Tポイント(Vポイント)のビットコイン交換にも税金はかかる?計算方法を解説

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Tポイント(Vポイント)のビットコイン交換に税金はかかるのかを税理士が解説.png

Tポイント(Vポイント)をビットコインに交換できるサービスが仮想通貨取引所のbitFlyerから提供されています。

多くの人が日常生活で貯めているTポイント(Vポイント)を利用(交換)して仮想通貨投資が可能なため、気軽に仮想通貨投資を始められる、投資額を増やせるサービスとして知られています。※2024年4月22日にTポイントはVポイントになりましたが、この記事の中ではわかりやすさを重視し併記しています。

しかし、現金を使わずに始められる仮想通貨投資であっても、取引には税金が掛かってしまう可能性がある点には留意が必要です。

この記事では、Tポイント(Vポイント)を使ったビットコイン投資について、税金が発生するケースとその計算方法をわかりやすく解説していきます。

目次

  1. Tポイント(Vポイント)のビットコイン運用に掛かる税金とは  
    1.1 Tポイント(Vポイント)を獲得したタイミングでは税金がかからない  
    1.2 Tポイント(Vポイント)を使ってビットコインを購入し、のちに売却した時に税金がかかる
  2. 1.3確定申告をしなくてよい場合もある
  3. Tポイント(Vポイント)のビットコイン投資にかかる税金計算方法
  4. まとめ

Tポイント(Vポイント)のビットコイン運用に掛かる税金とは

現金を使わずに始められるTポイント(Vポイント)のビットコイン投資ですが、どのようなタイミングで税金を意識する必要があるのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

ポイント(Vポイント)を獲得したタイミングでは税金がかからない

国税庁が公開しているタックスアンサーでは、企業発行ポイントを取得または使用した際の取扱いについて、次のように整理されています。

通常の買い物で付与されたポイント非課税
臨時・偶発的に付与されたポイント一時所得として使用時に課税

参考:国税庁|No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い  
      
通常の買い物で支払った金額に応じて付与されるポイントは、実質的に商品の値引きと同じだと考えられることから、所得には含まれないと解釈されるため、税金はかかりません。

従って、通常の買い物で付与されたポイントの取得や使用による課税は発生しません。

結果として、通常のTポイント(Vポイント)の獲得においては、税金が発生しないと見てよいでしょう。

一方で、ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなど、臨時・偶発的に付与されたポイントについては、通常の値引きとは見られないことから、一時所得として認識する必要があります。

「一時所得」とは、労務の対価などの性質を持たない一時的な収入を指す所得区分です。

なお、一時所得には年間50万円の非課税枠が設定されております。  
これはつまり、年間50万円までは一時所得は発生しないということとなります。

結果として、Tポイント(Vポイント)で大きなキャンペーンに何度も当選するなどが発生し、その合計額が年間50万円を超える場合は一時所得として認識する必要がありますが、こうした極めて稀な例を除き、Tポイント(Vポイント)を獲得した際は非課税として計算してよいでしょう。

Tポイント(Vポイント)を使ってビットコインを購入し、のちに売却した時に税金がかかる

Tポイント(Vポイント)をビットコインに交換した後は、そのビットコインを売却して日本円に換金することができます。

このビットコインの運用益についてですが、基本的には仮想通貨の運用収入として雑所得として認識するべきと考えられます。

上述の通り、ポイント獲得は非課税ですが、ポイントをビットコインとして運用し、その運用収益は課税の対象になると考えられています。  
      
ビットコイン取引による利益の考え方

利益 = 譲渡価格 - 取得原価

ここでいう取得原価とは、そのビットコインを手に入れた際の価格を指します。

取得原価

取得原価 = 取得時の1BTCあたりの価格 × 取得した数量

なお、ビットコインを複数回取得した場合の取得原価については、「総平均法」または「移動平均法」と呼ばれる会計方法で算出します。

一方、譲渡価格とはビットコインを手放した時に対価として得た価格です。

譲渡価格

譲渡価格 = 売却時の1BTCあたりの価格 × 売却した数量

例えば、取得原価が10,000円のビットコインを市場価格が3倍に跳ね上がった後に30,000円で売却した場合、この取引から生じる所得は20,000円として計算されます。

