2021.06.23|メニコン(7780)2021年3月期通期決算コメント

メニコン(7780)2021年3月期通期決算コメント/ financialreport7780-fy2021

執筆:西村 麻美

メニコンの株価情報

株価
(2021/6/11)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
7,140円 2,715億円 46.7% 10.6% 5.5%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
46.22倍 47.33倍 4.56倍 0.49% 18.2倍


2021年3月期通期決算

売上高862億円(前年同期比2.0%増
営業利益81億円(同15.3%増
当期純利益59億円(同46.6%増)

増収増益の好決算だった。第2四半期まではコロナの影響を受けていたが、第3四半期に入りコロナの影響がほぼなくなり正常化。2022年3月末の定額制会員システムメルスの会員数は2020年3月末の133万人から一万人増の134万人となった。2020年4月から2021年3月までのメルスプランの売上は10.4億円増となった。

営業利益については売上原価が前期比0.4pt上昇したものの、販管費率が同1.5pt低下した事により営業利益率は前期比1.1pt上昇の9.4%となった。営業利益は利益率改善から前期比15.3%増だった。

コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズを含む)、ケア商品の総売上は401億円で、前期比1.6%増だった。内訳は

使い捨てレンズ(1day、2 week) 前期比10.1億円減
その他コンタクトレンズ 同11.0億円減
オルソケラトロジーレンズ同10.6億円増
ケア商品同16.7億円増

使い捨てレンズ、その他コンタクトレンズの売上減は海外でのロックダウン、国内での緊急事態宣言によるもので、オルソケラトロジーレンズとケア商品は中国での販売が堅調だった。


定額制会員システム「メルスプラン」の売上は438億円で、前期比2.4%増だった。内訳は

使い捨てレンズ(1day) 前期比10.7億円増
2 Week同2.1億円増
その他同2.4億円減

クーポン割引などが貢献し、1dayの会員数の伸びが大きく、2 weekは堅調だった。


海外での売上高は151億円で、前期比27.7%増だった。北米では39.5%減と大きく落ち込み、欧州では23.6%増、アジアは57.5%増、その他地域(オセアニア、アフリカ等)では28.6%増。海外売上高比率は17.6%となり、前期末時点の14.1%より3.5pt上昇した。アジア地域での大幅増は中国でのオルソケラトロジーレンズの好調な売上が貢献している。また、欧州に関しては買収したイタリアの業績が反映した事により増加している。

財務面では現預金の241億円増は転換社債発行及び借入実行によるもので有形固定資産の46億円増は1day工場と設備で長期有利子負債が81億200万円増加したが、設備投資資金と運転資金が使途であった。転換社債の発行により固定負債が228億円増加した。以上の結果、2020年3月末の自己資本比率より14.5pt低下し、46.7%となった。


2022年3月期予想

2021年3月期の会社計画の業績予想は、

売上高992億円(前年比15.1%増
営業利益90億円(同11.0%増
当期利益57億円(同4.2%減

業績予想の前提は中国におけるオルソケラトロジーレンズとレンズケアの販売増加、及び1dayを中心としたメルスプランの会員数増加を予想。また、その他事業(食品)の増収も見込む。その他事業の増収は2021年に中国におけるコンタクトレンズ及びケア製品の販売(メニコンの総代理店として)と農水産物の販売を手掛ける板橋貿易を100%子会社化にした事による。(板橋貿易の2020年3月期の連結売上高は83億円だった。)

2021年4月にはジョンソン・エンド・ジョンソン・ビジョンと近視進行抑制分野での業務提携を発表した。ジョンソン・エンド・ジョンソン・ビジョンは2019年に欧州において近視進行抑制を目的としたコンタクトレンズ Bloom Night 及び Bloom Day を発売している。メニコンは製品及びサービスの研究開発と製造を担うとともに、さらに顧客の拡大を狙っている。順次、承認を取得し販売地域を拡大していく予定。

メニコンは中期経営計画で2021年3月期に1,000億円の連結売上高、営業利益率10%を目標としていたが、新型コロナ発生によりこの計画は一年後ろ倒しになった。

この計画を達成するために成長する中国市場に新たな現地法人を設立し、中国国内で製造から販売まで一貫体制を築く準備をしている。板橋貿易の完全子会社化は中国国内の販売網を獲得する目的であった。また、中国市場では視力矯正レンズのオルソケラトロジーレンズの需要の伸びが大きいが、新たに近視進行抑制のレンズを新商品としてJ&Jとの業務提携という形で確保した。また、その他事業セグメントでは犬用コンタクトレンズ(白内障になった犬用)の製造、人間用、犬用のサプリメントなどを製造販売しているが、新たにペット用保険と付帯サービスをサブスクリプションサービスで提供すると2021年4月に発表した。

以上のようにメニコンは商品のラインアップを拡充して、連結売上高1,000億円を達成するための施策を次々に取っている。特に20年前からサブスクリプションサービスを始め成功した体験を別の分野のペット保険と付帯サービスに活かそうという試みは市場の大きさを考えると新たな収益の柱になる可能性もあり注目している。


アナリストによる投資スタンス

今期の業績予想が当期利益は微減という事で決算発表後に株価は下げ基調であったが、その後回復している。一年後ろ倒しになるが、連結売上高1,000億円、営業利益率10%は達成可能であると見ている。中国市場での成長余地、サブスクリプションサービスの20年以上の実績などは利益成長の下支えになると考えている。

株価バリュエーションは予想PERが47.33倍、PBRが4.56倍、EV/EBITDAが18.2倍と割安ではないが、一時は予想PERが50倍台半ばまで買われていたので大分株価も調整している。生活必需品の医療機器のために景気動向に影響を受けない銘柄である。


メニコンに関する投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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