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ソウルバウンドトークン(SBT)とは何か?

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ソウルバウンドトークン(SBT)とは?

仮想通貨市場において、新しいNFTとして注目を集めているものに、ソウルバウンドトークン(Soul Bound Token)があります。ソウルバウンドトークン(SBT)とは、日本語で「魂に縛られたトークン」または「魂に紐付いたトークン」と訳されるもので、「譲渡不可のNFT」のことをいいます。

ソウルバウンドトークン(SBT)は、イーサリアム(ETH)の創設者のひとりであるヴィタリック・ブテリン氏らが発表した論文から広まったもので、「World of Warcraft」というオンラインゲームに登場する譲渡不可なアイテムから着想されたとされています。

ソウルバウンドトークン(SBT)の大きな特徴といえば、「譲渡不可」という性質です。

通常、NFTは自由に売買することが可能です。一方、ソウルバウンドトークン(SBT)は譲渡不可であり、次のような個人の存在証明(アイデンティティ)に活用されています。

  • 経歴証明書(学歴など)
  • 金融市場における信用力
  • イベント等の参加許可証

ソウルバウンドトークン(SBT)が注目される背景

ヴィタリック・ブテリン氏らが発表した論文の中には、ソウルバウンドトークン(SBT)が注目される背景について述べられていますが、その中でも特に次の2つの点が大きなポイントといえます。

個人よりも資産に注目が集中しすぎている

現時点でのデジタル社会では、現実社会でどれだけの実績がありどれだけ高い評価を得ているか、信頼関係が結べているか、といった譲渡不可能な社会的関係よりも、譲渡可能なデジタル資産(トークン)をより多く保有している者が大きな力を持つ傾向にあるともいえます。

この影響で、資本力の豊富なVCやクジラなどの大口投資家にとって有利な構造が生まれ、新規参入者が発言権を得づらくなることや、一部の者に資産が集中しすぎてしまうことでデジタル世界が中央集権的になってしまうことは、仮想通貨における「分散」という当初の理念に反しているのではないか?という指摘もあります。

この問題の原因は、現実社会で多くの実績を積み、譲渡不可能な社会的関係を得ていても、そのデータがデジタル社会に反映されていないことです。そこで、それを可能にするためにソウルバウンドトークン(SBT)が提案されたのです。

ウォレットアドレスが無尽蔵に生み出せる

ウォレットアドレスとは、仮想通貨が保管されている場所のことをいい、銀行口座番号のような働きをしているものです。ウォレットアドレスはだれでも複数保有することができるという特徴がありますが、その性質を悪用するケースがあるのです。

具体的には、あるユーザーが自分に利益のあるような意思決定を行いたい場合、複数のウォレットアドレスを持つことで投票権を複数行使することなどがあります。
こういった行為の対策として、仮想通貨の保有量などに応じて投票のウェイト付けがされることもありますが、その権利自体を売買されることもあり問題視されてきました。

この問題に対して、ソウルバウンドトークン(SBT)を用いた解決策が提案されました。ソウルバウンドトークン(SBT)は現実世界の個人とデジタル世界の個人とを1対1に対応させることができ、他人への譲渡が不可能なので、投票時に個人証明のような役割を果たすことができると期待されているのです。

ソウルバウンドトークン(SBT)の活用例

ソウルバウンドトークン(SBT)の今後の活用例にはさまざまなものが期待されていますが、ここではその一例について解説します。

出生証明書
実は日本では出生証明書という書類は存在せず、一般的に、戸籍謄本(抄本)や出生届記載事項証明書、出生届受理証明書などが使用されます。
このような出生を証明する書類は役所等で発行することが多いですが、ソウルバウンドトークン(SBT)でも活用が期待できます。

卒業証明書
卒業証明書とは、学校などの教育機関で必要な課程を修了し、卒業したことを証明する書類のことをいいます。現在、発行する場合は卒業した学校への問い合わせとなりますが、ソウルバウンドトークン(SBT)の活用も期待されます。

なお、仮想通貨の損益通算ツール「クリプタクト」が運営している当ブログでは仮想通貨に関連のある用語やニュースについて解説する記事を定期的に公開しています。最新情報が知りたい方はクリプタクトに登録すると受け取れるメルマガの登録や公式Twitterアカウントをフォローしてみてください。

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