執筆:西村 麻美

ローツェの会社概要などは銘柄ピックアップでご紹介しています。

株価
(2020/7/13)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
5,820円 1,020円 44.4% 23.9% 13.4%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
18.4倍 15.68倍 3.79倍 0.51% 10.8倍

ローツェ株式会社2021年2月期 第1四半期決算短信はこちら


2021年3月期 決算分析

■2021年2月期第1四半期決算
売上高108億円(前年比21.9%増⤴
営業利益19億円(同11.5%減)
四半期純利益15億円(同5.9%減⤵)

増収減益だった。韓国子会社におけるFPD関連装置の大口受注、販売の影響により、売上高は増収だったものの、相対的に利益率の高い装置の販売構成比が一時的に低下したことにより、前年同四半期比で減益となった。

セグメント別では半導体・FPD関連装置事業の売上高は107.8億円(前年同期比23.7%増)、セグメント利益は20億円(前年同期比8.4%減)、 ライフサイエンス事業の売上高は5,300万円(前年同期比69.2%減)、セグメント損失は3,400万円(前年同期はセグメント利益33百万円)だった。


2021年2月期予想

2020年5月末時点での受注残高は半導体関連装置が119億円(前年同期比127.5%)、FPD関連装置が85億円(前年同期比808.2%)、ライフサイエンス事業が2億6,736万円(前年同期比60.9%)である。

■2021年2月期の会社発表の業績予想
売上高459億円(前年比23.7%増⤴
営業利益82億円(同6.8%増⤴)
当期利益63億円(同15.6%増⤴)
EPS366.04円

4月半ば時点での予想と変わっていない。

半導体関連装置、FPD関連装置に関しては受注残が十分あるが、FPD関連装置の受注割合が昨年度より大幅に増えているため営業利益率が昨年度より低下しそうである。

先週金曜日に発表された第一四半期の決算を受けてローツェの株価は本日(2020/7/13)5%位下げて再び5,000円台に戻っている。決算内容はがっかりする内容ではなく、ポジティブなサプライズがなかったという印象である。

先週次期iphoneが全機種で有機ELパネルを採用するとのニュースがあったが、サムスンが供給するとの事でローツェにFPD関連装置の追加注文がこれから来るのかも気になるところである。


アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションは予想PERが15.68倍、PBRが3.79倍、EV/EBITDAが11倍と株価は大分上昇したものの割安である。

半導体市場は昨年中頃に底入れしてから約1年が経ったが、通常の半導体サイクルが4年であると考えるとまだ回復局面にあり、今期も過去最高益更新の可能性は高いだろう。


プロフィール

マーケットアナリスト西村麻実 / Market analyst Mami Nishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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