仮想通貨の海外取引所は国内取引所より高いレバレッジをかけられたり豊富なアルトコインを取り扱っていたりなど、さまざまなメリットがあります。ただ、取引所を選ぶ際はセキュリティや企業の安全性も加味しなければなりません。
そこで本記事では海外取引所での取引開始を迷われている方に向けて、海外取引所のメリットやデメリットを紹介したうえで解説し、選ぶ際のポイントや取引を行う上で知っておきたい留意点を紹介します。なお、記事公開現在、海外取引所は日本で登録を受けずに金融商品取引業や暗号資産交換業を行っており(無登録業者)これは違法です。もし皆さんが取引を行う際は、この点について熟考しご自身の判断で取引を行うようにしてください。
海外取引所を利用するメリット
海外取引所を利用する主なメリットとして以下4つがあります。
①取り扱い銘柄が100種類を超える取引所が多い
国内取引所に比べ海外取引所は上場審査が厳しくないため、さまざまなアルトコインが取り扱われています。それゆえハイリスク・ハイリターンな銘柄が多いことには注意しましょう。ただし審査は行われているため詐欺目的で作られた銘柄が上場する可能性は低いと言われています。
②高いレバレッジがかけられる
また、海外取引所はレバレッジ(担保として預けた証拠金の何十倍にも相当する資金を動かす)を用いた短期取引に活用しやすい傾向があります。
国内取引所でかけられるレバレッジは最大2倍までですが、海外取引所だと次に示すように100倍以上も可能になっています。(2023年9月15日時点)
● Bybit:100倍
● MEXC:200倍
● KuCoin:100倍
つまり、レバレッジ100倍であれば、元手が1万円しかない場合でも100万分の取引を行えます。
③追証がないケースもある
レバレッジ取引を行う際は「証拠金維持率(担保となる保証金の維持率)」があり、取引所が設定している証拠金維持率を下回ると強制ロスカット(損失の拡大を防ぐ制度)が行われます。さらに大きな損失が発生し証拠金がマイナスを下回ると追証(追加証拠金)が発生する場合があります。
「追証」とは0からマイナスになった分、追加で証拠金を入金する制度です。国内取引所は追証がありますが、海外取引所には追証がない場合が多いです。そのため、証拠金以上の損失が発生したとしても追加で証拠金を入金する必要がなく、証拠金が0になる以上の損失がないのです。
とはいえ、リスクの高い取引をする場合には、特に全体の取引においてどのくらい利益がでているのかを把握しながら投資をする必要があります。
仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」を使えば、1分単位で通貨の価格を取得しているため、リアルタイムでその時点での損益を把握できます。また、複数の取引所で取引している内容を統合し、通貨ごとでも確認できるため、分散投資にも役立つ情報が得られます。
④流動性が高い取引所が多い
海外取引所は国内取引所より流動性が高い傾向があります。
流動性が高いとは、仮想通貨の取引量と頻度が高く取引が活発に行われている状態を指します。つまり流動性が高いとマーケットの参加者も多く、取引が活発に行われているので、注文が約定しやすいのです。
海外取引所は主にデリバティブ取引の流動性が高く、国内取引所と比較すると以下のように100倍以上の取引量がある場合もあります。

出典:CoinMarketCap(2023年9月15日時点)
海外取引所を選ぶ時のポイント
海外取引所を選ぶ際の確認したいポイントは以下の6つです。
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海外取引所は国内取引所にはない魅力(取引種類、コイン、流動性の高さなど)がある取引所かという点はもちろんのこと、セキュリティ対策が十分かという点には注意するようにしましょう。
なぜなら、海外取引所は金融庁に認可されていないので、自身で判断する必要があるからです。仮に海外取引所が破綻すると取引所へ入金していた資金が返金されない可能性があり、実際2022年に破綻した海外取引所FTXは資金が返金されていない方が多くいます。
そのため、取引所の破綻リスクやセキュリティの脆弱性、詐欺目的で設立された取引所ではないかなどを入念に確認しておきましょう。
なお、取引所が個人情報や資産に対して十分に対策を実施しているか確認する一つの方法として以下に対応しているかを確認しましょう。
● マルチシグ対応している
マルチシグは、仮想通貨の売買や送金をする際に、複数の電子署名を利用する方法です。電子署名を分散させているため、1つの署名が流出しても盗難から防止できます。
● 2段階認証に対応している
2段階認証はユーザーが行えるセキュリティ対策で、パスワードが流出してもアカウントが不正利用されるのを防止できます。
海外取引所を使う際の注意点(デメリット)
海外取引所を使う際の注意点として以下3つがあります。
①取引所の運営元が不明瞭な場合がある
海外取引所は国内取引所のように金融庁から認可を得る必要がないので、運営企業や所在地を公表していない取引所があります。
公表していないと危険なわけではありませんが、透明性の観点から不安が残るでしょう。
②入出金に手間がかかる場合がある
入出金に手間がかかる場合があります。2023年からは国内取引所でトラベルルールが適用されているため、利用する取引所によっては時間がかかったり入金が反映されなかったりする可能性があります。
トラベルルールについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
③税金計算が複雑
海外取引所で得た利益は課税対象となり、外貨建ての場合は円での損益計算が必要な点にも注意しましょう。
例えば、同じ年度内にビットコイン(BTC)の売買をドル建で以下順番で取引したとします。

「実現損益=(売却価格ー平均取得単価)×売却数量」で求められるため、この場合は、(138,000-110,625)×1= 27,375円が実現損益となります。
このように別の通貨建ての場合はその時のレートで時価を計算する必要があるため、売買時点での円貨を都度メモしておく必要があります。さらに、上記の事例はシンプルなケースですが、実際は何度も取引を繰り返すのが一般的です。
このような煩わしさを回避するには損益計算ツールを使うのがおすすめです。仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」なら数十の法廷通貨の取引レートを一分単位で取得し正確な時価で損益計算を自動で行ってくれます。
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主な海外取引所特徴
現在日本人の口座開設が可能な主な海外取引所の特徴を以下にまとめました。海外取引所はご自身の目的や重視するポイントの優先度に合わせて選びましょう。
取引所名 | KuCoin | bybit | MEXC |
取扱銘柄数 | 700種類以上 | 300種類以上 | 1500種類以上 |
入金手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
現物取引(メイカー※) | 0.1% | 0.1% | 0% |
セキュリティ(一例) | マルシング 2段階認証 | コールドウォレット 2段階認証 | フィッシングコード 2段階認証 |
※Makerとは板に表示できる指値注文を出すこと
なお、クリプタクトであれば上記3つの海外取引所に対しAPI連携できるため、取引履歴をダウンロードする手間もなく簡単に損益計算が可能です。
まとめ
海外取引所は国内取引所にはない魅力(取引種類、コイン、流動性の高さ特別など)がありますが、金融庁の認可を受けていないため何かトラブルが起きた際は自己責任になり、運営元が不明の取引所もあります。取引所の信頼性は重視して選びましょう。
また、海外取引所を利用して得た所得も課税対象であることを忘れないようにしましょう。都度レートを書き残したり、その他の取引と合わせて損益計算する手間や時間をなくしたいとお考えの方は、損益計算ツールを検討しましょう。
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