自民党のふじすえ健三議員は6月2日の参議院・財政金融委員会において、暗号資産(仮想通貨)の税制改正、分離課税の導入について早急な対応を求めた。


暗号資産・メタバースの急拡大

ふじすえ氏は、急速に拡大する暗号資産やメタバース市場について具体的な数字を挙げて言及。
世界の暗号資産の時価総額はすでに約300兆円に達し、メタバース市場は2030年には200兆円に達するとも言われている。
米国取引所のコインベースは、その資産規模においてなんと日本のメガバンクの約半分にもなるという。
いかに暗号資産が新たなイノベーションを生み出す資金源となりつつあるか、そしてこの暗号資産のインフラ整備は喫緊の課題であるということを強く主張した。


外国と比べ日本の税制は…大きな課題

ふじすえ氏は、日本は早くに暗号資産の法整備を進めたものの、大きな課題があると指摘。
米国やイギリスなどの諸外国の多くでは分離課税、もしくは日本よりも低い最高税率が採用されており、シンガポールに至っては課税ゼロ。
ブロックチェーンやメタバースのイノベーションを起こす起業家たちが、日本から海外へ流出してしまっている、という日本が抱える厳しい状況を述べた。


岸田総理発言と骨太方針

暗号資産は今非常に大きい勢いで成長しており、日本の経済の成長の基盤となることは間違いない、とふじすえ氏は断言。
諸外国では、分離課税などで税制を抑えて暗号資産が国内に集まり流通する状況が作られている。 それは次世代のイノベーションに向けての基盤となるものである、とした。


また、5月に岸田総理が「ブロックチェーンやNFT、メタバースなどWeb3.0の推進のための環境整備を含め新たなサービスが生まれやすい社会を実現する」、「政治の立場から環境整備をしっかり進める」と発言し前向きな姿勢を明確に示したことや、骨太の方針においても暗号資産に関する解釈指針の作成等について記載されていることに焦点をあて、これら「環境整備」は分離課税の導入など暗号資産税制を諸外国と同じレベルにすることが中核にある、と見解を示した。


鈴木財務大臣はこれに対し、暗号資産の分離課税導入には、国民の理解を得られるのか、家計での暗号資産購入を国として推奨するのが妥当なのか、等のさまざまな意見や課題があり丁寧な検討が求められることを説明。
一方で、いずれにせよフィンテックの推進は重要なことであり、今般の資金決済法改正案を含めて様々な環境整備に努めたい、とこれも前向きな姿勢を表明した。


税制改正をできるだけ早く

ふじすえ氏は、今現在もメタバースや暗号資産分野でどんどん人材が海外に流出している現状に改めて強い懸念を表明し、「時間がない」と強調した。


「日本がこの新しいWeb3.0の世界でイノベーションを起こし、本当にアジアのハブになるためには、新しい仕組みを早く導入することが必要」「暗号資産は、今までの金融システムとは全く違うシステム。低いコストで、個人が自由に取引をできる新しい世界が生まれる」とし、「次の世代の日本の金融サービスなど新しいイノベーションを起こすためにも、この税制改正、できるだけ早くやって頂きたい」と早急な税制改正を改めて訴えかけた。


政界においても暗号資産やWeb3.0に関する議論が活発化しており、いよいよ税制改正に向けた気運が高まっている。