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PancakeSwap(パンケーキスワップ)の使い方|特徴から取引履歴の見方まで紹介

仮想通貨コラム
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【図解】pancakeswapの使い方.jpg

仮想通貨取引を行っている方の中には手数料の取引の安さなどから、PancakeSwapの利用を検討されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、分散型取引所(DEX)であるPancakeSwapの利用方法は、国内仮想通貨取引所の利用方法とは全く異なるため、どのように使い始めたらよいかわからないという方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、PancakeSwapの始め方や基本的な取引の行い方などについて、画像を使ってわかりやすく解説していきます。仮想通貨取引を行う上で避けては通れない税金計算についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. PancakeSwap(パンケーキスワップ)とは  
  2. PancakeSwap(パンケーキスワップ)を始めるために必要な準備  
  3. PancakeSwap(パンケーキスワップ)の基本的な使い方   
    トークンの交換(スワップ取引)   
    流動性提供   
    ステーキングのやり方
  4. PancakeSwapの取引履歴の取得方法
  5. より簡単に税金の計算を行う方法

PancakeSwap(パンケーキスワップ)とは 

そもそも、PancakeSwapとはどのような特徴をもったサービスなのでしょうか。大きなポイントとして、ここでは次の3点をご紹介します。

①AMM方式の分散型取引所(DEX)

PancakeSwapはAMMと呼ばれる方式が採用された分散型取引所(DEX)です。

AMM(Automated Market Makers)とはDEXの処理方式の一つで、取引がスマートコントラクトによって完全に自動化されており、取引がトレーダー間ではなくトレーダーと「流動性プール」の間で行われるのが特徴です。

取引にかかる時間が短いうえ、市場参加者が少ないニッチな銘柄でもマーケットが機能するという強みがあります。

②BNB Chainの活用により手数料が安い

PancakeSwapでは、BNB Chainを中心に複数のネットワークが使用できます。

特にBNB Chainは世界最大級の仮想通貨取引所であるBinanceが開発したブロックチェーンであり、イーサリアムと比較して処理速度が速く、ガス代も大幅に安くなっています。

こうしたネットワークを活用することで、通常の仮想通貨取引所(CEX)より安く取引ができるという特徴があるのです。

③本人確認などの手続きが必要ない

PancakeSwapは、ウォレットを接続するだけで誰でもすぐに利用できます。

そもそも分散型取引所(DEX)であるPancakeSwapには特定の管理者や運営会社が存在しないため、口座開設や本人確認などの手続きをする必要もありません。

一方で通常の仮想通貨取引所(CEX)とは異なり、金融当局の監督や消費者保護の仕組みが行き届いていないことによるリスクもありますので、利用する際は自己責任で判断する必要があります。

PancakeSwap(パンケーキスワップ)を始めるために必要な準備

PancakeSwapは、仮想通貨のウォレットとパンケーキスワップを接続することで使えるようになります。

ここでは、代表的な仮想通貨ウォレットとしてMetamaskを使った準備・接続方法についてご紹介します。

なお、以降に掲載されているMetamask,PancakeSwapのブラウザ版およびアプリ版のスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権はアプリの開発者に帰属します。

STEP1: Metamaskでウォレットを作成する

Metamaskは、公式サイトからダウンロードすることができます。トップページの「Download」ボタンをクリックすると、環境を選択する画面が表示されます。基本的に、開いたブラウザやデバイスに合った画面が表示されますので、画面に沿って操作すればダウンロードに迷うことはないでしょう。

 

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(Metamaskの公式サイトより|PCブラウザ拡張機能版画面)

Metamaskが起動したら、「新規ウォレットの作成」へ進みます。画面の指示に沿って、パスワードを設定しましょう。    
このパスワードはMetamaskを使用する際に日常的に使用するパスワードです。

続いて、画面の指示に従ってウォレットの安全確保へと進みます。 「シークレットリカバリーフレーズの確認」をクリックすると、このような英単語の組み合わせが表示されます。

 

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(Metamaskの公式サイトより|PCブラウザ拡張機能版Metamaskのシークレットリカバリーフレーズ画面)

このシークレットリカバリーフレーズは、万が一Metamaskのパスワードを紛失してしまった際に、ウォレットを復旧できる唯一の手段です。絶対に無くさないように大切に保管しましょう。

あとは、画面の指示に沿って進めていくだけでMetamaskのウォレット作成は完了です。

STEP2: MetamaskのネットワークをBNB Chainに切り替える

PancakeSwapを使うためにはMetamaskのネットワーク設定をBNB Chainに変更する必要があります。(PancakeSwapがBNB Chainを基盤としているため)ブラウザの拡張機能からMetamaskを起動し、画面左上のネットワークボタンをクリックしましょう。    

