
サラリーマンが副業として仮想通貨(暗号資産)取引を行って20万円以上稼いだ場合や、非給与所得者が48万円以上の利益を得た場合など、一定の条件に該当すると確定申告が必要になります。 しかし税金の計算は非常に手間がかかるうえ、複数の取引所や海外取引所などを利用している場合は更に複雑になります。
特に多額の取引を行っている場合は税金の処理を誤るだけで納税額が大きく変わる場合もあるため、専門の税理士に依頼したいと思う方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、仮想通貨(暗号資産)の税金計算や確定申告などを税理士に依頼する場合の費用相場やメリット・デメリット、税理士を選ぶポイントなどについて解説しつつ、依頼する場合でも必要な手間を減らす方法についてご紹介していきます。
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仮想通貨(暗号資産)の確定申告に強い税理士が必要な理由
株式やFXなどの従来型の金融取引と異なり、仮想通貨(暗号資産)取引の適切な税金対応には最新かつ専門的な知識が求められます。
例えば、国内外の複数取引所を分散利用するケースが多いため取引履歴の収集に考慮が必要なほか、ステーキングやレンディング、NFTやDeFiなど多種多様な取引が日々新しく登場しており、損益計算が複雑化しやすいのです。
さらに、仮想通貨(暗号資産)に関する税制は改正や解釈の変更が頻繁に行われるため、申告方法や節税の可否にも大きな影響を及ぼします。
そのため、より正確で無駄の無い申告をしたい人には、従来からの税金の知識だけでなく、最新の仮想通貨(暗号資産)情勢にも精通した税理士が求められるのです。
なお、仮想通貨(暗号資産)の税金や確定申告については、こちらの記事もご覧ください。
仮想通貨(暗号資産)の税金計算を税理士に依頼するメリット
税理士にはそれぞれ専門分野がありますので、仮想通貨(暗号資産)の税務処理を依頼する場合は仮想通貨(暗号資産)に精通した税理士を選ぶことが大切です。
ここでは、仮想通貨(暗号資産)の税金計算を税理士に丸投げした場合のメリットについて見ていきましょう。
複雑な損益計算を代わりにやってくれる
仮想通貨(暗号資産)の損益計算は複雑です。
取引によって異なる損益認識されるタイミングを正確に認識し、漏れなく記録し正しく計算するのはなかなか難しいものです。
また、仮想通貨(暗号資産)取引の場合、1年間に行った全ての取引に対して取得単価を計算しつつ、それぞれの取引における損益を求めていく地道な計算作業が必要になります。そして、これらの計算を取引時点のレートで日本円に換算しながら行わなければなりません。
仮想通貨(暗号資産)の過去の日本円レート情報を調べるには、CoinmarketCapなどの価格追跡サイトを使う方法がありますが、日付単位での価格は取得できても1分単位のレートといった細かいデータまで取得することは困難です。仮想通貨(暗号資産)は一日の間に大きく価格が変動する場合もありますので、日付単位のレート情報で損益計算を行うと、実態と乖離してしまう恐れもあります。
こうした複雑かつ煩雑となる計算を自分の時間と労力を費やさずに済ませることが可能な点は、大きなメリットと言えるでしょう。
節税対策のアドバイスを受けられる
税金計算を税理士に依頼することで、税理士によっては適切な節税対策などのアドバイスを受けられる場合があります。
仮想通貨(暗号資産)で大きな利益を得た場合は累進課税によって税率が高くなりやすいため、節税のコツを知ることができるのは大きなメリットとなります。
経費計上や損益通算(利益を含み損と相殺する)などで節税を考えている場合は、年内のうちに税理士へ相談してみるのも良いでしょう。
適切な経費計上により課税対象額を減らせる可能性がある
仮想通貨(暗号資産)の取得コストには、仮想通貨(暗号資産)自体の価格に加えて取引手数料や通信費、使用するデバイス(PC・スマホ等)や関連する書籍・セミナーなどの費用を経費として計上できる場合があります。
税理士に依頼することで適切な経費を漏らさずに申告できるため、納税額が減らせる可能性が高くなるでしょう。
なお、仮想通貨(暗号資産)取引で認められる可能性のある経費については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。興味のある方は併せてご覧ください。
税務調査に対する安心感が得られる
税金の申告内容に不審な点がある場合、税務署が裁判所の令状をとって税務調査に来る可能性があります。
しかし、税理士に依頼していた場合は税務調査に同席してもらうこともできるため、税の専門家によるサポートを受けることができます。(別途費用が発生する可能性があります。)
もちろん、不審な点が残るような申告は行わないことが大原則ですので、税理士には正確な情報を全て提供することが大切です。税理士に不正確な(または偽った)情報を提供して確定申告を行った場合は、自身が責任を問われる ことは言うまでもありません。
仮想通貨(暗号資産)の税金計算を税理士に依頼するデメリット
