仮想通貨の取引アプリの特徴とメリット、デメリットを解説

仮想通貨(暗号資産)をスマートフォンで手軽に取引できるアプリは、初心者から経験者まで多くの投資家に利用されています。とはいえ、あまりにも種類が多いため「どのアプリを使えばいいの?」、「操作性や手数料はどう違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、仮想通貨(暗号資産)が取引できるスマホアプリの選び方のポイントやメリット・デメリットを解説するとともに、国内の主要な仮想通貨(暗号資産)取引アプリ8種についてご紹介していきます。

目次

  1. 仮想通貨(暗号資産)取引アプリの選定ポイント
  2. 主要な仮想通貨(暗号資産)取引アプリ
  3. 仮想通貨(暗号資産)取引アプリを使うメリット
  4. 仮想通貨(暗号資産)取引アプリを使うデメリット
  5. まとめ

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仮想通貨(暗号資産)取引アプリの選定ポイント

数多くの仮想通貨(暗号資産)取引アプリの中から自分にあった取引アプリを選ぶために、大事なポイントを見ていきましょう。

よく使うサービスに対応しているか確認する

自分が使いたいサービス(取引種類)にアプリが対応しているかを確認しましょう。

仮想通貨(暗号資産)取引には現物取引・信用取引・積立・レンディング・ステーキングやNFTなど多種多様なサービスが存在しますが、そのうちどの取引に対応しているかはアプリによって異なります。

また、対応している仮想通貨(暗号資産)銘柄の種類や数量も重要な比較軸となります。

ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨を取引したいのか、それともさまざまなアルトコインやミームコインなども含めた幅広い取引をしたいのかによって、選択するアプリが変わってくることでしょう。

スムーズな注文ができる操作性かどうか

アプリの操作性も重要な判断材料となります。

初心者の方であれば、まずは理解しやすいシンプルな操作性である方が使いやすいことでしょう。   
一方で、仮想通貨(暗号資産)取引に精通した人であれば、より複雑で専門的な注文にも対応していることや、反復的な操作がしやすいアプリの方が好まれるかもしれません。

とはいえ、基本的な取引である成行・指値注文のしやすさは、多くのユーザーに共通した判断ポイントになるはずです。

取引時にかかる、利用コストが見合ったものか

仮想通貨(暗号資産)取引所の取引アプリは通常、無料で提供されていることが一般的です。ただし、取引にあたっては取引手数料やスプレッド、入出金手数料などの利用コストが発生する場合があります。

取引手数料やスプレッドは一回の取引では少額に見えますが、年間の取引額が増えるほど負担額が膨らむため、小さな料率の違いでも影響が大きくなります。

一方で入出金手数料がかかる場合、少額で入出金を行うと利益に占める手数料の割合が高くなってしまいます。

こうしたコストは、アプリを提供している取引所によって大きく異なりますので、あらかじめチェックしておくようにしましょう。

画面表示や操作画面が直感的で見やすいか

画面全体のレイアウトが直感的でわかりやすいことも重要です。

価格・チャート・資産状況などの画面が一目で内容を把握できるデザインになっているか、また重要な情報の文字サイズや配置などがわかりやすく配慮されているか、といった点がポイントとなります。

また、長時間使う場合は目に優しいダークモードに対応しているかどうかも判断材料の一つとなるでしょう。

アプリは反復的に何度も使うものですから、自分にとって違和感のない画面デザインのものを選ぶようにしましょう。

分析に役立つチャート機能が備わっているか

仮想通貨(暗号資産)取引を行ううえで重要な材料となるのが、チャート機能です。

チャート機能は単にこれまでの価格推移を表示するだけでなく、分析機能も提供していることが一般的です。

時間軸の切り替えや、ローソク・ラインチャートの切り替え、各種インジケーターの表示やオーバーレイ機能など、チャートには多種多様な機能が存在します。

初心者向けのアプリであれば最低限の機能に絞られている場合がある一方、より上級者向けのアプリであれば数多くの機能を搭載している場合もあります。

自分にとって必要な機能の有無を確認すると良いでしょう。

通知設定でタイミングを逃さない仕組みがあるか

アラート機能の有無やカスタマイズ性も大切なポイントです。

価格が大きく変動した際の通知や、注文が約定した際の通知など、仮想通貨(暗号資産)取引に関する情報をリアルタイムで通知してくれる機能が備わっていることで、取引のタイミングを的確に掴むことが可能になります。

