど、計算の手間が増える点を押さえておきましょう。2つの計算方法の違いは「総平均法・移動平均法どちらがお得?自分に合う仮想通貨の損益計算法」で解説しています。
銘柄どうしの損益は同じ年の中で相殺できる
ある銘柄で利益が出て、別の銘柄で損失が出た場合、同じ年の雑所得の範囲内であれば損益を差し引きできます。
以下は理解を助けるための想定ケースです。同じ年にビットコインの売却で50万円の利益、XRPの売却で20万円の損失が出た場合、仮想通貨の所得は50万円-20万円=30万円として計算します(※税額は所得控除などの個別事情で変わります)。
表1:銘柄に関係なく共通する課税ルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得区分 | 原則として雑所得(総合課税) |
| 税率 | 所得税5%〜45%+住民税10%(最大55%) |
| 課税のタイミング | 売却・交換・支払い・受け取り(ステーキング報酬など)のとき |
| 取得単価の計算 | 総平均法または移動平均法。暗号資産の種類ごとに選ぶ(届出がなければ総平均法) |
| 銘柄間の損益 | 同じ年の雑所得の範囲内で相殺できる |
| 確定申告の目安 | 年末調整を受けている給与所得者は、給与以外の所得が年20万円を超えると原則として所得税の確定申告が必要(住民税の申告は別途必要な場合あり) |
銘柄によって税金の扱いに違いが出る4つのポイント
基本のルールは共通ですが、銘柄の性質や使い方によっては扱いに違いが出ます。ここでは、特に気をつけたい4つのポイントを整理します。
ステーキング・エアドロップなど「受け取り」で所得が出る
イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)など、ステーキングに対応した銘柄では、報酬を受け取った時点で所得が生じます。国税庁FAQでは、ステーキングなどで暗号資産を取得した場合、取得時点の時価が収入金額になるとしています。売却していなくても課税の対象になる点が、ほかの銘柄との違いです。
受け取った暗号資産を後で売却・交換したときは、受け取った時点の時価を取得価額として損益を計算します(国税庁FAQ 1-5)。
国内取引所のサービスでは、保有しているだけで報酬が自動で付与される場合もあります。仕組みと税金の考え方は「仮想通貨のステーキングとは?仕組みや税金について解説」、保有中に課税されるケースは「仮想通貨の保有時は要注意。持っているだけで税金がかかるケースとは」で解説しています。
ステーブルコインは法的な位置づけで考え方が変わる可能性がある
ステーブルコインは、価格が法定通貨などに連動するように設計された銘柄です。2023年6月に施行された改正資金決済法により、法定通貨と連動した価格で発行され、発行価格と同額での払い戻しが約束されたタイプは「電子決済手段」として、暗号資産とは別に位置づけられるようになりました。一方、仕組みによっては暗号資産として扱われるステーブルコインもあります。
暗号資産にあたるステーブルコインには、国税庁FAQに示された暗号資産の取扱いが当てはまります。一方、電子決済手段にあたるステーブルコインを個人が取引した場合の取扱いは、国税庁FAQで明確に示されていません(FAQの電子決済手段の項目は法人税の取扱いです)。銘柄の仕組みや取引の内容によって扱いが変わる可能性があるため、実際の申告では税務署または税理士に確認しましょう。
ケース別の考え方は「どんなステーブルコインの取引でも同じ課税?ケース別損益計算方法と最新動向を解説」で詳しく解説しています。
法人は期末に時価評価が必要(自社発行トークンなどの例外あり)
個人の場合、年末に値上がりしている銘柄を保有していても、その含み益に課税されることはありません。一方、法人が保有する場合は扱いが異なります。
国税庁FAQでは、法人は活発な市場が存在する暗号資産について、原則として事業年度末に時価で評価するとしています。自社が発行した暗号資産など、一定の要件を満たすものには例外の取扱いも設けられています。
自社でトークンを発行している法人や、譲渡制限の付いたトークンを保有している法人は、例外にあたるかどうかを税務署または税理士に確認しましょう。
ミームコインなど値動きの大きい銘柄は取引回数と記録に注意
ミームコインにも、ほかの銘柄と同じ課税ルールが適用されます。ただし、分散型取引所(DEX)でソラナなどの仮想通貨と交換して購入するケースが多く、交換のたびに支払った側の仮想通貨の損益が確定します。
短期間で売買を繰り返すと取引件数が増え、取引所の取引履歴だけでは記録がそろわないこともあります。値動きが大きい銘柄ほど1回の交換で生じる損益も大きくなりやすいため、取引の記録を残しておくことが重要です。
銘柄別の税金のポイント一覧
ここからは、主な銘柄カテゴリごとに税金の注意点をまとめます。詳しい計算方法や計算例は、それぞれの記事で解説しています。
表2:銘柄別の税金のポイント
| 銘柄カテゴリ | 代表的な銘柄 | 税金で気をつける点 | 詳しく解説している記事 |
