執筆:西村 麻美

メニコンの株価情報


【銘柄注目ポイント!】

国内はサブスクで盤石、中国では利益率の高いオルソレンズで高成長。


株価
(2021/11/15)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
3,940円 2,975億円 47.1% 9.8% 5.4%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
24.9倍 52.2倍 4.9倍 0.44% 20.5倍


2022年3月期第2四半期決算

メニコンの2022年3月期の第2四半期決算(累計)結果は

売上高484億円(前年同期比16.6%増
営業利益51億円(同12.5%増
当期利益34億円(同6.4%増

小幅増益の決算だった。昨年末に買収を発表した中国販売拠点の板橋貿易の連結子会社化により海外売上が前年同期比72.4%の117億円へと大幅伸長した。売上原価率は前年同期比フラットの46.7%、販管費率は同0.5pt増加した結果、営業利益率は同0.3pt低下の10.5%となった。

コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズを含む)、レンズケア商品の総売上は232億円(収益認識に関する会計基準等の適用による影響額▲5.0億円を含む)で、前年同期比43.3億円増(22.9%増)だった。内訳は

使い捨てレンズ(1day)前年同期比6.1億円増
その他コンタクトレンズ同12.6億円増
オルソケラトロジーレンズ同4.4億円増
ケア商品同20.2億円増

使い捨てレンズは国内外の需要回復による売上伸長、その他レンズは欧州を中心にコンベンショナルレンズの売上回復、オルソとケア商品の伸びは中国での販売が堅調だった事が主な要因であった。

定額制会員システム「メルスプラン」の売上は 222億円(収益認識に関する会計基準等の適用による影響額▲1.1億円を含む)で、前年同期比4.3億円(2.0%増)だった。 内訳は

使い捨てレンズ(1day)前年同期比6.7億円増
2 Week同0.6億円増
その他同3.0億円減

メルス会員数が前年同期比微増の134万人となった。クーポンなどの施策が実り利益率が高い使い捨てレンズが一番伸びた。

海外での売上高は102億円で、前年同期比35.0億円増(51.7%増)だった。欧州では同9.2億円増、コンベンショナルレンズを中心に売上げが回復した。北米では同1.4億円増、レンズケア商品の売上が回復した。アジアでは同23.6億円増(13.8%増)、中国を中心にオルソレンズとレンズケア商品が堅調だった。

ヘルスケア、ライフケア事業は前年同期比20.9億円増(274.4%増)の28億円(収益認識に関する会計基準の適用などの影響▲0.7億円も含む)だった。食品事業は同19.1億円増、板橋貿易グループによる食品事業の加算が要因だった。その他事業は同1.8億円増、動物医療事業(メニワン)等の売上伸長による。


2022年3月期予想

会社計画の業績予想は従前予想を維持した。

売上高992億円(前期比15.1%増
営業利益90億円(同11.0%増
当期利益57億円(同4.2%減
EPS75.42円

2021年10月1日を効力発生日として、1:2の株式分割(2分割)を実施した。なお、株式分割を考慮しない場合の2022年3月期通期の1株当たり当期純利益は150円83銭となる。

今期の年間配当は1株当たり17.5円(普通配当15円、記念配当2.5円の計17.5円、分割前は35円)の年間配当を予想している。配当性向は22.2%の予定。

今期は「メルスプラン」20周年記念キャンペーンで更なる認知向上や新規入会獲得の為に各種キャンペーンを実施している。


アナリストによる投資スタンス

11月12日の後場の決算発表後にメニコン株式は6%以上売られて急落した。成長の鈍化はないものの、ディフェンシブな銘柄でPERが50倍台後半と割高感は否めなかったために利益確定売りがあったようである。妥当なバリュエーションまで株価は調整局面であろう。現在の株価で予想PERは52.2倍、PBRは4.9倍、EV/EBITDAは20.5倍である。

現在は株価調整局面にあるものの、国内事業はコンタクトレンズ事業のサブスク・システムで盤石であり、成長余地の大きい中国市場では利益率の高いオルソレンズが高い成長を維持している。また、国内のその他事業の動物医療事業も成長市場であり中長期的に安定成長が望める企業である。


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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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