エイダコイン(ADA/カルダノ)は、オープンソースのブロックチェーン「カルダノ」の基軸通貨として使用されている仮想通貨です。カルダノは既存のシステムに影響を与えることなくアップグレードできる機能が組み込まれているため、拡張性の高いプラットフォームとして知られています。
そんなエイダコイン(ADA/カルダノ)に投資してみたいものの、話題性や時価総額だけで判断してしまっていいのか悩んでいる。そんな方は、仮想通貨の計画書にあたる「ホワイトペーパー」の情報から、判断材料を集めてみてはいかがでしょうか。
この記事では仮想通貨エイダコイン(ADA/カルダノ)とはどんな特徴があるのか?仮想通貨の計画書にあたる「ホワイトペーパー」を参照しながら、投資する上で重要な特徴を把握し、その将来性について解説していきます。
そもそもホワイトペーパーとは?
仮想通貨のホワイトペーパーとは、プロジェクト運営者などによって発行される仮想通貨の説明資料を指します。特定の仮想通貨プロジェクトの目的や技術的な特徴、今後のロードマップなどが記載されています。
特に仮想通貨は株式や仮想通貨などと異なり、裏付けとなる資産が無い場合が多いため、ホワイトペーパーに記載されたプロジェクトの内容そのものが、その仮想通貨の価値を裏付ける非常に重要な要素となります。
それでは具体的にホワイトペーパーのどの部分に注目すればよいのでしょうか。代表的なポイントとして次の各点が挙げられます。
● 開発目的
● アルゴリズム
● 体制(セキュリティ対策を含む)
● 発行上限
● 目標
では、このポイントに焦点を当てながら、特徴や描いている未来、将来性について説明していきます。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の特徴
カルダノとエイダコイン(ADA)は、イーサリアムの開発にも携わったことで知られるチャールズ・ホスキンソン氏らによって開発されました。その特徴をホワイトペーパーに沿って見ていきましょう。
開発目的
ホワイトペーパーでは、カルダノの開発目的について次のように述べています。
“The overall focus beyond a particular set of innovations is to provide a more balanced and sustainable ecosystem that better accounts for the needs of its users as well as other systems seeking integration.”
引用:https://whitepaper.io/document/581/cardano-whitepaper
要約すると、「ユーザーや他システムのニーズを踏まえ」「よりバランスのとれた」「持続可能なエコシステム」を実現することが、カルダノを開発する上での焦点だったとしています。
例えばビットコインやイーサリアムなどの既存の仮想通貨は、将来のアップデートが十分に考慮されていない設計となっており、大きな変更を加えるためにはハードフォークを行って新旧を分裂させる必要があります。これでは、持続的な価値の保存手段としては不十分だという考えです。
また、カルダノは多くのブロックチェーンが持つ匿名性と透明性の必要性は認めつつも、さらに法的要件の遵守を両立させることが、仮想通貨の普及と消費者保護にとって重要な要素だとしているのです。
つまり、必要に応じて税務当局などと情報共有できるように、トランザクションにメタデータ(利用者の属性情報)を含める機能も必要となります。
カルダノはこれらの問題を解消する、新しいプラットフォームを目指して開発されているのです。
エイダコインの(ADA/カルダノ)アルゴリズム
カルダノでは、ウロボロス(Ouroboros)と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
ウロボロスはエディンバラ大学のアンゲロス・キアイアス(Aggelos Kiayias)教授らによって開発されたアルゴリズムで、Proof-of-Stake(PoS)を元にブロック作成者の選定のランダム性を高めることで、より公平性と安全性が強化されていることが特徴とされます。
ウロボロスでは不特定多数によって構成された「ステークプール」という概念が存在し、エイダコイン(ADA)の保有者は特定のステークプールへ「委任」を行うことができます。
「委任」とは保有するエイダコイン(ADA)の量に応じたブロック生成権を委ねることであり、自らはノードを立ち上げる必要なくブロック生成に参加し、報酬を得ることが可能となっています。
カルダノの公式ページによると、こうした仕組みによってウロボロスのエネルギー効率はビットコインのPoWと比較して400万倍も高いとの試験結果もあるそうです。
なお、エイダコイン(ADA)の専用ウォレットとして「ダイダロス(Daedalus)」と「ヨロイウォレット(YOROI Wallet)」が提供されていますが、どちらも日本語に対応しています。
組織体制やセキュリティ対策の状況
カルダノの開発と運用は、「カルダノ財団(Cardano Foundation)」、「インプットアウトプット香港(IOHK)」、「エマーゴ(Emurgo)」の3つの組織のパートナーシップによって行われています。
