仮想通貨の「ガチホ」戦略とは?長期保有のメリットや税金面を解説!
ブログ一覧に戻る仮想通貨における有名な投資手法の一つとして、「ガチホ」が挙げられます。
「ガチホ」とは、短期売買をせずに長期間保有しつづけることで、「ガチ(本気)でホールド(保有)する」あるいは「ガチ(本気)のホルダー(保有者)」などの表現を省略したものと言われています。
今や一つの投資戦略としても確立されている「ガチホ」ですが、自分にあっているか・注意点はないのか気になっている方も多いかもしれません。
この記事では、「ガチホ」戦略の概要やメリット、保有しているだけとのイメージが強い「ガチホ」で見落としがちな税金面での注意点などについてわかりやすく解説していきます。
仮想通貨投資における「ガチホ」とは?
長期投資の文脈で用いられることが多い「ガチホ」ですが、具体的にはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。
ここでは「ガチホ」という言葉の持つ意味についてご紹介します。
「ガチホ」は立派な投資戦略
ガチ(本気)でホールド(保有)する「ガチホ」という言葉の語感から、ちょっとふざけたような雰囲気や、ネットスラングのような印象を覚える人もいるかもしれません。
しかし、「ガチホ」は仮想通貨投資のみでなく、今やFXや株式投資などでも使われる言葉となっており、長期的な投資戦略の一つとして認知されています。
「ガチホ」の保有期間に厳密な定義はありませんが、対象銘柄の将来性を見込んで数年間以上保有し続けることが一般的です。
短期的な値動きには反応せず、ひたすら長期的な値上がりを追求するのが「ガチホ」の基本戦略と言えます。
「ガチホ」と「塩漬け」の違い
「ガチホ」とよく似た言葉として、「塩漬け」という表現をよく耳にします。
どちらも、今すぐには売却しないという点では共通しているようにも見えますが、その理由に着目すると全く別の言葉であることがわかります。
「ガチホ」は前述したように将来の成長性を期待した投資戦略としての長期保有であるのに対して、「塩漬け」は価格が下落したが、損をして売るのも嫌だとして、将来値上がりするまでじっと待ち答える状態を意味します。
※「塩漬け」の定義は大和証券、金融。証券用語解説から引用
短期売買で売り時を逸した場合に「塩漬け」になる場合もありますし、「ガチホ」した銘柄が成長しなかった結果として「塩漬け」になる場合もあるかもしれません。
前向き・戦略的な長期保有を「ガチホ」、後ろ向き・失敗の結果としての長期保有を「塩漬け」と捉えると分かりやすいことでしょう。
海外では「HODL」と表現されることも
日本においては「ガチホ」という言葉が広く定着していますが、海外では同じ概念が「HODL」という表現で呼ばれています。
この用語は2013年にビットコインが暴落していた際、あるネット投稿における「I AM HODLING」(正しい綴りはHOLDING)という誤字が話題になったことに由来しており、今日では大手メディア等でも使用される一般的な仮想通貨用語となっています。
「ガチホ」と同様に、「HODL」も長期投資戦略を示す言葉として用いられていますので、国内・海外のサイトで広く情報収集されている方は、「ガチホ」と「HODL」の両方を覚えておくと良いでしょう。
仮想通貨投資で「ガチホ」をするメリット
仮想通貨を「ガチホ」することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは代表的な5点についてご紹介します。
手間がかからず投資初心者でも始めやすい
仮想通貨の「ガチホ」は初心者にとっても始めやすい投資手法です。
短期売買の場合は、相場を分析する専門知識や長時間にわたってチャートに張り付いて取引を行う手間が必要ですが、「ガチホ」の場合はそのような知識や労力が必要ありません。
長期保有する対象銘柄を決めて購入したら、あとは時間が経過するのを待つだけですので、毎日価格動向をチェックしなくていいという点では誰でも取り組みやすい投資手法と言えるでしょう。
積立投資との相性が良い
「ガチホ」の大きな利点の一つとして、積立投資との高い親和性が挙げられます。
積立投資は、定められた間隔ごとに一定額の仮想通貨を購入していくことで、投資のタイミングを分散する投資戦略です。
具体的には、定額を購入し続けることで価格が高い時には少ない数量を、価格が安い時には多い数量を購入することになり、価格変動リスクを低減しながら長期的に投資を行うことができるのです。
これは「ドルコスト平均法」とも呼ばれる投資手法であり、長期的な成長によるリターンを狙う方法として古くから認知されている方法となっています。
なお、仮想通貨の分散投資についてこちらの記事でも詳しく解説しています。興味のある方は併せてご覧ください。
手数料や税金などのコストが少ない
仮想通貨を「ガチホ」した場合、短期売買と比較して取引の回数が少ないため、取引手数料を安く抑えられるというメリットがあります。