また、不要な情報に埋もれないように、自分が欲しい情報だけを通知するようにカスタマイズできることも重要です。

例えば、相場が指定価格に到達した際に通知するように設定しておくことで、常時チャートに張り付かずとも取引タイミングを把握することができるでしょう。

なお、取引を実際に取引を始めたら、ご自身で利益管理を行い、必要に応じて確定申告、税金の支払いが必要になります。仮想通貨取引にかかる税金や確定申告の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

主要な仮想通貨(暗号資産)取引アプリ

ここでは、日本国内における主要な仮想通貨(暗号資産)取引アプリ8選についてご紹介します。以下でご紹介している仮想通貨取引アプリを提供している仮想通貨取引所は、金融庁登録済みの仮想通貨(暗号資産)交換業者です。海外の取引所など金融庁登録済みでない取引所も存在する点には使いやすさだけで選ぶのではなく、注意しましょう。

なお、多くの取引所では、仮想通貨取引所とユーザーの間で取引をおこなう「販売所」と、仮想通貨取引所のユーザー同士で取引をおこなう「取引所」、二つの機能がある場合があります。それぞれ条件が異なるケースがありますので、ご留意ください。

bitFlyer

bitbankアプリ手数料など

*スプレッドあり

bitFlyerは、ビットコインの取引量が国内暗号資産交換業者の中でも比較的長い歴史を持ち海外でも展開する仮想通貨(暗号資産)取引所です。

bitFlyerアプリではPC版と同様の機能をスマホで気軽に利用できるという特徴があります。

ただし、上級者向けの取引機能である「bitFlyer Lightning」の一部機能はウェブ版だけの利用に限られますが、それ以外のほとんどの機能はスマホで完結でき、チャート分析も行うことも可能です。

GMOコイン

GMOコインアプリ手数料など

*スプレッドあり

GMOコインは低コストで取引できる仮想通貨(暗号資産)取引所で、積立投資やステーキング、レンディングやIEOなど幅広いサービスを提供しています。

アプリは初心者・一般向けのシンプルな「ノーマルモード」と、上級者向けに多様なトレードや高機能チャートに対応した「トレーダーモード」を切り替えることが可能で、幅広いユーザー層に使いやすいつくりとなっています。

Coincheck

coincheckアプリ手数料など

*スプレッドあり

Coincheckは多くの仮想通貨(暗号資産)銘柄に対応した取引所で、積立投資・ステーキング・レンディングなどに加えて、ビットコインが貯まる電気やガスのサービスも提供しているなど、幅広いサービス展開が特徴です。

スマホアプリについてはアプリ内で3タップ以内で迷わず暗号資産購入が完了する動線設計などが評価され、2024年にグッドデザイン賞を受賞するなど、アプリの使いやすさに評判があります。

bitbank

bitbankアプリ手数料など

*スプレッドあり

bitbankは多数のアルトコインを中心に、幅広い仮想通貨(暗号資産)銘柄に対応している取引所です。現物取引・信用取引に加えて、レンディングのサービスも提供されており、2025年オリコン顧客満足度調査で1位を獲得しています。

スマホアプリについては高度なチャート機能に対応しているものの、相場変動に応じてリアルタイムにアラートする機能は提供されていません。

BITPOINT

BITPOINTアプリ手数料など

BITPOINTはさまざまな手数料が無料で使えることが特徴の販売所です。手数料がかかるケースが多い日本円の出金も、月1度までは無料で利用できます。ステーキングやレンディングなどのサービスも提供されていますが、取引所方式の現物取引はできません。

