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イーロン・マスク氏と仮想通貨

仮想通貨コラム
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イーロン・マスク氏の発言や行動が、ビットコインなどの仮想通貨の価格に大きな影響を与えてきたことは過去に何度も報じられているところかと思います。世界的に有名なテスラ社のCEO(最高経営責任者)であり、Twitter買収を巡って何かと話題の同氏ですが、仮想通貨についてツイッターに書き込みをするたびに、価格が短期間のうちに激しい動きを見せてきました。

この記事では、具体的にイーロン・マスク氏の発言や行動によってどのような影響があったのか、時系列に見ていきます。

イーロン・マスク氏とビットコインの関係

2021年1月から
イーロン・マスク氏により、ツイッターで仮想通貨についての書き込みが再三されるようになりました。

2021年1月29日
自身のツイッターのプロフィールに「#bitcoin」を付けました。イーロン・マスク氏のフォロワーは世界中に5,600万人いるとされ、その影響力は絶大で、ビットコインの価格が3万ドル前半だったものが4万ドル近くにまで上昇しました。

2021年2月8日
テスラ社が15億ドル相当のビットコインを購入していたことが明らかに。それと同時に、テスラ社で販売する電気自動車等をビットコインで購入できるようにする予定であることにも言及しました。

2021年2月19日
仮想通貨は現金と比較してより取引しやすいものだといった内容をツイッターで書き込んだことで、ビットコイン価格が劇的に上昇し、初めて時価総額が1兆ドルを超えました

2021年3月
3月に一旦価格が下がりましたが、テスラ社が電気自動車の購入手段にビットコイン決済を導入することを発表し、再び急騰しました。

2021年4月1日
イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業「スペースX」がビットコインを月に置いてくるつもりだとツイッターに書き込みました。その影響もあり4月14日には、ビットコインが約6万5,000ドルという最高価格をたたき出しました

2021年4月26日
事態は転換期を迎えます。テスラ社が約2.7憶ドルのビットコインを売却していたことが明るみに出ました。それを受けて仮想通貨市場は、テスラ社がタイミングをみて売り逃げをするかもしれないといった不信感を抱くようになりました。

2021年5月13日
イーロン・マスク氏が突然ツイッターで、テスラ社の電気自動車のビットコイン決済を中断することを宣言しました。この発表を受けてビットコインはその日のうちに5万ドル近辺まで急落
その後、米国や中国でビットコインの取引やマイニングの規制が浮かび上がると、ビットコイン価格は最高価格の半分程まで下落していきました。

2021年6月13日
イーロン・マスク氏のツイッターに、将来的にポジティブな局面を迎えればテスラ社がビットコイン決済を再開することを書き込むと、ビットコイン価格が1割程度上昇しました。

2022年6月16日 
イーロン・マスク氏は、ドージコインを誇大宣伝して利益を得たとして投資家(キース・ジョンソン氏)から提訴されました。原告のキース氏は、イーロン・マスク氏に約34兆円(2,580億ドル)の支払いを求めています。

訴状には、イーロン・マスク氏が「ドージコインには価値がない」と認識していた一方で、利益を得るためにドージコインを誇大宣伝したことや、ドージコインを利用したネズミ講のようなスキームを組んでいたと主張されています。

2022年7月20日
テスラ社が公表した「四半期決算報告」によると、同社が保有するビットコインの約75%に相当する9億3,600万ドル(約1,300億円)分を第2四半期中に売却したことが明らかとなりました。

この売却についてイーロン・マスク氏は、中国で起きているロックダウンを考慮し手元現金を最大化することが理由だと述べ、ビットコインへの今後の投資を阻害するものではないとしています。

このようにイーロン・マスク氏の発言や行動により仮想通貨の価格が大きく変化してきました。こういった状況は今後も続くことが予想されます。

ビットコイン以外の仮想通貨への影響

イーロン・マスク氏の発言や行動は、ビットコイン以外の仮想通貨にも影響を与えてきました。その中でもよく知られている、ドージコインへの影響について解説します。

ドージコイン

ドージコインは、米国のプログラマーであるビリー・マーカス氏がシャレで開発した仮想通貨です。決済で利用することがほとんどできないにもかかわらず、イーロン・マスク氏のツイートの影響で価格高騰の影響が出ています。

たとえば、イーロン・マスク氏が自身を「ゴッドファーザー」をもじり「ドージファーザー」としてドージコインをサポートする言動をとると、今後の値上がりを期待して市場価格が上昇したケースがあります。2021年12月14日、イーロン・マスク氏がツイッターに暗号資産の「ドージコイン(Dogecoin)」でテスラ社の製品の一部を決済できるようにすると投稿。ドージコインの利用が拡大されるとの期待から、それまで0.16ドル前後で変動していたものが0.22ドル前後にまで急騰し、一時的に40%程急激に上昇しました。

ドージコインについては他にも以下のような影響がありました。

2022年10月28日
イーロン・マスク氏が、かねてより話題となっていたツイッターの買収を440億ドル(約6.5兆円)で合意したニュースを受けて、ドージコインが70%以上急騰しました。

2023年4月4日
ツイッターのウェブサイト上のアイコンが青い鳥から柴犬に一時変更されたことで、ドージコインが一時30%以上上昇しました。

まとめ

この記事で紹介したように、イーロン・マスク氏がツイッター等を介してビットコインやドージコインなどの仮想通貨について言及すると、仮想通貨の価格変動に大きな影響があることがわかります。

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