一般的に仮想通貨取引所の手数料は売買や入出金の都度発生することが多いため、そうした機会の少ない長期取引では、投資成果に対する影響を極限まで小さくすることが可能です。
また、個人取引において仮想通貨の税金は利益が確定したタイミングで発生するため、仮想通貨を保有し続けている間は、どれだけ含み益が膨らんだとしても税金がかかる心配はありません。
このように、「ガチホ」戦略はコストの面でも有利な投資手法と言えるのです。
ステーキングやレンディングによる運用もできる
仮想通貨の銘柄によっては、「ガチホ」しながらステーキングやレンディング(貸仮想通貨)を行うことができます。
ステーキングとは、保有する仮想通貨を一時的にロックすることでブロックチェーンの運用に貢献し、その対価として報酬を得られる仕組みのことです。
イーサ(ETH)やカルダノ(ADA)など、PoS(Proof of Stake)アルゴリズムを採用している仮想通貨で行うことができます。
一方、レンディングとは保有している仮想通貨を一定期間貸し出すことで、利息を得られる仕組みのことです。
一度貸し出すと途中解約できないというデメリットがありますが、「ガチホ」すると決めている人にとっては大きな制約とはなりません。
GMOコインやSBI VCトレードなど国内仮想通貨取引所でもレンディングサービスを提供している事業者が増えていますので、「ガチホ」と並行して仮想通貨を運用しやすい環境が整いつつあると言えるでしょう。
仮想通貨投資で「ガチホ」をする際の税金面での注意点
長期保有を前提としているため見落としがちですが、実際に始める際には税金の取り扱いについて理解しておく必要があります。
仮想通貨の「ガチホ」における税金面での注意点について見ていきましょう。
利確した際に確定申告が必要になる
仮想通貨取引を通じて一定以上の利益を得た場合、確定申告を行って税金を支払う必要が生じます。
例えば、サラリーマンが副業として仮想通貨取引を行う場合は、年間20万円を超えて副業所得を得ると確定申告が必要です。
また、主婦や学生、個人事業主などが仮想通貨取引を含めて年間48万円を超えて所得を得た場合も、確定申告が必要となります。
個人が仮想通貨取引を行う場合は、売却等によって利益が確定したタイミングで所得として計算されるため、ただ保有し続けているだけであれば税金は発生しません。
しかし「ガチホ」をやめて売却、利確し、大きな利益を獲得した際には、確定申告が必要になる可能性が高いことを念頭に置いておきましょう。
売却時の税金計算に過去の取引履歴が必要になる
仮想通貨を売却してその年の確定申告を行う際には、その年の取引履歴に加え、仮想通貨を購入した時の取引履歴も必要になります。
仮想通貨の利益は、利益=売却額−取得価額で計算されます。取得価額は、個人の場合は原則として総平均法で計算されることとなります。
例えば、5年間にわたって積立投資をしてきた仮想通貨を売却した場合は、その損益計算を行うためには5年分の取引履歴を参照して、平均取得単価を計算しなければならないのです。
では、取引履歴を適切に管理せずに「ガチホ」を続けた結果、取得単価が全くわからなくなってしまった場合はどうなるのでしょうか。
その場合は、売却価格の5%相当を取得単価として見なすことが認められています。
これは売却額の95%が利益と見なされることになりますので、多額の税金がかかってしまうことを意味します。
年を跨いで仮想通貨を保有する場合は、確定申告を行う年だけではなく、仮想通貨を購入した年の取引履歴も確実に保管・管理しておくようにしましょう。
大きな利益を出すと多額の税金がかかる
日本は、仮想通貨取引に対する税率が非常に高い国の一つとして知られています。
個人が仮想通貨取引で得た利益は「所得税」の対象となりますが、「所得税」は所得が多いほど税率が高くなる「累進課税」の仕組みが採用されています。
その税率は5%〜45%の範囲となっており、約10%の住民税も加えると、最大で55%もの税金がかかる場合があるのです。
長期にわたる値上がりを追求する長期取引では、反復的な取引で小さな利益を積み重ねる短期売買と比べて利益が大きくなる可能性があります。
「ガチホ」した仮想通貨を売却する際には、税金について事前にしっかりと計画しておかないと、想定外の税金を支払う事態になりかねないため、注意が必要でしょう。
まとめ
仮想通貨の「ガチホ」は手間やコストを最小限におさえつつ、長期的な値上がりを追求していく投資戦略です。
長い期間を通じて対象銘柄が大きく成長した場合、大きな利益を得られる可能性がある一方で、利益額が大きいほど所得税の税率が高くなってしまうデメリットも存在します。
また、年を跨いで長期間にわたって「ガチホ」をした場合、売却時の損益計算には過去の取引履歴も必要になる点を忘れてはいけません。
このように長期に及ぶ取引履歴の管理や、複雑な税金計算を正確かつ効率的に行うには損益計算ツールの活用がおすすめです。
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