仮想通貨のリバランスとは?ポートフォリオ管理のメリットと方法を解説

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仮想通貨の投資では、日々相場が変動する中で資産を最大化するために戦略的な管理が求められます。特にポートフォリオのリバランスは、リスクを抑えつつリターンを最適化するために非常に重要な手法です。

この記事では仮想通貨投資におけるリバランスの概要やメリット・デメリットを紹介するとともに、具体的な実施方法についてご紹介していきます。 
仮想通貨のリバランスに役立つポートフォリオ管理ツールについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 仮想通貨投資におけるポートフォリオのリバランスとは
  2. 仮想通貨投資でのリバランスの方法   
    2.1. 定期的なリバランス   
    2.2. トリガーベースのリバランス
  3. 仮想通貨投資のリバランスに役立つツール
  4. まとめ

仮想通貨投資におけるポートフォリオのリバランスとは

仮想通貨投資におけるポートフォリオとは、投資家が資金を投入している仮想通貨の銘柄やその組み合わせのことを指します。

なかでも仮想通貨はボラティリティ(価格変動)が大きい傾向にあるため、ポートフォリオを構成する資産の価格が大きく変動することで、当初計画していたポートフォリオのバランスが崩れることがあります。

このような際に、目標としている配分バランスに元に戻すように調整取引を行う作業のことを、ポートフォリオのリバランス(※)と呼びます。

※大和証券・金融・証券用語解説より参照

リバランスの目的は、当初設定した投資戦略に基づいてリスクとリターンを管理することにあります。特定の銘柄への偏りを排除してバランスの良い状態を保つことで、ポートフォリオ全体のリスクを一定に保つことを目指します。なお、ポートフォリオのリバランスには、その構造上、高値売り・安値買いを実現しやすいというメリットがあります。相対的に高くなった仮想通貨を売却し、安くなった仮想通貨を購入することでバランスを調整するためです。

一方で、適切なリバランスを行いながらポートフォリオを管理するためには、効果的なポートフォリオ計画の策定と、計画に基づいた運用といった一定の労力が必要になります。一度買って放置するだけのいわゆる「ガチホ」投資と比較すると、この点はデメリットと言えるでしょう。

「ガチホ」投資やポートフォリオの作り方についてはこちらの記事でも解説していますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

仮想通貨投資でのリバランスの方法

仮想通貨投資におけるリバランスには、主に次の2つの方法があります。

● 定期的なリバランス   
● トリガーベースのリバランス

それぞれについて見ていきましょう。

定期的なリバランス

定期的なリバランスとは、あらかじめ決めておいた間隔でポートフォリオの構成を調整する方法です。

例えば、毎週や毎月、あるいは四半期ごとなどの周期でリバランスを行うことが一般的です。

非常にシンプルな方法であることに加え、あらかじめ決めた周期にのみ相場をチェックすれば良いため、投資に多くの時間を割けない初心者の人にとっても取り組みやすい方法と言えるでしょう。

主なメリット

定期的なリバランスの主なメリットは次の通りです。

● 計画の一貫性を保ちやすい   
● 時間的、心理的な負担が小さい

あらかじめ決められた周期に作業を行うだけで良いため、計画の一貫性を保ちながら長期的な投資を行いやすいという特徴があります。

常にチャートを監視しておく必要がないため投下する時間も少なくて良いほか、日常生活の中にチャート変動によるストレスを持ち込まずに済む点も大きなメリットと言えるでしょう。

主なデメリット

一方で、定期的なリバランスには次のようなデメリットも存在します。

● 市場機会を逃す可能性がある   
● リバランス頻度が高いほど取引手数料が増える

あらかじめ決めておいた周期以外では相場をチェックしないため、急激な相場変動などの場面を検知できず、利益を得るチャンスを逃してしまう可能性があります。

定期的なリバランスの頻度は自身の時間的都合だけでなく、対象仮想通貨のボラティリティ(価格変動の程度)やリスク許容度などの要素も含めて検討すると良いでしょう。

なお、リバランスの頻度を高くしすぎると、取引回数が増加して取引所へ支払う手数料負担が増加する恐れがあるため注意が必要です。

定期的なリバランスの例

定期的なリバランスの事例として、Aさんのリバランスを見てみましょう。

Aさんの定期的なリバランス計画

リバランスの頻度 : 毎月1日(月初)   
ポートフォリオ構成: 
ビットコイン(BTC)50% イーサ(ETH)30% リップル(XRP)20%

Aさんは上記のような計画を立てて、6月1日にビットコイン(BTC)を50万円分、イーサ(ETH)を30万円分、そしてリップル(XRP)を20万円分、総額100万円分の仮想通貨を購入しました。

1カ月後の7月1日にポートフォリオを確認すると、価格変動によりビットコイン(BTC)の評価額が55万円に増えた一方で、リップル(XRP)の評価額は18万円に下がっていました。

 

 

上記のグラフを見るとわかるように、ポートフォリオの構成比率が変わっています。

そのため、Aさんはビットコイン(BTC)の一部を売却するとともに、リップル(XRP)を追加購入することで、ポートフォリオのリバランスを行うことにしました。

この場合、ポートフォリオの総額は103万円になっていますので、ビットコイン(BTC)は50%に相当する約51万5千円を残して売却し、逆にリップル(XRP)は20%にあたる約20万6千円になるように追加購入する形で調整取引を行う形となります。