スマホアプリはシンプルな作りになっており、チャートは基本的な機能に限定されていますが、価格急変時や設定価格到達時のアラート機能は提供されています。

LINE BITMAX

LINE BITMAXアプリ手数料など

*スプレッドあり

LINE BITMAXは、メッセージアプリ「LINE」アプリ上で利用できる仮想通貨(暗号資産)取引所です。取引所では仮想通貨KAIAのみの売買ができますが、販売所ではビットコインやイーサをはじめとする複数種類の銘柄も取引が可能です。

「LINE」アプリでそのまま取引ができるため、すでに「LINE」を使っている人は専用のアプリをダウンロードする必要がなく、手軽に始められる点が魅力と言えるでしょう。

Zaif

Zaifアプリ手数料など

*スプレッドあり

Zaifは、自動売買機能の「おてがるトレード」や、仮想通貨(暗号資産)をチップのように手軽に送れる「ソーシャルチップ」など、ユニークなサービスが特徴の取引所です。

スマホアプリでは販売所方式の「かんたん売買」や取引所方式の「Orderbook trading」などの基本機能が利用できるほか、チャートではプロトレーダーも利用する「TradingView」が採用されています。

BitTrade

bitTradeアプリ手数料など

*スプレッドあり

BitTradeは取引手数料が無料という異色の特徴を持つ仮想通貨(暗号資産)取引所です。現物取引・信用取引のほか、積立投資、レンディングなどにも対応しており、幅広い取引を行えます。

かつては中国発の仮想通貨(暗号資産)取引所Huobiの傘下でしたが、2025年に香港の新火科技社によって買収されています。

スマホアプリの機能は充実しており、取引画面では高度なチャート機能が使えるほか、積立やレンディングサービスもアプリ上で利用できる点が特徴となっています。

なお、仮想通貨(暗号資産)取引で利益を得ると税金について考慮が必要になります。仮想通貨の所得額を簡単に計算したい場合は、専門の損益計算ツール「クリプタクト」をお試しください。

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仮想通貨(暗号資産)取引アプリを使うメリット

スマホアプリで仮想通貨(暗号資産)取引を行うメリットについて、代表的な4点について見ていきましょう。

リアルタイムで情報をキャッチできる

仮想通貨(暗号資産)市場は24時間365日絶え間なく動き続けています。そのため、情報の鮮度が投資パフォーマンスに直結するケースが少なくありません。

スマホアプリを使えば、いつでもどこでもリアルタイムで価格やチャートの動きを確認でき、相場の急変にも迅速に対応しやすくなります。

時間足の切り替えやインジケーター表示、分析に役立つ高度チャート機能が備わっているアプリであれば、より詳細な判断材料を得ることも可能です。

情報の把握から意思決定、そして売買の実行までをアプリ一つで完結できることは、スマホ取引ならではの大きな強みと言えるでしょう。

場所を問わず取引できる

スマホアプリの最大の利点は、ロケーション・フリーであることでしょう。

スマホを持ち歩いてさえいれば、外出先であっても、職場でも休暇先でも仮想通貨(暗号資産)の取引を行うことができます。

「相場の急変を知っても戻ってPCで注文をするまでに価格が動いてしまう」といった心配もないため、チャンスを最大限に掴むことができるのです。

仮想通貨(暗号資産)取引アプリの中には、確認画面等を省いて即時発注する機能を提供しているものもあります。

どこでもすぐに取引できる点が、スマホアプリの非常に大きな利点です。

通知機能でタイミングを逃さない

価格到達通知や相場急変アラートは、仮想通貨(暗号資産)取引アプリ活用の中核的な機能の一つです。

仮想通貨(暗号資産)相場は日夜絶えず変動していますが、それを自分で休みなく監視し続けることは誰にもできません。

そこで通知やアラートを活用することで、普段は別の活動(仕事や趣味など)をしながら重要な局面のみ的確に把握することが可能です。

監視時間の削減と対応の迅速化を両立できるのが、通知機能のメリットと言えるでしょう。

情報収集や価格確認が手軽にできる

仮想通貨(暗号資産)取引アプリは価格・チャート・資産推移・ニュースなどをひとまとめにし、少ないタップ数で横断することができます。

デスクで落ち着いて操作することが多いPCと比べ、スマホは通勤中や仕事の合間、短い休憩中などに操作するケースも多く、少ない操作で素早く目的に到達できるように作られているためです。

