2020.11.18|東京センチュリー(8439)2021年3月期2Q決算コメント

執筆:西村 麻美

株価
(2020/11/11)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
6,460円 7,813億円 10.1% 9.8% 1.2%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
11.87倍 16.89倍 1.34倍 2.18% 66倍


2021年3月期第2四半期決算

売上高5,922億円(前年同期比7.7%増⤴
営業利益422億円(同4.4%増⤴)
四半期純利益275億円(同1.9%増⤴

微増収微増益決算だった。レンタカー需要減により国内オート分野は減益だったが、スペシャルティ事業ではACG (Aviation Capital Group)が持分法適用から連結化により100%業績が反映された事による増益、また国内リース事業ではNTT・TCリース株式会社を持分法適用関連会社とし持分法投資利益の計上を開始したことで前年比増益だった。

事業セグメント別の経常利益およびROA

国内リース事業分野経常利益143億円(前年同期比1億円増⤴
ROA1.9%(同0.1pt減⤵
国内オート事業分野経常利益27億円(前年同期比66億円減⤵
ROA0.8%(同2.2pt減⤵
スペシャルティ事業分野経常利益263億円(前年同期比46億円増⤴
ROA2.4%(同1.5pt減⤵
国際事業分野経常利益58億円(前年同期比3億円増⤴
ROA2.4%(同02pt増⤴

ROAの低下は国際事業分野を除き、セグメント資産残高が前年同期比で増加している事による。

財政面では、有利子負債は、前期末比715億66百万円(1.7%)増加し4兆3,498億14百万円となった。

純資産合計は、前期末比156億79百万円(2.4%)増加し6,758億24百万円となった。要因は、利益剰余金が189億76百万円増加、その他有価証券評価差額金が47億42百万円増加、為替換算調整勘定が109億43百万円減少したことによる。この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.2ポイント上昇し10.1%となった。

戦略的に進めているプロジェクトは着々と進捗した。上半期に実行された主な戦略的プロジェクト内容は以下の通り。

✓国内オート事業分野では日本最大規模の車両台数を有するタクシーアプリ「GOタクシー」の運営を手掛けるMobility Technologiesと資本業務提携に係る契約を締結。

✓スペシャルティ事業分野ではNTTアノードエナジーと2020年3月に締結した基本合意書に基づき、太陽光発電分野における共同事業運営を開始。

✓国際事業分野では環境省および地球環境センターが募集した「2020年度二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」において、フィリピンとミャンマーの2案件が採択された。

✓資本業務提携関係にあるプライベート・エクイティ・ファンドのAdvantage Partners グループ持株会社の発行済普通株式の14.9%の取得およびエクイティファイナンスの引受けが完了。

✓国内オート事業分野では、日本カーソリューションズとNTTコムウェアが、AI(人工知能)技術を用いて、整備工場からの複雑な請求伝票の確認業務をAI が代行する技術の発明において、共同で特許を取得。他のオートリース会社、メンテナンス受託会社等へのクラウドサービスによるシステム提供を検討。

✓スペシャルティ事業の船舶分野においてNTT・TCリースと、初の共同案件となる船舶ローンでの協業を発表。

ACGは、国際線・国内線ともに厳しい状況が続くも、ナローボディ機を中心に国内線の需要回復が先行しており、3Qの業績は主としてオペレーティング・リース収入の減少により、売上が減少したものの、前期大口先破綻に伴う、減損の反動などにより増益だった。3Q末の累計純利益は前年同期比25%増の1億2,900万USD (約135億円)だった。

ACGのアセットコントロールは流動性の高いナローボディ航空機を中心にグローバルに分散しており、世界40カ国超、85社以上のエアラインに向けてリースしている。

今期のACGの資金調達状況については、TCと6億USDのクレジットライン契約を締結、ファシリティとバックストップの合計は、26.1億USDに拡大(2020年6月)、 2020年10月償還予定の社債6億USD(7.12%)の内、2億USDを買入償還(2020年6月)、 2020年~2021年の社債償還対応も含めて社債10億USD(5.5%)を新たに発行(2020年7月)、 TCが国際協力銀行(JBIC)や他の日本の金融機関から資金調達し、ACGに4.5億USDの親子ローンを実行した。(2020年9月)


2021年3月期予想

2021年3月期通期決算の会社計画

売上高1兆2,000億円(前年比2.9%増⤴
営業利益700億円(同20.8%減⤵)
当期利益450億円(同20.1%減⤵)

2020年度を初年度とする3ヵ年計画では成長事業(航空機、国内外オート、不動産、再生可能エネルギー、プリンシパルインベストメント等)の深掘りとパートナーシップ戦略の更なる強化を推進しつつ、2022年度(2023年3月期)の計画目標として、経常利益1,300億円、親会社株式に帰属する当期純利益800億円、自己資本比率12%、ROE12%を設定しているが、上半期の戦略的なプロジェクトの実施状況を見ると中期経営計画を達成すべく順調に進捗しているように見える。


アナリストによる投資スタンス

決算発表後株価は上昇し、年初来高値をつけているが、中期経営計画の順調な進捗を評価しているように思える。株価バリュエーションは予想PERが16.89倍、PBRが1.34倍、EV/EBITDAが66倍とPERベースではまだまだ割安である。

2023年3月期の当期利益が800億円と想定し、発行済み株式数が現状と一緒だとするとEPSは652.63円であり、予想PERは9.54倍となる。NTTグループとの協業が多い事を考えるとリスクはかなり低く絶好の買い場に思える。


プロフィール

株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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