2020.11.12|NTT(9432)2021年3月期2Q決算コメント

執筆:西村 麻美

株価
(2020/11/09)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
2,424円 9兆円 42.6% 5.66% 4.96%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
10.48倍 10.43倍 0.92倍 4.15% 2.7倍
■2021年3月期第二四半期決算
売上高5兆7,114億円(前年同期比3.0%減⤵
営業収益1兆86億円(同2.6%増⤴)
上半期純利益5,415億円(同1.1%減⤵
海外売上高91億ドル(約9,555億円、全売上高の16.7%)
海外営業利益率2.9%(前年同期比0.7pt改善)

減収減益決算だった。しかし、営業利益は微増だった。

ドコモのスマートライフ事業、特に決済サービスの好調による増益や、海外収支の改善等により、営業利益は第1四半期時点の対前年▲76億円(▲1.5%)の減益から、+258億円(+2.6%)の増益に転換した。

第2四半期は、海外SI収入やドコモの端末機器販売収入・国際ローミング収入の減等により、営業収益で約▲1,300億円、営業利益は▲200億円程度のマイナス影響があった。

事業セグメント別では移動通信事業と長距離・国際通信事業は増益だったが、地域通信事業は減益だった。

決算発表と同時に2,500億円を上限とする自社株買いも発表した。自己株式を除く発行済み株式数の3.23%にあたる1億2,000万株を上限とし、取得期間は11月11日から21年3月31日の予定。この自社株買いにより2021年3月期通期のEPS目標を231円から232円に見直した

現在実施しているドコモのTOBが完了すると、NTTの有利子負債は約9兆円に増える見通しだが、リース資産のオフバランス化やドコモの携帯電話端末の割賦販売に伴う債権の流動化などで約9,000億円を返済する予定。中期的な負債の目標水準は6兆円、負債資本倍率を60%、有利子負債対EBITDA倍率を2倍に抑えるとの事。また、ドコモの完全子会社化によるのれんは発生しない。


2021年3月期予想

2021年3月期通期決算の会社計画は、

売上高11兆5,000億円(前年比3.4%減⤵
営業利益1兆5,900億円(同1.8%増⤴)
当期利益8,600億円(同0.5%増⤴)

と従前見通しを据え置いた。

通期では、海外SI案件のマイナス影響が下期に大きく出ることや欧米を中心に新型コロナウイルスの第2波が発生していること等を踏まえ、営業収益▲3,500億円、営業利益▲700億円程度の計画は変わらない。

新サービスとしてウィズコロナ時代に合わせて新たなサービスブランドの「Remote World」を創設し、様々なサービスを開始し、また3D空間型オウンドメディア「Door」を開設した。


中期経営計画の進捗状況

・B2B2Xプロジェクト数が75増加し、88となった。
・ミリ波を利⽤した5Gサービスの提供を2020年9月より開始
・伊藤忠商事、ファミリーマート、サイバーエージェントと購買データを活⽤した広告事業に関する新会社を設⽴し、2020年12月事業開始予定。
・⾵⼒発電事業へ2020年7月参⼊。
・コミュニケーションテクノロジーの研究開発を手掛けるオリィ研究所との資本業務提携など。


アナリストによる投資スタンス

中期経営計画は順調に進捗しており、上方修正の可能性もあるとの見方を会社側はしており、中長期的な成長ストーリーは不変である。自社株買いを発表してから株価は上昇したが、それでも株価バリュエーションは予想PERが10.43倍、PBRが0.92倍、EV/EBITDAが2.7倍と割安な状況である。


プロフィール

株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。



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