2021.08.06|ニトリ(9843)2022年2月期第一四半期決算コメント

ニトリ(9843)2022年2月期第1四半期決算コメントfinancialreport9843-fy2022-1q

執筆:西村 麻美

ニトリの株価情報

株価
(2021/8/3)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
21,050円 2.37兆円 71.2% 13.8% 13.6%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
25.76倍 24.10倍 3.55倍 0.66% 14.0倍


2022年2月期第1四半期決算

売上高2,154億円(前年同期比24.0%増
営業利益427億円(同15.0%増
四半期純利益291億円(同14.1%増)

第1四半期は度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴いニトリ、デコホーム、Nプラスの各店舗合計で最大30店舗が休業、また営業時間短縮により既存店売上高が前年を下回る状況となった。既存店の前年比推移は、売上高前年比は97.7、客数は98.1、客単価は99.6だった。全店では売上高は100.2、客数は102.0、客単価は98.3だった。

EC事業はネット限定商品、「新生活の必需品」特集の掲載、またVR技術を利用したバーチャルショールームのサービス開始などにより好調に推移し、EC事業売上高は前年同期比15.9%増の195億円だった。アプリ会員数は2021年6月末時点で1,005万人を達成した。今期末(2022年2月)のアプリ会員数の目標は1,300万人としている。

外事業に関しては台湾、中国でそれぞれ2店舗ずつ出店、中国では大手EC事業運営者の京東の通販Webサイトへの出店、またアメリカではWalmartのEC販売を開始した事などにより大幅増収であった。

連結売上高の内訳は海外店を含む店舗売上は前年同期比100.7%の1,519億円、通販売上(海外EC含む)は同116.3%の196億円、法人&リフォーム売上は同103.7%の31億円、賃貸収入が同99.8%の18億円、その他が同115.3%の14億円だった。

前期に買収した島忠については、旧島忠店舗の埼玉県宮原店をニトリホームズ宮原店として6月半ばにリニューアルオープンし、6月中だけの実績で前年比109.9%、計画比113.0%と好調な出だしである。島忠店舗でニトリ商品の導入を始め、島忠PB商品の開発を短期間で開発可能なものから着手している。また、購買改革プロジェクトを発足し、経費削減目標は10億円とし、短期集中的に購買統合を進め、生産性の向上を目指している。

ニトリが注視している主要KPIの22項目のうち19項目はクリアし、3項目は未達だった。

出店状況は、2022年2月期期首の国内店舗数はニトリ467店、Deco Home 106店、N+17店、ニトリHomes(島忠含む)61店の651店。海外は台湾35店、中国34店、米国2店の71店。国内、海外合わせて722店だった。1Qにニトリを8店、Deco Home1店、台湾2店、中国2店の計13店出店し、735店になった。


2022年2月期予想

通期決算の会社計画は従前予想を維持した。

売上高8,736億円(前期比21.9%増
営業利益1,439億円(同4.5%増
当期利益986億円(同7.0%増

ニトリの2022年2月期の重点課題は成長を再加速する事である。日本国内の寡占化を進める為にニトリ、デコホームで80店出店の予定である。また、アプリ会員数を1,300万人まで増やす予定である。海外に関しては、中国で14店出店、台湾で7店出店、米国では1店出店し、東南アジアで2店出店の予定である。

買収した島忠の分だけ売上高は増えるが、島忠の家具部門は赤字のために統合により営業利益率は3ppt低下する見込みである。また、国内外の積極出店、また物流施設の拡充のために設備投資が増加するために利益増加率は一桁台に低下する見込みである。


アナリストによる投資スタンス

1Q決算の発表後1カ月あまりが経ったが、株価は2万円を挟んで推移している。株価バリュエーションは予想PERが24.10倍、PBRが3.55倍、EV/EBITDAが14.0倍、PSRが2.6とやや割安になっている。買収した島忠の改善には時間を要するが、ニトリのKPI管理の実績で利益率倍増は達成できるだろう。

また、EC事業も成長余地はかなりあるように思われる。今期は再成長加速のための準備期間のために短期的な株価上昇は望みづらいように思われるが、株価下落の際には安心して買ってよい銘柄の一つだと考える。


ニトリに関する投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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