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シンボル(XYM)の代表的な取引と損益計算について

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仮想通貨(暗号資産)に興味のある人であれば、シンボル(XYM)という通貨を耳にすることも多いのではないでしょうか。

この記事では、シンボル(XYM)について、損益計算の観点から詳しく解説しています。

特に

「そもそもシンボル(XYM)って何?」

「付与されたシンボル(XYM)は損益計算上どう扱えばよいの?」

「シンボル(XYM)が関係する取引を知りたい!」

といったことを知りたい人におすすめです!

 

 

そもそもシンボル(XYM)とは?

Symbol(シンボル)とは、21年3月に行われたNEM(ネム)の大型アップデートにより新しく誕生したプラットフォームのことです。

またシンボルにおけるネイティブ通貨がXYM(ジム)です。(NEM上のネイティブ通貨はXEM)

Symbolの特徴として、パブリックチェーンとプライベートチェーンを併用した、ハイブリッドチェーンとして も使えるように設計されている点が挙げられます。

また、Symbolのコンセンサスアルゴリズムには、Proof of Stake (PoS)を改良した、Proof of Stake Plus (PoS+)が採用されています。PoS+により、XYMのハーベストが可能になっています。(後で説明)

 

Symbolに関連した代表的な取引事例としては、「オプトイン」「ハーベスト」が挙げられます。

以下では、それぞれに関する簡単な説明と、損益計算におけるポイントや方法を紹介していきます。

 

オプトインについて

まずは、オプトインについての説明を行います。

 

オプトインとは?

SymbolはNEMのアップデート後のプラットフォームではありますが、異なったプラットフォームであるため、(一定量以上の)XEM保有者には「オプトイン」という制度により、保有量と同量のXYMを得る権利が付与されます。

Symbolへの仮想通貨の移行は、スナップショット(XEMの保有量などの把握期間)時の保有量が基になります。この期間にXEMを保有していることが、XYMを得る意思表示となります。(NEMのスナップショットは21年3月12日に完了済)

 

損益計算のポイント

XYMのオプトインでの取得について、明確な指針がないため最終的には税務署判断にはなりますが、取得時期がXYMの時価が存在するかどうかで処理が変わってくる可能性があります。

XYMの取引の市場がなく、時価データが存在しない期間は、時価がないことからハードフォーク時と同様の処理になると考えられます。つまり、取得した時点での損益は発生しません。

一方で、取引が行われ時価が存在する期間で取得した場合、エアドロップやステーキング報酬と同様の処理になる可能性があります。つまり、取得した時点の時価が所得認識されます。

時価の有無にかかわらず、ハードフォークとみなすことも可能かもしれませんが、明確な指針がないため現状では税務署の判断になりそうです。

保守的な対応という意味では、一律ハードフォークとせずに、時価が存在するかどうかで処理を変更するのが無難でしょう。

クリプタクト上でXYMの時価データがいつからあるか検索することもできるので、参考にするといいかもしれません。

 

このようにオプトインの損益計算を行うためには、「いつ」XYMを「どれぐらい」取得したのかという情報が必要になります。

スナップショット時にXEMを保有していれば、オプトインによりXYMを取得する権利を得ることが出来ると説明しましたが、実際に「いつ」XYMを受け取ることができるかは、どこでXEMを保有していたかどうかで変わってきます。

 

個人のウォレットでXEMを保有していた場合

デスクトップウォレット、モバイルウォレットからオプトインが可能です。基本的に個人でオプトイン申請をする必要があり、申請後XYMを受け取ることができます。

そのため損益計算を行う際には、自身がいつXYMを受け取ったのかを個人で把握する必要があります。

 

仮想通貨(暗号資産)取引所でXEMを保有していた場合

取引所にXEMを預けていた場合、自身でオプトイン申請することができず、取引所の判断に任せる必要があります。

基本的にどの仮想通貨取引所でも、オプトイン自体は行っているので、結局「いつ」XYMがユーザーに付与されるのかが問題になります。損益計算を行う際には、仮想通貨取引所から「いつ」XYMを受け取ったのか(受け取る予定なのか)を把握する必要があります。

海外の仮想通貨取引所ではすでにXYMが付与されているところが多いです。

国内の仮想通貨取引所では、Zaif Exchange、サクラエクスチェンジ、GMOコインなどですでに付与が実施されています。(21年10月時点)

また、bitFlyerやコインチェックは22年3月をめどにXYMを付与する予定であることが発表されています。

このように仮想通貨取引所によりXYMの取り扱いが異なるので、自身が取引している仮想通貨取引所の付与時期をチェックする必要があります。

 

クリプタクトで計算を行うには

クリプタクト上で計算を行う際は、カスタムファイルにオプトインの取得を記載してアップロードする必要があります。

具体的な記載方法につきましては、以下のヘルプページで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください!

 

ハーベストについて

次にハーベストについての説明を行います。

 

ハーベストとは?

SymbolはPoS+というコンセンサスアルゴリズムに基づいており、それにより「ハーベスト」が可能になっています。

ハーベストとは、ノードの稼働によりブロック生成やデータの検証に携わることにより報酬を得る仕組みを指します。

ハーベストを個人で行うのは技術的な知識が必要になりますが、委任ハーベストという仕組みを用いれば、自分のXYMをノード運営者に委託することで、自身でノードの運営を行うことなくハーベスト報酬を得ることができます。

この仕組みは、ステーキングとも似ていますね。

損益計算のポイント

ハーベストにより発生した報酬に関しては、個人の場合は原則、所得税の雑所得というカテゴリーに分類されると考えられます。

また、ハーベスト報酬を受け取った際、受け取った時点での時価がそのまま収益として計上されます。ステーキング報酬と同じですね。

受け取った報酬をほかの通貨に交換したり、あるいは円に戻した際に初めて所得認識するわけではない点にご注意ください。

 

クリプタクトで計算を行うには

クリプタクトでは、XEMTaxの履歴に自動対応しておりますので、履歴ファイルをアップロードしていただくのみでXYMのハーベストの損益計算が可能です。

詳しい方法につきましては、以下のヘルプページをご覧ください。

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