3分でわかる!分散型SNSとは?

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近年、ブロックチェーン技術の発展によって、様々な分野でWeb3.0(中央管理者がいない分散化されたネットワークサービス)の実用化が進んでいます。そのような中、TwitterやInstagramなどに代表されるSNSの分野においても「分散型SNS」と呼ばれるサービスを目にする機会が増えてきました。

この記事では分散型SNSの特徴や事例、その将来性について解説していきます。

目次

  1. 分散型SNSとは?
  2. 分散型SNSは既存のSNSと比べて何が良いのか
  3. 分散型SNSの事例一覧
  4. 分散型SNSの将来性
  5. まとめ

分散型SNSとは?

分散型SNSとは、Web3.0の概念に基づいて非中央集権的な仕組みを実現しているSNSのことです。TwitterやInstagramなどの従来型のSNSには特定の中央管理者が存在し、中央のサーバーでユーザーの個人情報や投稿などを一元管理する仕組みとなっていました。

一方で分散型SNSは、ブロックチェーン技術を用いてネットワーク上の複数のユーザーで情報を分散管理する仕組みを採用しているため、特定の中央管理者や中央サーバーが存在しません。

こうした仕組みによって、分散型SNSは特定の大企業の影響を受けない自由で公平なサービスが生まれる基盤として期待されているのです。

分散型SNSは既存のSNSと比べて何が良いのか

それでは、分散型SNSには利用する側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主な3点についてご紹介します。

言論の自由が確保されやすい

従来型のSNSではプラットフォームの運営者の意向によってコンテンツの内容が規制を受け、場合によっては投稿が削除されるなど、言論の自由が制限される場面が散見されていました。

一方で分散型SNSには特定の中央管理者が存在せず、ユーザー自らがコミュニティを形成して情報を発信することができるため、言論や表現の自由が確保されやすいと言われています。

投稿の収益化がしやすい

ブロックチェーン技術によって構築されている分散型SNSは、その仕組み上、仮想通貨との親和性が非常に高いという特徴があります。そのため、ほとんどのプラットフォームで投稿により独自仮想通貨を獲得する機会が設けられています。

なお、仮想通貨の獲得はインプレッションやエンゲージメントに応じた報酬だけでなく、投げ銭(アーティストやクリエイターがネット上で公開しているコンテンツに対して、視聴者やファンがオンラインで送金する行為)が可能なプラットフォームも存在することから、投稿を収益化することがより幅広い層にとって可能といわれています。

プライバシーを守りやすい

従来型のSNSでは、プラットフォームの運営者が利益を得るためにユーザーの個人情報を収集し、効果的な広告配信のために使用したり、マーケティング情報として第三者へ提供するなどのビジネスモデルが一般的でした。

しかし分散型SNSではコストのかかる中央管理者が存在しないため、このようなビジネスモデルに依存せずに運営することができます。

また、ユーザーの情報が一元管理されておらず広くネットワーク上に分散していることから、ハッキングのリスクも低減すると考えられています。

分散型SNSの事例一覧

分散型SNSについては、ここ数年で新しいサービスが相次いで誕生しており、非常に多くの種類が存在します。   
ここでは日本において有名な3つの事例をご紹介します。

Mastodon

Mastodon(マストドン)は、ドイツ人のプログラマーが2016年に開発したオープンソースのSNSです。

使い方はTwitterとよく似ていますが、Mastodonは複数のサーバーによって運営されており、ユーザー自身が自由に「インスタンス」と呼ばれるサーバーを立ち上げることもできます。

Mastodonを利用したいユーザーは、数多く存在するインスタンスの中から自分の所属したいものを選んでアカウントを作成することになります。

基本的にタイムラインには同一インスタンス内の他のユーザーの投稿が表示されますが、フォローした相手の投稿や、「連合」と呼ばれる関係を結んだインスタンス間でもタイムラインを表示させることが可能です。

分散型SNSの老舗として知られており、日本語のインスタンスにも多くの人々が参加しています。

ALIS

ALIS(アリス)はブログ型の分散型SNSで、日本初のブロックチェーン技術を用いたソーシャルメディアサービスとされています。

ユーザーはALISにブログ記事を投稿することができ、記事が他のユーザーに評価されると報酬を獲得することができるほか、記事の読者から投げ銭を受け取ることができます。

また、記事を評価するユーザーにも報酬が付与されるため、投稿者と読者の両方にALISを利用するインセンティブが生じる仕組みとなっています。

報酬や投げ銭はALISトークンと呼ばれる仮想通貨が使われており、ALISとして正式に上場している取引所はないものの、一般的なトークンと同様にイーサリアムなどの仮想通貨とスワップ(交換)することが可能です。

Bluesky

Bluesky(ブルースカイ)は、Twitter社の元CEOであるジャック・ドーシー氏の在任当時、Twitter社の資金によって開始された分散型SNSのプロジェクトですが、その後Twitter社から独立して現在に至ります。

独自に開発した「ATプロトコル」と呼ばれる仕組みによって、ユーザーが自分のアカウントを保持したままSNS間を自由に移動できる仕組み(アカウントポータビリティ)の実現を目指しています。

現在はプライベートベータ版のテスト段階であるため一般公開はされていませんが、ウェイトリストに登録することでテスト参加の招待を受け取ることができます。

分散型SNSの将来性

分散型SNSは、世界的なプライバシー意識の高まりや大企業による言論制限への反発といったトレンドの中で、今後さらに多くのユーザーを獲得していく可能性があります。

また多様化するニーズの中で、自分の好みに合った特定の分野やコミュニティに特化したSNSを利用したいユーザーにとっては、さまざまなサーバーから自由に選択できる分散型SNSの需要が今後更に高まることも予想されます。

一方で、大手メディアのニュースや天気予報を簡単に参照したり、初めて訪れるお店や観光地に対する生の声を調べたりといった、社会に根ざした汎用的な情報ツールとしてSNSを使用したいユーザーにとっては、Twitterのように「圧倒的多数の人がサービスを使用している、社会に浸透した共通のプラットフォーム」であることに重要な価値があると言えます。

その点分散型SNSはまだそれほど社会に浸透しているとは言えず、特定の分野やコミュニティでの利用が主となっているのが現状です。

Mastodonの連合機能や、Blueskyが目指すアカウントポータビリティなどのように、分散型SNSを共通化していく取り組みによって、より広いユーザー層を獲得していけるかが注目点と言えるでしょう。

また分散型SNSに対しては、中央集権的な管理者がいないことによって運営者の責任が不明確となる点を指摘する声もあり、こうした問題に対するルールの整備なども今後の課題となるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

分散型SNSはまだ社会に広く浸透している段階には至っていませんが、昨今のトレンドワードであるWeb3.0やDAOなどとも関連性が強く、今後が期待されている先端分野の一つです。Web3(3.0)やDAOについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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