仮想通貨(暗号資産)の税金計算を税理士に依頼した場合には、デメリットも存在します。
それぞれについて見ていきましょう。
費用がかかる
当然のことながら、仮想通貨(暗号資産)の税金計算を税理士に依頼する場合はそれなりの費用がかかります。
税理士は難関の国家資格を有する専門職ですので、その依頼費用は決して安くはありません。
具体的な費用は税理士や依頼内容によっても異なりますが、個人が依頼する場合はおよそ5万円~25万円程度の費用がかかることが一般的です。
従って、それだけの費用を支払えるだけの大きな利益を得た場合のみ、税理士への依頼が選択肢になると言って良いでしょう。
全く手間がかからないわけではない
税金関係の対応を依頼するといっても、本人が何もしなくて良いわけではありません。
税理士が正確な税金計算や申告書の作成をできるように、必要な情報は全て提供する必要があります。
具体的には、過去全ての仮想通貨(暗号資産)の取引履歴を全て収集しておく必要があり、加えて経費として計上できる可能性がある支出の領収書等とあわせて税理士へ提出しなければならないのです。(総平均法を適用し損益を計算する場合、過去全ての取引履歴が必要です。ご自身で計算してきた結果がある場合は、それが正しいという前提・自己責任で、その結果+1年間の履歴を提出し、計算してくれる場合もあります。)
税理士に依頼すれば何もしなくて良いかのような印象を受けてしまいがちですが、実際は手間のかかる単純作業が相応にある点に留意が必要でしょう。
税理士に依頼する際の費用相場
それでは、実際に仮想通貨(暗号資産)の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場について見ていきましょう。
個人の申告費用相場
個人が仮想通貨(暗号資産)の確定申告を税理士に依頼する場合、費用は5万円〜25万円程度が一般的です。
自分で記帳を行っており、確定申告だけを依頼する場合は比較的安価となりますが、記帳代行も含めて税理士に丸投げしたい場合は相場が高くなる傾向があります。
また、利用している取引所の数や取引件数によっても価格が変動する場合があります。
料金体系は税理士によって異なりますので、実際に依頼を検討する際は費用がどの程度かかるのか、事前に相談すると良いでしょう。
法人や高額取引の場合の費用相場
法人の申告は個人の申告よりも複雑であるため、税理士費用が個人よりも高くなることが一般的です。
特に仮想通貨(暗号資産)以外の事業を並行していたり、数千万円規模以上の取引がある場合は、税理士費用は20万円〜30万円以上になることも珍しくありません。
取引の規模や種類の多さに比例して確定申告へ向けた作業量も増えるため、処理が複雑になるほど費用が上昇するのです。
最終的な損益に与える影響も少なくありませんので、税理士を利用する場合はその費用も想定しながら計画をたてるようにしましょう。
仮想通貨(暗号資産)に詳しい税理士を選ぶポイント
仮想通貨(暗号資産)に詳しい税理士を選ぶには、どのような点をチェックすれば良いのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
仮想通貨(暗号資産)と税制の最新事情に詳しいか
仮想通貨(暗号資産)の技術は日々進歩しており、常に新しい課税ルールが議論され、頻繁に税制改正が行われています。
そのため、仮想通貨(暗号資産)の情勢について最新情報を正確に把握している税理士を選ぶことが大切です。
情報が古いままでは最新の税制優遇を活用できずに余計な納税が発生してしまったり、場合によっては不正確な申告をしてしまう可能性も否定はできません。
公式サイトやブログ、その他メディアでの情報発信などでその税理士最新事情に詳しいかをチェックすると良いでしょう。
複雑な損益計算を正確に行えるか
仮想通貨(暗号資産)取引は、現物売買だけでなくステーキングやレンディング、NFTやDeFiといった多様な形態が存在します。
取引所やウォレット、ブロックチェーンなどを跨ぐ取引では取引履歴が分散しているため、これらの情報を的確にまとめて正確に損益計算を行う必要があります。
こうした複雑な計算を正確かつ効率的に行うには高度な知識と経験、そして仕組みづくりが欠かせません。
また、ブロックチェーン上で行われた取引が税務上どのような取引であったかをひも解くには、ブロックチェーン上に記述されたコードを理解する必要があります。
税理士の中には、仮想通貨(暗号資産)関連サービス企業と連携し、専用の損益計算ツールを導入しているところもあるため、重要な確認ポイントの一つと言えるでしょう。
税務調査対策まで対応できるか
仮想通貨(暗号資産)取引は税務署から注目されやすく、場合によっては税務調査が入るケースも考えられます。
とはいえ、そもそも確定申告を税理士に丸投げしていた場合、税務署からの質問や調査に自分で回答するのは難しいものです。
そのような際に、適切な資料作成や回答など税務署とのやり取りも代行してくれる税理士を選んでおくと安心です。
