2021.05.26|東京センチュリー(8439)2021年3月期通期決算コメント

東京センチュリー(8439)2021年3月期通期決算コメント / financialreport8439-fy2021

執筆:西村 麻美

東京センチュリーの株価情報

株価(2021/5/19) 時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
6,340円 7,739億円 10.2% 8.7% 1.1%
PER(実績) PER(予想) PBR 配当利回り EV/EBITDA
15.82倍 12.94倍 1.36倍 2.25% N/A


2021年3月期通期決算

売上高 1兆2,001億円 (前期比2.9%増⤴
営業利益 771億円 (同12.7%減
当期利益 491億円 (同12.7%減

微増収減益決算だった。2019年12月に連結子会社化したAviation Capital Group LLCの業績が通期で反映されたことにより売上高は前期比でプラスとなったものの、コロナ感染拡大によるレジャー等の需要減退によりレンタカー売上が減少したことにより、売上総利益は前期比でマイナスとなった。

販管費は前期比3.5%増の1,238億円となり、増加の理由はAviation Capital Group LLC連結子会社化に伴う増加と船舶・航空機関連の債権を中心とした貸し倒れ費用の増加によるものであった。営業利益は同12.7%減の771億円、営業外損益は同65.8%減の9億5,000万円だった。営業外損益の悪化は為替差損の大幅増加によるものであった。当期純利益も同12.7%減の491億円となった。減益によりROEは同2.8pt低下し8.7%となった。


事業セグメント別の経常利益およびROA

■国内リース事業分野

経常利益304億円(前期比23億円増
ROA2.1%(同0.1pt増

■国内オート事業分野

経常利益115億円(前期比105億円減
ROA1.8%(同1.8pt減

■スペシャルティ事業分野

経常利益383億円(前期比61億円減
ROA1.8%(同0.9pt減

■国際事業分野

経常利益107億円(前期比29億円増
ROA2.1%(同0.6pt増


負債合計は、前期末比338億59百万円(0.7%)減少し4兆9,145億52百万円となった。有利子負債は、前期末比26億52百万円(0.1%)増加し4兆2,808億99百万円となった。純資産合計は、前期末比282億円(4.3%)増加し6,883億45百万円となった。

主な要因は、利益剰余金が322億98百万円増加、その他有価証券評価差額金が186億16百万円増加、為替換算調整勘定が369億40百万円減少したことである。 その結果、自己資本比率は前期末に比べ0.3pt上昇し10.2%となった。

営業基盤の強化のために様々なプロジェクトを進めたが、事業分野別に主な進捗は以下の通りである。

【国内リース事業分野】
・日通商事株式会社のリース事業分社化に伴い、新設会社「日通リース&ファイナンス株式会社」の株式持分の49%を取得した。新設会社は株式持分をTC49%、日本通運株式会社49%、損害保険ジャパン株式会社2%とする3社の共同出資会社であり、TCの持分法適用関連会社となる。

【国内オート事業分野】
・日本最大規模の車両台数を有するタクシーアプリ「GOタクシー」の運営を手掛ける株式会社MobilityTechnologiesと資本業務提携を締結した。MaaS、自動運転、スマートシティを見据えた事業パートナーとして更なる協業を展開する予定。TCが持つオートリース、レンタカー機能も活用する。
・ゼンリンと業務提携契約を締結した。ゼンリンの持つ地図ソリューションとTCの持つオート、ファイナンス・サービスを組み合わせ新たなソリューションを創出する予定。

【スペシャルティ事業分野】
・NTTアノードエナジーと太陽光発電の共同事業運営を開始する事になった。
・アドバンテッジパートナーズとの共同投資第一号案件として、株式会社アドバンテッジパートナーズ、株式会社ユーグレナ、TCの3社でコカ・コーラ・ボトラーズジャパンホールディングス株式会社からキューサイ株式会社の全株式を共同取得し、通信販売企業からウェルエイジング支援カンパニーへと進化させる予定。

【国際事業分野】
・環境省が募集した「2020年度二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」において、代表事業者として当社が応募した「フィリピン/ショッピングモールにおける2MW太陽光発電システムの導入」と「ミャンマー/ 7.3MW太陽光発電プロジェクト」の2案件が採択された。
・NTTグループとの協業はNTT・TCリースの設立をはじめ、オートリース事業、デジタル事業、モビリティ事業、不動産事業、環境・エネルギー事業、データセンター事業など幅広く展開する予定である。


2022年3月期予想

経常利益1,000億円(前期比28%増
当期利益600億円(同22.1%増

増益予定である。


アナリストによる投資スタンス

決算発表以降株価は下げ基調である。コロナの収束が不透明な為にACGの業績回復、国内オート事業の回復が見えないが、他の事業分野については左程影響を受けておらず、NTTをはじめとして様々な大手企業との業務提携が進んでおり、中期的な成長戦略に変更はない。株価バリュエーションは予想PERが12.94倍、PBRが1.36倍と割安な印象を受ける。


東京センチュリーに関する投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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