オラクル問題とは?
この記事では、ブロックチェーンにおける「オラクル問題」について解説します。まずは、オラクルとはそもそもどういったものなのかを紹介したうえで、スマートコントラクトにおけるオラクル問題について詳しく解説していきます。
そもそもオラクルとは?
オラクル(oracle)とは、というよりもブロックチェーンにおけるオラクルとは、スマートコントラクトに外部のデータを伝達する第三者的な役割を果たすもののことをいいます。
なお、スマートコントラクトとは、契約や取引をするにあたって事前に設定された条件が満たされた場合に、やはり事前に決められたプログラムが自動的に実行されるシステムのことをいいます。
ブロックチェーンやスマートコントラクトは、原則としてブロック上に記録されていないデータにはアクセスできません。しかし、システムを稼働するうえでは外部の情報が必要となるケースが多く、外部との橋渡しをする役割のもの、つまり「オラクル」が必要になります。
オラクルがブロックチェーン内外の情報のやり取りを仲介することで、スマートコントラクトの利用範囲が拡大され、もしオラクルが無ければスマートコントラクトの活用範囲も大きく制限されてしまうでしょう。
スマートコントラクトにおけるオラクル問題
オラクルはブロックチェーンの内側と外側のデータのやり取りを橋渡しする役目を担っていますが、そのデータをどのような方法で信頼すれば良いのでしょうか。また、単独のオラクルを活用する際に発生する可能性のある「単一障害点」をどのように回避すれば良いのでしょうか。この2点の課題のことを「オラクル問題」といいます。
なお、単一障害点とはある障害が発生した場合、全システムが停止してしまう場所(点)のことをいいます。
外部から取り込むデータの信ぴょう性をどのように付加するのか、そして単一障害点となり得る可能性があることをどうクリアするのか、このふたつの問題が解決できないとブロックチェーンの外側の情報を取り入れることが難しくなります。
そして、この問題があるがゆえに、スマートコントラクトの実用化が思うように進展しないという現実があるのです。
分散型オラクルとChainlink
このようなオラクル問題を解決する手段のひとつとして、「Chainlink(チェーンリンク)」が注目されています。Chainlinkとは、スマートコントラクト社がブロックチェーンの専門研究機関であるIC3と協力開発している分散型オラクルネットワークです。
分散型オラクルは中央集権的な管理者に支配されず、単一障害点も存在しなくなることから、集権型オラクルに比べ信頼性が高いと考えられています。
また、Chainlinkには次のような特徴があります。
● SWIFT(国際銀行間金融通信協会)(※)と提携している
● さまざまな企業と提携してユースケースを発表している
(※) SWIFT(国際銀行間金融通信協会):銀行間の国際金融取引に関するメッセージをコンピュータと通信回線を介して伝送するネットワークシステムのこと
このような性質を持ったネットワークの活用によって、より安全に信用度の高い基盤を構築することが期待されているのです。
参考文献
https://medium.com/chainlink-community/what-is-the-blockchain-oracle-problem-bc7bdb6425c6
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