また、税理士によっては書面添付制度を活用して確定申告に捕捉説明を添えてくれる所もあり、そうしたケースではそもそも税務調査の対象になるリスクの軽減が期待できるかもしれません。
節税の提案力があるか
税理士のサービスは単に確定申告手続きを代行するだけではありません。
場合によっては、節税につながる具体的な提案を行うことも税理士に期待される重要な役割です。
例えば、経費計上の範囲を的確に判断したり、事業所得としての申告方法を提案したりすることで、納税額を大きく減らせる可能性があるのです。
税理士を選ぶ際は、実際にこうした提案を受ける機会を得られるのか、それとも手続き代行が中心なのか、具体的なサービス内容や提案力についても確認しておきましょう。
実績や利用者の声を確認する
「仮想通貨(暗号資産)に詳しい」と宣伝していても、実際の経験値は税理士によって差があります。
実績が豊富な税理士は、さまざまなケースに対応できるノウハウを持っています。公式サイトや紹介ページだけでなく、実際に利用した人の声も参考にするとよいでしょう。
口コミ・レビューサイトや地図サイトのレビュー欄などを活用することで、利用者の声を確認することができます。
ただし、こうした利用者の声はあくまでも個人の主観に基づくものである点に留意しておきましょう。
コミュニケーションのしやすさも重要
税理士との関係は通常、依頼して終わりではありません。
必要な情報・書類の提出や節税に向けたアドバイスなど、継続的なやりとりが発生することが一般的です。
そのような際に、専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、疑問に丁寧に答えてくれるかは非常に重要なポイントです。レスポンスの早さや相談のしやすさも、ストレスなく申告を進めるうえで大切です。
また、電話やメール、対面での面談のみでなく、Chatツールやオンライン会議などさまざまなコミュニケーションツールに対応している税理士を選ぶことで、コミュニケーションの円滑化につながります。
税理士に依頼する前の準備チェック
仮想通貨(暗号資産)の確定申告を税理士に依頼する前には、次の準備をしておきましょう。
取引履歴や書類をそろえておく
税理士に依頼する前に、まずは国内外すべての取引所から仮想通貨(暗号資産)取引履歴をダウンロードし、年間取引報告書などの必要書類を整理しておくことが大切です。取引に利用したウォレットアドレスもすべてわかるようにしておきましょう。
提出する情報が不十分だと計算の正確性に影響するだけでなく、税理士の作業時間が増え、費用の負担にもつながります。
取引件数が多い場合は、仮想通貨(暗号資産)専門の損益計算ソフトなどを活用して、あらかじめ取引履歴をまとめておくとスムーズでしょう。
こうした事前準備が申告精度の向上とコスト削減、また税理士とのやりとりの円滑化に役立ちます。
申告期限を意識したスケジュール調整
確定申告は原則として毎年3月15日が期限です。
損益計算や申告書類の作成には時間がかかるため、直前に依頼しようとすると対応できる税理士の選択肢が狭まったり、余計な費用がかかってしまう可能性が考えられます。
また、不足する資料の追加提出など、自分自身の作業に対する時間的余裕もなくなってしまいます。
一般的に、税理士への確定申告依頼は1月~2月に集中する傾向があります。税理士や税務署が混雑してしまう前に、余裕をもって早めに依頼するようにしましょう。
丸投げする場合でも必要な手間を減らす方法
上記で説明したように、丸投げする場合でも税理士が正確な税金計算や申告書の作成をできるよう情報を集め、提供する必要があります。
特に過去から取引実績があり、取引量が多いかつ複数の取引所で取引をしているといったケースにおいては、それなりに大きなものとなります。
こうした手間を減らす方法として有効なのが損益計算のツールの導入です。
中でも、仮想通貨(暗号資産)専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、国内外140カ所以上の取引所・サービス等からの取引履歴取得に対応しているため、複数の取引所で取引している場合も簡単に取引の履歴を合算できます。
また、画面の案内に沿って簡単な操作(取引所からダウンロードした履歴のアップロードやAPI連携、ウォレット接続など)を行うだけなので誰でも簡単に操作でき、手間のかかる取引履歴の収集を効率的に済ませることができます。
資料提出時に、取引履歴一覧ダウンロード機能を使ってダウンロードした資料を税理士の先生にお渡しすれば、もれなく資料を提出することが可能です。
なお、クリプタクトでは仮想通貨の税務に精通した税理士の紹介も行っています。ご興味のある方はこちらよりお申し込みください。
クリプタクトでできることは、取引履歴の情報収集だけではありません。
自動で確定申告に必要な実現損益が求められるうえ、ポートフォリオ機能を使って資産の状況を確認し、例えば年末に含み損のある仮想通貨(暗号資産)を売却して利益と相殺、税金額を最小限に抑えるといった対策をご自身で行うことも可能です。
まずは自分で行ってみようという方は無料で使えるプランもありますので是非この機会にお試しください。