また、価格変動がなかったイーサ(ETH)についても、ポートフォリオ全体の総額が増えたことでリバランスが必要となり、30%にあたる30万9千円になるように買い増しを行う必要があります。

 

 

このように、あらかじめ定めておいた周期や構成比率の計画に沿ってポートフォリオを調整する方法が、定期的なリバランスの基本的なやり方となります。

トリガーベースのリバランス

トリガーベースのリバランスとは、特定の条件(トリガー)が満たされた時にポートフォリオの調整を実施する方法です。

「トリガー」には、市場価格が一定範囲を超えた場合や、ポートフォリオのバランスが計画から一定以上乖離した場合などが該当します。

定期的なリバランスと比較してより詳細なルールを設定できるため、ある程度経験が豊富な投資家に向いている方法と言えるでしょう。

主なメリット

トリガーベースのリバランスには、次のようなメリットがあります。

● リスク管理の強化に繋がる   
● 効率的な運用ができる

市場の状況に応じて対応することができるため、急激な価格変動などに対して柔軟にリバランスを行うことができます。

そのためリスクを常に一定のレベル内に保つ効果が期待でき、ポートフォリオのリスク管理強化に繋がります。

また、必要なタイミングにのみリバランス取引を行うため、頻繁に取引を行う必要がなく、取引所に支払う手数料負担の軽減も期待できるでしょう。

主なデメリット

一方で、トリガーベースのリバランスにもデメリットは存在します。

● トリガー条件の設定が複雑   
● 継続的なチェック体制が必要

トリガーベースのリバランスによって投資成果を安定させるためには、適切なトリガー条件の設定が欠かせません。

例えば、具体的にどれほど価格が変動したらリバランスを行うべきかなどの基準を決めるのが難しい場合があります。

投資対象の特性なども踏まえて適切な基準を設定しないと、リバランスが頻繁に発生してしまったり、逆に計画から乖離したまま長期間放置することになる可能性もあるでしょう。

また、トリガーベースのリバランスを行うためには継続的なチェック体制を整えることも重要です。

取引所の価格アラート機能を使って通知を受信できるようにしておくなど、常に対応できる状態にしておく必要があるのです。

トリガーベースのリバランスの例

それでは、トリガーベースのリバランスの事例として、Bさんのポートフォリオを見てみましょう。

Bさんのトリガーベースのリバランス計画

ポートフォリオ構成: 
 ビットコイン(BTC)50% イーサ(ETH)30% リップル(XRP)20%

トリガー条件:   
 ・ビットコイン(BTC)の評価額がポートフォリオの60%を超えるか、40%を下回ったとき   
 ・イーサリアム(ETH)の評価額がポートフォリオの35%を超えるか、25%を下回ったとき   
 ・リップル(XRP)の評価額がポートフォリオの25%を超えるか、15%を下回ったとき

Bさんは上記のような計画を立てて、8月1日にビットコイン(BTC)を50万円分、イーサ(ETH)を30万円分、そしてリップル(XRP)を20万円分、総額100万円分の仮想通貨を購入しました。

 

その後、リップル(XRP)の価格が高騰したことを受けてポートフォリオを確認したところ、リップル(XRP)の評価額が26万円に増加していた一方で、ビットコイン(BTC)の評価額は44万円に減少していました。

Bさんは、リップル(XRP)の構成比率が25%を上回ったことから、リバランス取引を行うことにしました。

この場合、ポートフォリオの総額は100万円で変わっていません。ビットコイン(BTC)はその50%にあたる約50万になるまで購入し、逆にリップル(XRP)は20%にあたる約20万になるまで売却する形で調整取引を行う形となります。

 

このように、あらかじめ設定しておいたトリガー条件に基づいてリバランス取引を行う方法が、トリガーベースのリバランスとなります。

仮想通貨投資のリバランスに役立つツール

仮想通貨のリバランスを効率的に行うには、資産状況を効率的に把握できるポートフォリオ管理ツールの活用がおすすめです。

中でも「クリプタクト」であれば、取引状況と最新の資産評価額に基づいて、ポートフォリオの状況をリアルタイムに表示することができます。

そのため、当初のポートフォリオ計画からの乖離状況や、リバランスの要否を判断するために必要な情報を効率的に得ることが可能になるのです。

クリプタクトのポートフォリオ画面。資産配分バランスをグラフで確認できる

クリプタクト ポートフォリオ

クリプタクトのポートフォリオ画面。銘柄ごとの一覧表表示で、評価額や構成比率が一目瞭然

ポートフォリオ機能 通貨別

さらに、クリプタクトは損益計算ツールでもあるため、確定申告書に必要な「実現損益」も把握することができます。

「クリプタクト」には、無料で基本機能を利用できるプランも用意されています。

仮想通貨ポートフォリオのリバランスを効率化したい方はもちろん、税金計算や確定申告の準備負担を軽減したい方は、ぜひこの機会にお試しください。

まとめ

この記事では仮想通貨投資におけるリバランスの概要やメリット・デメリットを紹介するとともに、具体的な実施方法についてご紹介してきました。

具体的なポートフォリオに基づく投資は、計画的で一貫性のある投資への第一歩となります。

急な相場変動などで感情的に取引をしてしまったり、それによって大きな失敗をしてしまった経験のある方は、ポートフォリオとリバランスの計画を立てることで、落ち着いた仮想通貨取引を目指してみるのも良いのではないでしょうか。

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