「情報を見る」から「発注する」までの距離が短く、手軽に取引できる点がスマホアプリの強みなのです。

仮想通貨(暗号資産)取引アプリを使うデメリット

スマホアプリでの仮想通貨(暗号資産)取引には、いくつかのデメリットも存在します。それぞれ見ていきましょう。

アプリに搭載されていない機能がある場合もある

スマホアプリは「見る・発注する」を素早くこなせる反面、PC(Web)版の取引画面で使える一部の機能が省略されていることが少なくありません。

例えば、対応するテクニカル指標の種類が限られていたり、分割チャートや高度な注文(条件付き・一括管理系)、板情報の詳細表示などが簡略化されるケースです。

また、積立やステーキングなどの一部サービスがアプリからは利用できない場合もあります。

必要な機能がアプリだけで完結しているか事前に確認しておくとともに、必要に応じてPCとスマホを使い分けることも検討してみましょう。

通知が多すぎてストレスになることがある

価格到達や急騰急落などのアラート機能は機会損失を抑えるために強力な武器となりますが、設定次第ではスマホのプッシュ通知が頻発し、心理的な負担になったり、かえって関心の低下を招く恐れもあります。

とくにボラティリティが高い銘柄では短時間に連続通知が起きやすく、集中力の低下や衝動的な取引を誘発しがちです。

仮想通貨(暗号資産)取引で長期的な利益を得るためには、短期的な価格変動に左右されず落ち着いて取引をすることが有効である場面も少なくありません。

アラート機能の設定は、必要性の程度を判断しながら適切に行うようにしましょう。

通信環境に取引が左右される

スマホ取引はモバイル回線やWi‑Fi品質に依存するため、電波が不安定だとログインや価格更新、約定処理が遅延・失敗するリスクがあります。

特に通勤ラッシュ時間帯のターミナル駅や、大規模イベント会場など、一カ所に膨大な人数(スマホ)が集まる環境では、電波の輻輳(基地局の混雑)が発生しやすく、通信会社によっては顕著に通信速度が低下する場合があります。

有線でインターネット接続が確保されていることが多いPCと比較すると、通信環境の不安定である点がスマホアプリの弱点であるとも言えるでしょう。

スマホの紛失・盗難リスクがある

軽くて持ち運びがしやすいスマホは、自宅などに設置しているPCと比較すると紛失や盗難のリスクが高く、不正アクセスや送金リスクが大きな懸念材料となります。

ID・パスワードによる認証だけでなく、生体認証や端末ロック、取引パスワード、2段階認証など、複数のセキュリティ手段を組み合わせることで、万が一のスマホ紛失・盗難時に備えておく必要があります。

仮想通貨(暗号資産)取引アプリは非常に便利なツールである反面、安全な取引のためには利用者側がリスク管理を徹底することが不可欠であることを、念頭においておきましょう。

まとめ

この記事では仮想通貨(暗号資産)取引アプリを選ぶ際のポイント、そして国内の主要アプリ8種類についてご紹介してきました。

なお、仮想通貨(暗号資産)取引で利益を得た場合は、所得額を正確に計算し、一定以上の場合は確定申告・納税を行う必要があります。

1年間に行った全ての取引に対して損益計算を行う必要があるため、手作業では大変な負担となります。

仮想通貨(暗号資産専門)の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、取引所の取引履歴データを取り込むことで、こうした計算を自動化することが可能です。

無料で使えるプランも用意されていますので、ぜひこの機会にお試しください。