2021.11.25|東京エレクトロン(8035)2022年3月期第2四半期決算コメント

東京エレクトロン(8035)2022年3月期第2四半期決算コメント / financialreport8035-fy2022-2q

執筆:西村 麻美

東京エレクトロンの株価情報


【銘柄注目ポイント!】

今期最高益更新はほぼ確実。来期もSPE主導で更に伸びるか?

株価
(2021/11/15)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
58,190円 9兆円 71.8% 20.7% 21.0%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
37.2倍 22.6倍 7.7倍 2.21% 15.1倍


2022年3月期第2四半期決算

東京エレクトロンの2022年3月期第2四半期決算(累計)の結果は

売上高9,325億円(前年同期比39.6%増
営業利益2,746億円(同86.3%増
四半期純利益2,002億円(同78.7%増

第2四半期単独の結果は

売上高4,804億円(同35.9%増
営業利益1,328億円(同80.7%増
四半期純利益998億円(同79.8%増

四半期、半期決算ともに過去最高を更新した好決算であった。SPE(半導体製造装置)は1Qより更に6.8%増の4,678億円の売上を計上した。一方FPD(フラットパネルディスプレイ) はテレビ用大型パネル向け設備投資が一巡した事などにより1Q比10.6%減の125億円の売上であった。利益率のより高いSPEの売上伸長により、売上総利益率は1Q比2.6pt低下の44.1%、営業利益率は1Q比3.7pt低下の27.7%だった。売上総利益率、営業利益率の低下は研究開発費の増加によるものであった。

セグメント別では、ロジック/ファウンドリ向け半導体に対する設備投資は、先端ロジック向け投資の著しい増加をはじめ、あらゆるアプリケーション向けの半導体デバイスの世界的な需要増を受け、最先端から成熟世代まで、広い範囲での投資が堅調に推移した。加えてDRAM及びNANDフラッシュメモリ向け設備投資においても前年同期に比べて高い投資水準になった。その結果、セグメント売上高は、9,057億6,300万円(前年同期比42.5%増)、セグメント利益は3,059億円(同80.7%増)となった。セグメント利益率は前年同期比7.2pt上昇の33.8%となった。

FPDはテレビ用大型液晶パネル向け設備投資が一巡したことにより、FPD TFTアレイ向け製造装置市場全体としては減速傾向となった。一方、中小型有機ELパネル向け設備投資については、最終製品に搭載されるディスプレイが液晶から有機ELへと転換される事に伴う投資が継続した。このような状況下、セグメント売上高は、266億8,200万円(前年同期比18.2%減)、セグメント利益は8億9,000万円(同67.3%減)となった。セグメント利益率は前年同期比5.0pt低下の3.3%となった。FPDの大幅利益減は計画通りであった。

事業環境に関しては、2021年11月時点において半導体前工程製造装置(WFE)の設備投資はデータセンター投資のさらなる加速など、社会のデジタルシフトの進展による先端から成熟にかけた幅広い世代のロジックやメモリ需要の急増を背景に、WFE市場は大幅に拡大している。CY2021は前年比 約5割増の成長を見込んでいる。

FPD製造装置 TFTアレイ工程向け設備投資に関しては、モバイル向けOLED投資は前年比で増加も、大型パネル向けLCD投資は一巡した。今後、OLED投資に牽引され市場の成長が期待できるが、CY2021は大型パネル向け投資がLCDからOLEDに移行する端境期として前年比 2割程度の減少を見込んでいる。


2022年3月期予想

好調な中間決算結果を受けて、2022年3月期通期の業績を上方修正した。今期2回目の上方修正である。

売上高1兆9,000億円(前期比35.8%増
営業利益5,510億円(同71.8%増
当期利益4,000億円(同64.6%増

SPEとFPDの売上高の内訳はSPEが1兆8,400億円、FPDが600億円を予定している。過去最高益の前期を大幅に上回る予定である。

アプリケーション別ではロジック/ファウンドリ向けは、情報通信技術の推進に伴うアプリケーションの拡大により、積極的な投資が一層進み、市場成長を牽引すると見ており、売上は前期比60%程度増加すると考えている。この分野での事業機会は難易度の高まるパターニングでのビジネスを拡大したい方針である。DRAMは、5Gモバイル、 PC、データセンターの需要の増加により需給が逼迫しており、高水準の投資を見込んでおり、売上は前期比60%程度増加と見ている。この分野での事業機会は微細化に向けた新たな技術、新たな材料への対応と考えている。不揮発性メモリは中長期のビット需要成長に向け、着実な投資が継続し、前年比20%程度増加と見ている。この分野での事業機会は高付加価値のエッチング・洗浄工程での差別化と考えている。

1株当たりの配当金は、業績予想上方修正に伴い、前回予想の1,189円から1,284円へと修正した。

半導体不足の解消の時期に関してはIoT、AI、5Gによりデータ・トラフィックが大幅に増加しているために業界全体でいつ解消するとの目途はたっていないと河合社長はコメントした。


アナリストによる投資スタンス

先週金曜日の引け後の決算発表後、本日の株価は大きく動かなかったが、小幅上昇で年初来高値を更新した。株価バリュエーションは予想PERが22.6倍、PBRが7.7倍、EV/EBITDAが15.1倍と割高感は全くない。今期も半導体需要が拡大し続ける事、また次世代半導体のEUV向けコータ/デベロッパの量産機においてシェア100%を有している事を考えると割安であると考える。


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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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