|---|---|---|---|
| ビットコイン | ビットコイン(BTC) | 売却・交換・支払いで損益が確定。価格に連動するポイント運用は、暗号資産の取引とは仕組みが異なる | ビットコインの税金の仕組みと計算方法とは?計算例付きで解説 |
| 送金に使われる銘柄 | XRP | 送金のために一時的にXRPへ交換しても、交換のたびに損益が発生する | XRPの取引にかかる税金は?具体的な計算方法を解説 |
| ステーキングできる銘柄 | ソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)など | 報酬は受け取った時点の時価で所得になる。SOLでNFTを購入すると、支払ったSOLの損益が生じる | 仮想通貨ソラナ(SOL)取引にかかる税金は?具体的な計算方法を解説 |
| ステーブルコイン | USDT、USDC、JPYCなど | 暗号資産か電子決済手段かで扱いが変わる可能性がある。電子決済手段の個人の取扱いは国税庁FAQで明確に示されていない | どんなステーブルコインの取引でも同じ課税?ケース別損益計算方法と最新動向を解説 |
| ミームコイン | ドージコイン(DOGE)、ペペ(PEPE)など | DEXでの交換ごとに損益が確定。取引件数が増えやすい | 本記事「ミームコイン」の項を参照 |
| 新規発行・自社発行トークン | プレセール・IEOで取得したトークンなど | 売却・交換で損益が生じる。取引内容によって扱いが変わる可能性がある。法人は期末時価評価の取扱いを確認 | 本記事「新規発行トークン・自社発行トークン」の項を参照 |
ビットコイン(BTC)
ビットコインは、日本円での売却、ほかの仮想通貨との交換、決済での利用のいずれでも損益が確定します。計算の基本は「売却価額-取得価額」で、取得単価は総平均法または移動平均法で求めます。仕組みと計算例は「ビットコインの税金の仕組みと計算方法とは?計算例付きで解説」で解説しています。
なお、ビットコインの価格に連動してポイントが増減するポイント運用サービスは、実際にビットコインを保有するものではなく、暗号資産の取引とは仕組みが異なります。詳しくは「PayPayポイントのビットコイン運用は税金がかかる?課税対象となる場合と計算方法を解説」をご覧ください。
XRP
XRPは送金の用途で使われることが多い銘柄ですが、送金のために一時的にXRPへ交換した場合でも、交換のたびに損益が発生します。例えばビットコインをXRPに交換して送金し、送金先で再びビットコインに戻すと、2回の交換それぞれで損益を計算します。具体的な計算方法は「XRPの取引にかかる税金は?具体的な計算方法を解説」で解説しています。
ソラナ(SOL)などステーキングできる銘柄
SOLはステーキングに対応しているため、報酬を受け取った時点の時価が所得になります。また、SOLでNFTを購入した場合は、購入に使ったSOLの損益が確定します。ステーキングとNFT売買の計算例は「仮想通貨ソラナ(SOL)取引にかかる税金は?具体的な計算方法を解説」で紹介しています。
イーサリアム(ETH)などほかのステーキング対象銘柄も、報酬の扱いは同じ考え方です。
ステーブルコイン(USDT・USDC・JPYCなど)
ステーブルコインは、暗号資産として扱われるものと、電子決済手段として扱われるものがあり、税務上の考え方が異なる可能性があります。どちらにあたるかは銘柄の仕組みによって異なり、電子決済手段にあたるものを個人が取引した場合の取扱いは、国税庁FAQで明確に示されていません。銘柄ごとの位置づけや損益の考え方は、前述の「どんなステーブルコインの取引でも同じ課税?ケース別損益計算方法と最新動向を解説」をご確認ください。
日本円ステーブルコインのJPYCは、発行元のJPYC株式会社の発表によると、2025年10月27日から資金決済法上の電子決済手段として発行が始まりました(従来の「JPYC Prepaid」は前払式支払手段で、位置づけが異なります)。JPYCは日本円と1:1で発行・償還されるとされていますが、電子決済手段としてのJPYCを個人が使った場合の税務上の取扱いは、国税庁FAQでは明確に示されていません。JPYCの仕組みは「日本円ステーブルコイン「JPYC」とは?仕組みと注意点を解説」で解説しています。
ミームコイン(DOGE・PEPEなど)
ドージコイン(DOGE)やペペ(PEPE)などのミームコインも、税金のルールはほかの銘柄と同じです。DEXでソラナやイーサリアムと交換して購入した場合、購入に使った仮想通貨の損益がその時点で確定します。取引件数が多くなりやすいため、ウォレットの取引履歴も含めて記録を残しておきましょう。ミームコインの特徴や取引時の注意点は「ミームコインの買い方を解説|代表的な銘柄一覧、取引する際の注意点も」で紹介しています。
新規発行トークン・自社発行トークン
