2021.06.01|日立造船(7004)2021年3月期通期決算コメント

日立造船(7004)2021年3月期通期決算コメント / financialreport7004-fy2021

執筆:西村 麻美

日立造船の株価情報

株価
(2021/5/17)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
711円 1,198億円 29.4% 3.5% 5.7%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
28.14倍 23.96倍 0.95倍 1.69% 6.8倍


2021年3月期通期決算

売上高4,085億円(前年同期比1.5%増
営業利益153億円(同10.8%増
当期純利益42億円(同93.8%増)

増収増益の好決算だった。営業利益は、環境・プラント部門で減少したが、機械部門及びインフラ部門で大幅に改善したことから二桁増益を達成した。特別損失として減損損失を49億円計上したが、当期純利益は前期比倍増近く伸びた。増益に特に貢献したのはInovaグループの増益、一過性のトラブル費用の解消が大きかった。

セグメント別の内訳は、環境・プラント部門は国内ごみ焼却発電施設の大口工事が減少したものの、海外ごみ焼却発電施設の大口工事が進捗したことにより、売上高は前期を上回る2,694億円となった。セグメント利益は海外子会社の収益改善があったものの、売電事業の悪化及び環境新製品のコスト増等により、前期を下回る126億円となった。

機械部門は自動車業界向けプレス機械の減少等に伴い、売上高は前期を下回る1,017億円となった。セグメント損益は、プロセス機器及び舶用原動機の収益改善等により、前期の営業損失から転じて18億円の利益計上となった。

インフラ部門は大口工事の減少により、売上高は前期を下回る291億円となったものの、営業損益は、前期の新製品の補償工事費の発生がなくなったこと等により、前期の営業損失から転じて7.8億円の利益計上となった。


2022年3月期予想

2021年3月期の会社計画の業績予想は、

売上高4,000億円(前年比2.1%減
営業利益140億円(同9.1%減
当期純利益50億円(同17.4%増

減収増益の予想をしている。受注高は前期を上回る予想、売上高は前期比微減予想、営業利益は、環境門で高採算案件の進捗が一服すること及び機械・インフラ部門ではコロナ感染拡大により手持ち工事の減少を見込み減益の予想をしている。しかし、当期純利益は二桁増の予想をしている。Inova社でドバイの大型プロジェクト受注の予定をしているが、国内環境事業は端境期であり減収予想をしている。


アナリストによる投資スタンス

決算発表翌日は今期の営業利益減に反応して株価は2%近く下落した。現在の株価バリュエーションは予想PERが23.96倍、PBRが0.95倍、EV/EBITDAが6.8倍とやや割安な印象である。相場の地合いが悪い事もあり業績的には前期がピークであったとの印象が強く、株価は上がりづらい状況にある。


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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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