
近年、決済や金融分野への実用化を視野に入れたブロックチェーンプロジェクトが注目を集めています。
その中でも独自の高速処理技術と多機能な決済機能を備えた「UPCX(ユーピーシーエックス)」は、2025年3月に日本でもBitTradeが取り扱いを開始するなど注目が高まっています。
この記事では、仮想通貨UPCXとUPCXブロックチェーンの基本概要や特徴、将来性について、公式情報や市場動向をもとに解説していきます。
仮想通貨UPCX(UPC)とは?
UPCXは、シンガポールを拠点とするUPCX Platforms社によって開発された独自ブロックチェーンです。
決済や金融サービスへの実用化を目的として2022年にプロジェクトが始動し、2024年10月にはメインネットが正式にローンチされました。
この「UPCX」ブロックチェーン上で使用されるネイティブトークンが、仮想通貨「UPCX(ティッカーシンボル:UPC)」です。
ブロックチェーン・ブランドとネイティブトークンどちらの名称も「UPCX」であるため、文脈によっては混同されやすい状況にあります。
そのため、この記事においてはそれぞれ「UPCXブロックチェーン」、「仮想通貨UPCX」と表記して解説していきます。
なお仮想通貨UPCXは当初、Ethereum上で発行されたERC-20トークンとして流通していましたが、2024年10月のメインネット正式ローンチに伴い、Ethereum上のUPCX(ERC-20版)とUPCXブロックチェーン上のネイティブUPCXを相互に交換できる公式ブリッジ機能が整備され、現在に至ります。
仮想通貨UPCXの特徴
UPCXとはいったいどのような仮想通貨・ブロックチェーンなのでしょうか。
その特徴について深掘りしていきましょう。
開発目的
UPCXブロックチェーンは、従来のブロックチェーンが抱える「処理速度の遅さ」「高い手数料」そして「実用性の乏しさ」といった課題を解決することを目的に開発されました。
日常生活における決済や金融取引をブロックチェーン上でスムーズに行えるように設計されているのです。
設計上の主な特徴
ネームドアカウント
利用者がわかりやすい名前(ネームドアカウント)を設定できるため、長いアドレスを入力しなくても送金ができます。
プッシュ型・プル型の両方に対応
従来の送金者側が一方的に送る「プッシュ型」だけでなく、受取側が請求を送る方式「プル型」にも対応しています。
定期支払機能
月額課金のサブスクリプションのように、定期的な引き落としを設定できます。
エスクロー機能
第三者なしで資金の一時預かりが行えます。
これらの機能を組み合わせることで、UPCXブロックチェーンはクレジットカードやQRコード決済と同等の利便性を持ちつつ、中央管理者を介さない透明性と自律性のある金融インフラとしての実用性が追求されています。
そして、UPCXブロックチェーン上で主要な決済通貨としての役割を担うトークンとして、仮想通貨UPCXが発行されているのです。
アルゴリズム
UPCXブロックチェーンでは、Delegated Proof of Stake(DPoS)とByzantine Fault Tolerance(BFT)を組み合わせたハイブリッドコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
DPoSとは、信頼できる代表者にブロックの作成を任せる仕組みのことで、一定の分散性と高速処理を両立させることを目指したブロックチェーンアルゴリズムのことです。
またBFTとは、一部のネットワーク参加者が不正な動作や通信の失敗をしても、システム全体として正しい合意を形成できる仕組みのことです。
UPCXブロックチェーンは「DPoSによる高速性」と「BFT由来の安全性・整合性確保」を両立させていることにより、ネットワークの安全性と分散性を保ちながら従来のブロックチェーンと比較して大幅に高速なトランザクション処理を実現しています。
こうした技術的な背景から、UPCXブロックチェーンは個人ユーザーはもちろん、ビジネス用途や大量取引にも耐えうる実用性を備えたプラットフォームとなっているのです。
組織体制・その他
UPCXの開発・運営は、シンガポールに本社を構えるUPCX Platforms社が担っており、日本人を含む多国籍の開発チームによって構成されています。
シンガポールを拠点としつつも、日本を含むアジア各国に開発チームを展開しているため、各国のニーズや制度を考慮した柔軟な開発が可能なほか、各市場に根差したマーケティングなどが強みと言えるでしょう。
