執筆:西村 麻美

株価
(2020/8/18)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
5,440円 1.08兆円 65.2% 24.89% 22.9%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV/EBITDA
20.13倍 30.16倍 4.61倍 N/A 9.1倍

株式会社アドバンテスト2021年3月期 第1四半期決算短信はこちら


2021年3月期第1四半期 決算分析

■2021年3月期第1四半期決算
売上高 667億円 (前年比0.8%増⤴
営業利益135億円 (同11.2%減⤵
四半期損益106億円 (同12.7%減⤵

減益決算だった。

売上収益は微増だったが、コロナ禍で半導体試験装置の新規投資を抑制する傾向が春先より広がり、また米国が中国企業向け取引の規制強化を発表した事によりスマートフォン関連需要への懸念が広まり、半導体サプライチェーンの後工程を担うOSAT(後工程受託製造)企業を中心に設備投資の様子見姿勢が強まり、受注が前年同期比6.7%減の615億円となった。

■セグメント別の内訳

 ○半導体・部品テストシステム事業部門

受注高 424億円 (前年比15.0%減⤵
売上高 423億円 (同16.9%減⤵
セグメント利益 118億円 (同33.1%減⤵

スマートフォン関連、およびディスプレイ関連の需要が減少した一方、リモートワークの拡大からHCP(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)用途のSoC半導体に対するテスト需要は堅調で、他にメモリ半導体用テストシステムはサーバー用メモリ半導体向けで需要は高水準だった。

 ○メカトロニクス関連事業部門

受注高 85億円 (前年比18.0%増⤴
売上高 89億円 (同33.6%増⤴
セグメント利益 2億円 (前年同期▲10億円)

メモリーテスト・システムの需要が拡大する中、メモリーテストと事業関連性の高いデバイス、インターフェース製品などの販売が伸びた。

 ○サービス他部門

受注高 109億円 (前年比23.2%増⤴
売上高 159億円 (同84.5%増⤴
セグメント利益 37億円 (同7.2倍

2020年1月に買収した米Essai社の連結効果により拡大している。データセンター投資の活発化によりEssai社製品やSSDテスト・システムの販売が順調だった。


2021年3月期予想

■2021年3月期の会社発表の業績予想
売上高2,600億円(前年比5.8%減⤵
営業利益450億円(同23.3%減⤵
当期利益358億円(同33.1%減⤵

前提とする見方として SoCテスタ市場は前年比縮小を予想。米国の中国企業規制強化後OSATの投資姿勢は大きく変化し、スマートフォン全体の減速懸念からテスタ投資を保留する動きが業界に拡大した。半導体テスタ市場が回復するまで半年から一年以上かかると予想。

一方メモリー・テスタ市場は前年比拡大を予想。データセンター投資の活発化を背景にDRAM、不揮発性メモリとも今年上期は想定以上にテスタ投資が拡大した。下期は一旦スローダウンすると予想するも2021年はメモリの大容量化、高速化進展により一層の拡大を予想。


アナリストによる投資スタンス

株価は7月30日の決算発表後に通期の大幅減益予想からストップ安まで売り込まれ、その後も弱含んでいる。株価バリュエーションは予想PERが30.16倍、PBRが4.61倍、EV/EBITDAが9.1倍まで切り下がっている。


過去のアドバンテストの決算ハイライト

・2020年3月期


プロフィール

株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。