プレセールやIEO(取引所を通じた新規販売)で取得したトークンも、売却・交換すれば損益が生じます。ただし、代金の支払いとトークンの受け取りの時期がずれる場合の扱いなどは国税庁FAQで明確に示されておらず、取引の内容によって扱いが変わる可能性があります。税金が発生するタイミングは「仮想通貨のプレセールとは?最新情報の集め方と税金が発生するタイミングを解説」で解説しています。
法人が自社でトークンを発行・保有している場合は、前述の期末時価評価の取扱いもあわせて税務署または税理士に確認しましょう。
保有銘柄が値下がりしたときの税金と確定申告
仮想通貨の価格は、各国の規制強化、金融政策などの金融情勢の変化、取引所のハッキング、利益確定売り、著名人の発言や報道など、さまざまな要因で大きく下落することがあります。日本では確定申告の期限である3月15日が近づくと、納税資金を用意するための売却(納税売り)が増えるともいわれています。
ここでは相場の見通しではなく、保有銘柄が値下がりしたときに押さえておきたい税金のポイントを整理します。
値下がりしただけでは税金は減らない
個人の場合、保有している銘柄が値下がりしても、売却や交換をしていなければ損失は確定しません。含み損のままでは、その年のほかの銘柄の利益と相殺することはできない点に注意が必要です。
含み益・含み損と確定申告の関係は「仮想通貨の含み益とは?確定申告や持ち越し判断のポイントを解説」で解説しています。
損失はほかの所得と損益通算できない
仮想通貨の損失は、雑所得の範囲内でしか差し引きできません。給与所得や不動産所得、株式の譲渡所得など、ほかの所得区分と損益通算することは認められていません。
国税庁FAQでも、雑所得の計算上生じた損失は給与所得などほかの所得から差し引くことはできないとしています(FAQ 2-11)。損益通算の考え方は「仮想通貨取引の所得は損益通算できる?損失の処理方法や計算方法を解説」で詳しく解説しています。
損失を翌年以降に繰り越すことはできない
上場株式等の譲渡損失は、確定申告をすれば最長3年間繰り越せる制度がありますが、2026年10月時点の制度では、雑所得に分類される仮想通貨の損失には、この繰越控除の制度がありません。ある年の損失を、翌年の利益と相殺することはできない仕組みです。
なお、令和8年度与党税制改正大綱では、分離課税の対象となる「特定暗号資産」の譲渡損失について、翌年以後3年間の繰越控除を認める方針が示されています。適用は改正後の制度が始まってからで、現時点の損失には適用されません(後述の「分離課税への税制改正と銘柄の関係」を参照)。
損失だけの年も損益計算をしておく
1年間の結果が損失だけで確定申告が不要な場合でも、損益計算はしておくことが大切です。年末時点の保有数量や取得単価がわからないと、翌年以降に利益が出たときに正しく計算できないためです。
また、「損失しか出ていない」と思っていても、仮想通貨どうしの交換や支払い、ステーキング報酬などで利益が生じている場合があります。損失が出た場合の申告の判断基準は「仮想通貨(暗号資産)取引で損失が出た場合の確定申告は?判断基準や損益通算の方法を解説」、確定申告の手順は「【2026年最新版】仮想通貨の確定申告が必要?計算方法とやり方・手順」で解説しています。
表3:保有銘柄が値下がりしたときの税金の扱い
| 場面 | 税金の扱い(個人・2026年10月時点の制度) |
|---|---|
| 値下がりしたまま保有している | 損失は確定しない。ほかの銘柄の利益とも相殺できない |
| 売却・交換で損失が確定した | 同じ年の雑所得の計算の中で、ほかの銘柄の利益と差し引きされる |
| 給与所得・株式の利益と相殺したい | できない(雑所得以外とは損益通算不可) |
| 損失を翌年に繰り越したい | できない(繰越控除の制度なし) |
| 年間の結果が損失のみ | 申告の要否はほかの所得などによる。損益計算はしておく |
銘柄が多い人が損益計算でつまずきやすいポイント
持っている銘柄が増えるほど、損益計算の手間は大きくなります。ここでは、複数の銘柄を取引している方がつまずきやすいポイントを紹介します。
銘柄ごとの取得単価がわからなくなる
取得単価は銘柄ごとに計算するため、10銘柄を取引していれば10通りの計算が必要です。複数の取引所で同じ銘柄を売買している場合は、取引所をまたいでまとめて計算します。途中の記録が抜けると取得単価が求められなくなることもあります。対処法は「仮想通貨の取得単価がわからない時の税金計算と対処法」で解説しています。
交換・送金・ガス代で記録が分かれる
DEXでの交換、取引所からウォレットへの送金、ガス代の支払いなどが重なると、記録が複数の場所に分かれます。ガス代を仮想通貨で支払った場合の扱いは国税庁FAQで明確に示されておらず、取引の内容によって扱いが変わる可能性があります。送金と税金の関係は「仮想通貨を送金すると税金はかかる?5つのシーンごとに解説」をご覧ください。