ネットワーク選択画面が表示されるため、下部の「ネットワークを追加」をクリックしてください。追加できるネットワークの一覧が表示されるため、「BNB Chain」の右側にある「追加」をクリックしましょう。

 

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その後、BNB Chainの詳細が表示されるため「承認」をクリックし、最後に「BNB Chainに切り替える」をクリックすることでMetamaskがBNB Chainに接続されます。

なお、ネットワークは画面左上のネットワークボタンからいつでも切り替えが可能です。

STEP3: MetamaskをPancakeSwapに接続する

最後に、作成したMetamaskのウォレットをPancakeSwapのサイトに接続します。

pancakeswap08.png(PancakeSwapの公式サイトより)

Metamaskを導入したブラウザで、PancakeSwapの公式サイトを開き、画面上部または中央部にある「ウォレットを接続」ボタンをクリックします。

※公式サイトが日本語で表示されていない場合は、画面上部の地球儀マークをクリックして日本語表示に切り替えましょう。

対応ウォレットの一覧が表示されるため、Metamaskのアイコンをクリックしましょう。

すると、自動的にMetamaskが起動しますので、アカウントを選択のうえ「次へ」、接続確認の画面が表示されますので、「接続」をクリックしましょう。

PancakeSwapのサイト画面に戻り、右上にご自分のウォレットアドレスの一部が表示されていたら、接続完了です。

 

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セキュリティ面の注意点

MetamaskをPancakeSwapなどのサイトと接続することで、ブロックチェーンを基盤としたさまざまなDeFi(分散型金融)サービスを利用できるようになります。

これらは非常に便利で手軽である一方、仲介者のいない直接取引であるためセキュリティ面の管理も全て自己責任となる点に留意が必要です。

Metamaskのウォレットは、シークレットリカバリーフレーズがあれば第三者でも復旧することができ、保管している仮想通貨・トークンを自由に利用することができてしまいます。

シークレットリカバリーフレーズは絶対に他人に知られないように厳重に管理しなければなりません。

また、ウォレットを接続するサイトについても慎重に判断する必要があります。

不注意で悪意のあるフィッシングサイトにウォレットを接続してしまった場合、ウォレットに保管している仮想通貨・トークンを失うリスクに晒される場合があります。

Metamaskは自分自身が信頼できると判断したサイトにのみ接続するようにしましょう。

なお、一度承認した接続を解除したい場合は「リボーク(revoke)」を行うことで接続を取り消すことができます。

リボークについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方は併せてご覧ください。

PancakeSwap(パンケーキスワップ)の基本的な使い方(スワップ、流動性提供、ステーキング)

それでは、PancakeSwapの使い方について見ていきましょう。

PancakeSwapではさまざまな取引ができますが、ここでは基本的な取引として次の3つの方法についてご紹介します。

● トークンを別のトークンと交換(スワップ)    
● 流動性提供で稼ぐ    
● ステーキングで稼ぐ

それぞれについて見ていきましょう。

トークンの交換(スワップ取引)のやり方

PancakeSwapでは、保有しているトークンを別のトークンと簡単に交換すること(スワップ取引)ができます。

スワップ取引を行いたい場合は、メニューの「トレード」から「スワップ」を選択しましょう。    
 

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スワップ用のトレード画面が表示されます。画面右側の上段で交換したいトークン、下段で欲しいトークンを選択し、上段または下段のいずれかに数量を入力します。AMMで自動的に算出されたレートに基づいて反対側の金額が表示されるため、内容を確認して問題がなければ「スワップ」をクリックしましょう。

 

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続いて表示させる確認画面で「スワップを確定」をクリックすると、Metamaskが起動します。

Metamask側で表示された取引を確認のうえ、問題がなければ「確認」をクリックします。

これでトークンの交換が完了しました。

流動性提供のやり方

流動性提供とは、自分が保有しているトークンを「流動性プール」に預けることで、DEXの他のユーザーがスワップ取引を行えるようにすることを言います。

スワップ取引を行う際には小額の手数料が差し引かれていますが、その一部は流動性プールを作成した     ユーザーへ報酬として支払われます。つまり、ニーズの多いトークンに対して流動性を提供することで、手数料報酬を稼ぐことができるのです。

この仕組み上、流動性を提供するには、2種類のトークンを保有している必要があります。

PancakeSwapに流動性を提供したい場合は、メニューの「トレード」から「流動性」を選択しましょう。 

 

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続いて表示された画面で「+ 流動性の追加」ボタンをクリックすると、流動性の追加画面が表示されます。