逆に市場価格が落ち込み、利益が出ないかマイナスになった場合は、損失として扱われ税金はかかりません。

なお、この考え方はビットコインを別の仮想通貨と交換する取引や、ビットコインを支払って商品やサービスを購入した場合も同様に適用されます。

このように、Tポイント(Vポイント)を通じてビットコインを取得した場合であっても、その後の取引については通常のビットコイン取引と同じように税務上の考慮が求められるのです。

確定申告をしなくてよい場合もある

通常一時所得または雑所得がある場合、年末調整を行っている会社員などであっても、勤務先で行う年末調整とは別に確定申告が必要になります。

ただし、利益が小さい場合は確定申告が不要になる場合もあります。

例えば、一時所得として処理された場合50万円以下については非課税です。

また、「雑所得」として処理された場合でも会社員や公務員などの給与所得者の場合 、同じ総合課税の「雑所得」が年間20万円以下の場合は確定申告は行わなくてよいとされています。

また、主婦や学生など給与所得が無い方が仮想通貨取引を行った場合、同じ分類の雑所得の合計が所得税の基礎控除額(最大48万円)を下回れば、課税所得が無いものと見なされて確定申告は不要となります。

このように、年間の利益が一定の水準内に収まるか否かが、確定申告の要否を判断する一つのポイントとなるでしょう。 

Tポイント(Vポイント)のビットコイン投資にかかる税金計算方法

続いて、Tポイント(Vポイント)で得たビットコインを運用した場合の税金計算方法について見ていきましょう。

前項でもご紹介した通り、Tポイント(Vポイント)を使用してビットコインと交換、その後売却(使用)して得た経済的利益は原則、「所得税」の「雑所得」として分類されます。これらの所得は総合課税の対象となります。

総合課税とは、給与所得など、他の所得と合算した課税所得に、所得税の税率をかけて所得税額を算出する課税方式です。税率は課税所得が多いほど高くなる累進課税方式が採用されているので、合計した所得が多ければそれだけ税額も多くなります。         

所得税の速算表

所得税率.png  
引用:国税庁|No.2260 所得税の税率

所得税の計算方法は以下の通りです。

所得税の計算方法

所得税額 = 課税所得額 × 税率 - 控除額

例えば、給与所得が500万円の人が、Tポイント(Vポイント)のビットコイン仮想運用を含めて40万円の雑所得を得た場合は以下のような計算となります。

(500万円 + 40万円) × 20% - 427,500円 = 652,500円が所得税

なお、所得税額の計算は段階ごとに計算する必要がありますが、手間がかかるため、国税庁が発表している上記の「所得税の速算表」を使用したものです。  
速算表と照らし合わせることで、課税所得金額(1,000円未満の端数金額は切り捨て)に対する所得税額を簡単に求めることができます。

実際には社会保険料控除や各人に応じたさまざまな控除等を考慮した金額が最終的な納税額となる点にご留意ください。

仮想通貨取引に関する税金や確定申告については、これらの記事でも詳しく解説しています。詳細を確認したい場合はぜひ併せてご覧ください。

まとめ

Tポイント(Vポイント)をビットコインに交換することは、投資用の資金がない状態からでもビットコイン取引に参入できるため、仮想通貨投資の初心者にとっても魅力的な方法といえます。

しかし、たとえTポイント(Vポイント)から始めた投資であっても、その過程で利益認識すべき所得については税金が発生する点には注意が必要でしょう。そして、確定申告においては 1年間の全ての取引履歴に対して、各取引時点における時価を調べて日本円換算しながら損益を計算する必要があります。

仮想通貨取引の頻度や件数が多くなるとその分だけ計算量も増えるため、非常に面倒に感じる人が多いことでしょう。

そこで便利なのが、仮想通貨専用の損益計算ツール「クリプタクト」です。

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もちろん、bitFlyerでTポイント(Vポイント)をビットコインに交換した履歴(各種ファイルがありますが、「すべてのお取引」ファイルのなかにTポイント(Vポイント)の交換履歴も含まれます)も取り込むことができますので計算を手作業で行う必要ありません。

また、将来的に海外取引所の利用やNFT取引、高度なDeFi(分散型金融)取引などを行い方でも、「クリプタクト」であれば汎用性の高いカスタムファイルの取込機能や充実したドキュメントによって、幅広い取引をカバー可能です。

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