こうした計算を手作業で行うのは負担が大きいため、損益計算ツールを使う方法もあります。損益計算ツール「クリプタクト」は、国内外190の取引所・ブロックチェーンに対応しており(2026年10月時点)、取引履歴を取り込むと銘柄ごとの損益を日本の税制に基づいて自動で計算できます。無料のFreeプランからご利用いただけます。
分離課税への税制改正と銘柄の関係
2026年10月時点では、仮想通貨の利益は原則として雑所得・総合課税です。一方、2025年12月19日に公表された令和8年度与党税制改正大綱では、一定の暗号資産の取引から生じる所得について、20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税とし、損失は翌年以後3年間繰り越して控除できるようにする方針が示されました。
大綱では、分離課税の対象は、金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産等(「特定暗号資産」)を、登録を受けた業者を通じて譲渡した場合などとされています。つまり、改正が実現した場合、銘柄によって総合課税のまま残るものと分離課税になるものに分かれる可能性があります。
前提となる暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正法(金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律)は、2026年7月15日に成立しました。大綱では、分離課税は「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年1月1日以後」の譲渡等に適用するとされています。改正法の施行は2027年度、分離課税の適用は2028年1月1日からになる見通しと報道されていますが、2026年10月時点で開始時期は確定していません。
改正の内容と今後の流れは「【2026年1月最新】仮想通貨の分離課税、令和8年度与党税制改正大綱でどう変わるか|注目点を解説」で解説しています。
よくある質問
Q: ビットコインとアルトコインで税率は違いますか?
いいえ、2026年10月時点の制度では違いません。個人の場合、ビットコインもアルトコインも利益は原則として雑所得となり、所得税5%〜45%と住民税10%の合計で最大55%の総合課税が適用されます。ただし、分離課税への税制改正が実現した場合は、銘柄によって扱いが分かれる可能性があります。
Q: ビットコインの利益とXRPの損失は相殺できますか?
はい、同じ年に確定した損益であれば相殺できます。例えばビットコインで50万円の利益、XRPで20万円の損失が確定した場合、仮想通貨の所得は30万円として計算します(※想定ケースです。個別事情により扱いが変わる場合があります)。
Q: ステーキング報酬は売却しなくても税金がかかりますか?
はい、課税の対象になります。報酬を受け取った時点の時価が雑所得の収入金額になります。売却していなくても、受け取った時点で所得の計算に含める必要があります(国税庁FAQ 1-7)。実際に納税が必要かどうかは、ほかの所得や控除などの状況によります。
Q: 日本円に換えず、仮想通貨どうしを交換しただけでも損益の計算は必要ですか?
はい、必要です。国税庁FAQでは、暗号資産Aで暗号資産Bを購入した場合、Aを譲渡したものとして所得計算が必要になるとしています(FAQ 1-3)。銘柄に関係なく、交換のたびに支払った側の仮想通貨の損益を計算します。
Q: 値下がりした仮想通貨の損失は給与所得と相殺できますか?
いいえ、できません。仮想通貨の損失は雑所得の範囲内でのみ差し引きでき、給与所得などとは損益通算できません。また、2026年10月時点の制度では、上場株式等のような3年間の繰越控除も認められていません。
Q: 分離課税になると、すべての銘柄が対象になりますか?
いいえ、令和8年度与党税制改正大綱では、金融商品取引業者登録簿に登録された「特定暗号資産」の取引が20%の申告分離課税の対象とされています。開始時期は2026年7月に成立した金融商品取引法の改正法の施行時期によって決まり、2028年1月1日からになる見通しと報道されていますが、まだ確定していません。
まとめ
仮想通貨の税金は、銘柄が違っても基本のルールは同じです。個人の利益は原則として雑所得・総合課税となり、売却・交換・支払い・受け取りのときに所得が生じます。一方で、ステーキング報酬の受け取り、ステーブルコインの法的な位置づけ、法人の期末時価評価、値動きの大きい銘柄の取引件数など、銘柄によって注意すべき点が変わります。ステーブルコインやガス代など、国税庁FAQで取扱いが明確に示されていない点もあるため、判断に迷う取引は税務署または税理士に確認しましょう。
保有銘柄が値下がりした場合も、2026年10月時点の制度では、損失はほかの所得と損益通算できず、翌年への繰り越しもできません。損失だけの年でも損益計算をしておくことが大切です。最終的な税務処理は、税理士や税務署に確認するようにしましょう。
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