また、UPCX Platforms社はパートナーシップを重視したプロモーションを多く実施しています。
例えば、2024年に「世界水泳選手権ドーハ」および「世界水泳ワールドカップ」の公式ブロックチェーン決済スポンサーに就任しています。
また2025年にはマレーシアの女性アイドルグループ「KLP48」との提携によるファン参加型のソーシャルプラットフォームを開発するなど、エンタメ領域での応用も進められており、国際的イベントやコンテンツとの連携を通じて、ブランドとしての信頼性や知名度の向上にも取り組んでいます。
仮想通貨UPCXの将来性
それでは、仮想通貨UPCXの将来性について考える上で、重要なポイントをそれぞれ見ていきましょう。
金融・決済分野での実用化の進展
仮想通貨UPCXは、当初はEthereum上で発行されたERC-20トークンとしてスタートしましたが、2024年10月にはUPCXブロックチェーンのメインネットが正式にローンチされたことで、実際の決済・金融サービスに利用できる環境が整いました。
現在は、プッシュ型・プル型の送金機能、定期支払い、エスクローといった多様な機能が実装済みであり、すでに実際の利用が可能となっています。
今後は、これらの機能がどのような形で実社会に導入されていくのかが、仮想通貨UPCXの普及と価格動向において重要なカギを握ることになるでしょう。
アジア圏での展開とコミュニティ拡大
開発チームに日本人が関与していることもあり、UPCXは日本・マレーシアなどアジア圏を中心に積極的に展開されています。
日本国内では、2025年3月に仮想通貨取引所BitTradeへ上場したことで、日本人投資家も仮想通貨UPCXへの投資が容易になりました。
また、日本のアイドルグループ「AKB48」の海外姉妹グループにあたる「KLP48」との連携をはじめとするエンタメ分野での施策により、独自のファン層やコミュニティ形成も進められています。
一方で、仮想通貨UPCXが海外大手取引所のBitgetに上場されるなど、アジア圏に限定されず世界的な知名度も高まりつつあります。今後は、こうした取り組みを通じて日本を含むアジア圏、そして世界的な知名度を高め、実際の利用者をどこまで広げられるかが注目されます。
流出事件の影響と今後の信頼回復
UPCXを巡っては、2025年4月に同社の管理用アカウントが不正アクセスを受け、約1,847万UPC(当時の時価で約100億円相当)が流出したと報道されています。
この報道により、一時的にネットワークへの不信感が広がりましたが、公式発表によればユーザー資産への直接的な被害は確認されていないとされています。
今後は、運営体制の透明性やセキュリティ対策の具体性が、投資家や利用者からの信頼回復に向けて大きなポイントとなるでしょう。
仮想通貨UPCXの価格動向
それでは、仮想通貨UPCXの価格動向について確認してみましょう。
チャートによると、2025年4月16日現在の価格は1UPCXあたり約555円となっています。
参考:CoinMarketCapより
仮想通貨UPCXは、2023年から一部の取引所で売買が可能な状態にありましたが、当初は現在ほど注目されていませんでした。
しかし、2024年1月に仮想通貨取引所Bitgetへ上場するとともに、上述のとおり世界水泳の公式ブロックチェーン決済スポンサーに就任したことが発表され、知名度が一気に高まり価格の上昇がみられました。
その後。2024年10月にはメインネットが正式にローンチされたことを受けて評価が高まり、価格は約280円から500円超へと大幅に上昇、直近では2025年3月に仮想通貨取引所BitTradeへの上場により日本人投資家が参入しやすくなると、価格は再び大きく上昇して約800円のピークを記録しています。
直近ではUPCX Platforms社のアカウントから時価100億円相当の仮想通貨UPCXが流出した旨が報道されたことで価格が低下していますが、それでも記事作成時点で500円台の高値圏を維持している状態です。
今後もさらなる取引所への上場や実用化の進展、UPCXを取り巻くさまざまなニュースによってUPCXの価格に大きな影響が及ぶ可能性があるでしょう。
まとめ
この記事では、仮想通貨UPCXとUPCXブロックチェーンの特徴と将来性について解説してきました。
高い処理性能や多彩な決済機能が注目されている一方 、メインネット公開が間もないため、今後の開発進展が注目されます。
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