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DeFi(ディファイ)の損益計算事例ご紹介

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2020年も残り1ヶ月を切りました。今年はDeFi(分散型金融)が大流行して、取引された方も多いのではないのでしょうか。DeFiについては新たな取引形態も多く、かつ明確なルールが定められていないため、税理士や担当の税務署への相談などが必要になるケースも多くなりそうです。

DeFiについてお問い合わせいただいていたこともあるため、回答事例をもとにいくつかご紹介します。なお、明確なルールが定められていない取引のため、今後指針が発表された際に以下と異なってくる可能性があり、ご紹介する方法が必ずしも正しくないこともあり得る点について、予めご了承ください。

 

「利息収入」として扱うケース

DeFiで代表的な取引として、例えばCompoundなどのように、通貨を担保提供することで受け取る利息収入などがあります。

弊社では通常の利息収入と同様に、取得した通貨について取得時点の時価で評価して利益認識する方法をご紹介しています。

例えばCompoundにETHを預けていて、受け取った利息や配布されるCOMPトークンなどは、BONUSとして記載いただきます。そうすると時価で利益認識されます。

なお、利息を支払った場合は、損金算入できる場合は0円で売却としてアップいただく方法をご紹介しています。

利息は付与された時点での時価で利益認識

 

Pool資産の損益計算

Poolした資産を引き出している場合は、損益認識が必要な可能性があります。
弊社ではPoolから引き出した時点と預け入れた時との数量の差に注目しています。

預入時より増えている通貨については、その増加数量について、引き出した時点の時価で利益認識。 預入時より減っている通貨は損失計上する方法をご紹介しています。

例えばですが、Balancerに複数の通貨をPoolした場合、引出時の枚数をそれぞれ確認して、カスタムファイルを作成してもらいます。

預入と引出の数量の差に注目

 

トークンを借りて取引した場合

Compoundなどでは、担保提供することで通貨を借りることも出来ます。借りた通貨で売買した場合、簿価をいくらにするのか?疑問を持つ人もいると思います。

また元々持っていて、借りてくる場合、持っている分の簿価とあわせて簿価を算出する必要があります。簿価計算だけでも複雑ですが、弊社では履歴をアップするだけで簡単に損益計算可能です。

例えばですが、CompoundにETHを預けてUSDCを借りてきて、その借りたUSDCでLTCを購入したとします。この際に、USDCの簿価が日本円でいくらかわかっていないと、損益を算出できませんが、USDCを借りたというのをBORROWというアクションでアップいただくことで損益計算可能です。また返却もRETURNというアクションで表現可能です。

BORROWとRETURNはSourceの名前を完全一致させることでペアになるので、そこだけご注意ください。

借りた分と実際に保有している分とあわせて簿価を算出し損益計算

 

債権トークンの取り扱い

Poolした際に証明として受け取る債権トークンについて、債権トークン自体を売買した場合は損益認識が必要な可能性があります。

その場合は債権トークンではなく、そのPoolしている通貨を売買したとみなす方法をご紹介しています。

例えばETHを10枚Poolして100枚のcETHを受け取ります。cETH100枚の内、30枚を売却して、1,200ドルを受け取ります。 
cETHを売却した際のETHのPoolしている枚数が11枚になっていたとします。その場合はETHを売って、ドルを受け取った取引をアップしてもらうことになります。

再建トークン自体を売却場合、裏付け資産の取引

 

なお、上記以外にも数多くの取引が存在していると思います。反映方法について、弊社サービスのサポートデスク(support@cryptact.com)までご連絡いただければできる限り検討して回答します。

上記内容について、YouTubeにもまとめています。