カルダノ財団(Cardano Foundation)はスイスに本拠地を置く非営利団体であり、カルダノがローンチされた2015年に設立されました。
カルダノの標準化機関としてカルダノで用いられる技術の規格・保護・普及などを目的に活動しているほか、公的機関との調整なども行うなど、カルダノの代表機関のような役割を担っていると言えるでしょう。
次にインプットアウトプット香港(IOHK)は、技術開発と研究を行う企業であり、カルダノの開発を担っています。カルダノ財団と同じく2015年にチャールズ・ホスキンソン氏らによって設立され、前述したウロボロス開発者のアンゲロス・キアイアス氏もまた、チーフサイエンティストとして同社に参加しているとされています。
そしてエマーゴ(Emurgo)は、カルダノの創設メンバーとして古い歴史を持つ組織です。カルダノのブロックチェーンを用いるビジネス等への投資やサポートを担い、カルダノの実質的な営利部門として機能しています。2017年に日本で法人が設立され、その後シンガポール・米国・インド・インドネシアなどに展開しています。
また、カルダノの開発は学術的な論文をベースとして行われているという特徴があります。設計にあたってはまず研究論文が作成され、学術会議で専門家や学者によって査読されます。このようなプロセスを経ることで、設計の安全性が学術的に立証された仕組みのみが実装されているとカルダノの公式ページでは記載されています。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の将来性
それでは、エイダコイン(ADA)の将来性について次の観点で見ていきましょう。
発行上限について
エイダコイン(ADA)の発行上限数量は450億ADAとなっており、記事作成時点の2023年7月4日の流通量は約395億ADAとなっています。
予定上限の約87%が既に発行済みということであり、これは今後の流通量が最大でも1.15倍程度にしか増加しないことを意味しています。流通量の増加に伴う価値の希釈化については、現時点である程度限定されていると言えるでしょう。
今後の計画について
カルダノでは、公開された長期的なロードマップに基づいて開発が進んでいます。

現在はGOGUEN(ゴーグエン)の開発フェーズで、2021年9月のリリースでスマートコントラクトの機能が実装されたことで、カルダノでもdApps(分散型アプリケーション)の開発が可能となりました。
今後はBASHO(芭蕉)とVOLTAIRE(ボルテール)のフェーズを通じて、スケーラビリティの改善やガバナンス機能の強化が進むとされています。
市場の拡大のポイント
エイダコイン(ADA)は2015年に行ったICO(仮想通貨の公開販売)で約6,200万ドルの資金調達を行い、その9割以上が日本市場からの資金であったことが話題となりました。そのためカルダノは日本と縁が深く、「芭蕉」や「鎧(ヨロイ)」などのワードが多く使われています。
また、2017年には東京工業大学と共同で仮想通貨研究講座を開設したほか、2018年には東京理科大学との提携も発表されています。
もちろん、カルダノが提携を進めているのは日本国内だけではありません。2021年にはエチオピア政府、タンザニア政府と教育・農業分野でのパートナーシップ締結が発表されるなど、カルダノの利用場面は着実に拡大してきました。
こうした積極的な普及活動などを背景にカルダノの時価総額は年々増え続け、現在は約100億ドルに達しています。これは、リップルに次いで仮想通貨全体の第7位の規模となります。
近年ではGMOコインやDMMビットコインなど、日本国内の大手仮想通貨取引所でも取り扱いが開始されており、日本での取引環境も整いつつあります。
今後も新たな提携の発表や大型アップデートの実施などの好材料が発表されることで、カルダノの市場が更に拡大していくことが期待されています。
ただし、カルダノのプロジェクト立ち上げ当初には、ロードマップの遅延によって悪評が広まってしまった時期もありました。今後も公開されているロードマップが順調に進捗するかどうかは重要な注意点と言えるでしょう。
DeFiの発展やNFT市場の拡大が仮想通貨全体の追い風となっている中、カルダノがこうした需要をどれだけ取り込むことができるかが注目されています。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の足元の価格状況
さて、足元の価格はどうなっているのでしょう?
弊社が運用する金融情報プラットフォーム「フィンタクト」で開示されているチャートをみてみると、2023年9月14日時点では、1ADA=36.84円となっていました。

最新情報はこちらからご確認いただけます。
「フィンタクト」ではこのほか関連するニュースやほかのユーザーの実績も確認できるため、こうした情報も実際の買い時を見極める際、傾向把握にも活用いただけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 エイダコイン(ADA)の特徴と将来性について理解を深められましたか?
エイダコイン(ADA)はここ数年で国内大手取引所への上場が相次いでいることからも、注目度の高さが伺えます。
今後もその他通貨についても解説記事を紹介していきますので、最新記事の更新情報を知りたい方はぜひTwitterのアカウントをフォローしてみてください。