2021.11.25|パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)2022年6月期第1四半期決算コメント

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)2022年6月期第1四半期決算コメント / financialreport7532-fy2022-1q

執筆:西村 麻美

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの株価情報


株価
(2021/11/12)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
2,217円 1.3兆円 25.9% 15.8% 7.6%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
26.10倍 24.05倍 3.87倍 0.74% 15.5倍


2022年6月期第1四半期決算

PPIHの2022年6月期第1四半期決算の結果は

売上高4,455億円(前年同期比6.5%増
営業利益161億円(同30.7%減
当期利益124億円(同24.6%減

増収減益の決算だった。買収したゲルソンズの新規連結により増収は達成したものの、国内リテール事業で既存店の収益が伸び悩んだ事、また新店や改装などによりコストが増加した事で営業減益となった。

国内ディスカウント事業は売上高は前年同期比4.9%増の2,709億円、営業利益は同22.5%減の62億円だった。8月にコロナ感染拡大による人流の制限と天候不順の影響で例年伸長する季節品や夜間帯の売上が伸び悩んだ事で粗利率も低下し、営業損益は前年同期比18億円減であった。厳しい環境下においても成長投資は継続し、新店や業態転換により128億円の売り上げ増を達成した。ディスカウント事業でも生鮮食料品を扱っている店舗があり、“肉ドンキ”店舗を3店舗でトライアル開始している。顧客の来店動機となり、PPIHが強みを発揮できる商品の深堀りをしている。また、PB/OEM強化による差別化、利益率の向上は、今期目標(DS事業で1,580億円)に対し順調に推移している。

GMS事業は売上高は前年同期比6.3%減の1,160億円、営業利益は同60%減の27億円だった。8~9月上旬の悪天候と気温の影響で衣料品の売上が不振だった。しかし、コロナ前の売上比は100%を越えており引き続き高い水準は維持した。業態転換に伴う閉店等の影響は、売上は45億円減、営業利益は7億円減であった。(UDリテールへ2店舗を転換)システムの入れ替えは前期に終了し、今期は人材等のソフト面強化をしつつNew GMSへのリニューアルを継続推進する。今期は1Qに3店舗リニューアルが終了し、2Qは4店舗リニューアル予定、また下期に4店舗リニューアルの予定である。

海外事業は売上高は前年同期比74%増の603億円、営業利益は同25.9%増の34億円だった。アジア事業は香港の出店強化でカニバリゼーションが起きたが、新店効果により増収を達成した。9月にはマカオにも出店した。北米事業は精肉、生鮮における原価高騰により売上総利益が減少した。Gelson’sは売上200億円、営業利益16億円(のれん償却費約7億円を控除前)が純増として寄与した。

2021年9月6日の取締役会決議に基づき自己株式38,054,300株を取得した。(809億円)


2022年6月期予想

通期の業績予想は以下の通り。

売上高1兆8,700億円(前期比9.4%増
営業利益850億円(同4.5%増
当期利益576億円(同7.0%増

第1四半期決算結果は厳しい結果であったが、通期の業績の下方修正は行わず、今期も33期連続最高益更新にチャレンジの予定である。

第2四半期に入ってからの状況であるが、緊急事態宣言の解除に伴う人流の増加により国内主要リテール4社(ドン・キホーテ、長崎屋、UDリテール、ユニー)の10月の既存店売上高前年比は103.6%を達成した。

PPPIHは2021年9月10日に金融事業子会社「パン・パシフィック・インターナショナルフィナンシャルサービス(PPIF)」を設立した。PPIHは2019年1月にユニーを完全子会社化したのに伴い、クレジットカード事業のUCSを承継した。また、2014年3月からは電子マネー「majica(マジカ)」を運営している。今後は、PPIFとUCSを中心に金融企業を新たな収益の柱に育てる方針である。UCSのクレジットカード会員は約300万人、マジカのアプリ会員は約750万人となっている。こうした会員基盤を生かすために、アプリと連携したクレジット事業やマジカと連動した金融事業、デジタル給与払いなど新たな金融サービスの開発を予定している。


アナリストによる投資スタンス

決算発表の翌日の11月11日は営業減益が前年同期比30.7%と大きかった事で株価は10%超売られた。しかし、決算説明資料をよく見ると第二四半期に入り10月の既存店売上高は回復しており、緊急事態宣言が解除され、人流は増加し、これ以上業績が悪化する要因は当面見当たらない。金融事業子会社の設立もポジティブであり、アジアを中心に積極出店による中長期的な利益成長は不変である。現在の株価で予想PERは24.05倍、PBRは3.87倍、EV/EBITDAは15.5倍と成長企業としては割安な印象を受ける。


投資アイデア

他の投資家が何に注目しているか、アイデアブックでご確認いただけます。


プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。

関連記事

Related Posts

<< 一覧表示に戻る