取引の詳細を入力していきます。

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画面左上で提供したいトークンを2つ指定しましょう。

続いてその下の手数料を設定します。

手数料は流動性提供者が以下の選択肢の中から自由に選択することができます。

● 1%    
● 0.25%    
● 0.05%    
● 0.01%

手数料を高く設定した方が一回の取引からより多くの報酬を得ることができますが、利用者からは利用されにくくなります。

トークンの組み合わせに応じて推奨される水準が設定されていますので、判断が難しい場合は初期設定のままでも良いでしょう。

さらに、画面左下では提供するトークンの数量を指定します。自分が保有しているトークンの範囲内で指定できます。

最後に、画面右側で価格範囲を設定します。

カバーする価格範囲を狭く設定することで、頻繁に利用されてより多くのスワップ手数料を獲得できる可能性がありますが、相場が価格範囲から外れてしまうと利用されなくなります。

一方、カバーする範囲を広く設定することで幅広い相場に対応できるようになりますが、あまり利用されずにスワップ手数料を得にくくなる傾向にあります。

これらの点を考慮しつつ設定を終えたら、「有効にする」をクリックしましょう。

Metamaskが起動しますので、承認操作を行いましょう。

流動性提供のリスク(インパーマネントロス)

流動性提供にはインパーマネントロスと呼ばれる損失が発生するリスクがあります。

 

インパーマネントロス (3).png

 

これは流動性プールに預けた2種類の通貨の数量が増減するため、流動性提供を解除した時点の数量は預けた時点と異なり、時価によっては損失が発生するというものです。 価格変動が大きい銘柄であるほどリスクが大きくなるため、注意する必要があるでしょう。

ステーキングのやり方

ステーキングとは、特定のトークンをロックする見返りとして報酬を得ることを言います。

流動性提供を行うには2種類のトークンが必要であるのに対して、ステーキングは1種類のトークンがあるだけで行えるという特徴があります。

PancakeSwapでステーキングを行いたい場合は、メニューの「獲得」から「Simple Staking」を選択しましょう。

pancakeswap16.png   
 

ステーキングできるトークンの一覧が表示されます。

 

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ステーキングしたいトークンの「詳細」を開き、「ステーキング」ボタンを押します。

 

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ロックする期間に応じた年率が表示されます。

なお、ここで表示されている年率とは、1年間ロックした場合に想定される利回りです。

年率が1%の場合、100BNBを1年間預けることで1BNBの利益が期待できることを意味しています。

ステーキングを実施する場合は「ステーキング」ボタンを押し、期間と金額を入力のうえ実行しましょう。

MetaMaskが起動し、承認を行うことでステーキングが開始されます。

ステーキングは流動性提供とは異なり元本が変動することはありませんが、トークンの時価は常に変動しているため、価格変動リスクに晒されることになります。

メリットとリスクを判断したうえで、自己責任で利用するようにしましょう。

PancakeSwapの取引履歴の取得方法

PancakeSwapで取引を行った場合、取引履歴に基づいて損益計算を行い、所得金額に応じて税金を支払う必要があります。

ここでは、PancakeSwapの取引履歴の取得方法をご紹介します。

取引履歴の取得方法

PancakeSwapはBscScanと連携しており、簡単な操作で取引履歴を確認することができます。

取引履歴を確認する場合は、画面右上のプルダウンから「ウォレット」を選択しましょう。

 

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接続されているウォレットのアドレスと残高情報が表示されます。中央にある「BscScan」をクリックすると、BscScanのサイトに遷移して、ウォレットアドレスの取引履歴が一覧表示されます。

 

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取引履歴をダウンロードしたい場合は「Transactions」ボタンをクリックした後、「Download CSV Export」をクリックすることで、CSVファイルをダウンロードすることができます。

 

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より簡単に税金計算を行う方法

BscScanの取引履歴と正しい税金計算の知識があれば、PancakeSwap取引による税金を算出して確定申告を行うことが可能ではあります。

しかし、実際に税金計算を行ってみると、その作業の膨大さや複雑さに圧倒される人が少なくありません。

DeFi取引の複雑さについては、こちらの記事でもわかりやすく解説していますので、併せてご覧ください。

また留意しなければならない点として、PancakeSwapの仮想通貨取引は日本円建てではないため、全ての取引履歴を取引時点の時価情報に基づいて円貨換算をする必要があります。

そのうえで、「総平均法」または「移動平均法」に基づいて適切な取得単価を計算し、取引一つ一つの損益を算出していかなければなりません。

複雑で手間のかかる仮想通貨の税金計算をより簡単に済ませるには、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」を活用する方法がおすすめです。

「クリプタクト」であれば、ネットワークとウォレットアドレスを指定するだけでブロックチェーンから自動的に取引履歴を取得し、損益計算を行うことが可能です。

ただし、DeFi取引はアドバンスプラン以上の加入が必要となるため、事前に詳細の仕様を確認したい方はデモ画面よりぜひクリプタクトを体験してみてください。

「クリプタクト」のデモ画面はこちら