執筆:西村 麻美

IIJの株価情報

株価
(2021/2/8)
時価総額自己資本比率ROEROIC
2,267円2,045億円40.5%4.8%4.8%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR配当利回りEV / EBITDA
25.5倍33.52倍2.47倍0.9%4.7倍

 

2021年3月期第3四半期決算

売上高1,560億円(前年同期比3.6%増
営業利益101億円(同67.1%増
当期利益59億円(同69.8%増)

増収増益の好調な決算だった。加速する国内企業のIT利活用をネットワーク事業、SIの両輪ビジネスモデルで取り込み、先行開発のサービス群・ネットワーク運営で差別化した結果大幅増益を達成した。営業利益率は第2四半期より2.8ptも改善し、9.0%となった。

事業セグメント別の内訳

セグメント売上高(前年同期比)売上総利益(前年同期比)
ネットワークサービス939億円(2.7%増)197億円(29.2%増)
システム・インテグレーション599億円(6.9%増)82億円(18.8%増)
ATM運営事業21億円(30.4%減)7.6億円(48.6%減)

大幅増益した営業利益(累計)の増減分析であるが、ネットワークサービスの粗利増により44.7億円増、SI粗利増により13億円増、販管費減により10.4億円増、ATM粗利減により6.7億円減少と計40.7億円の増加だった。

当第3四半期連結累計期間における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットに関する損失785百万円等があり、727百万円の損失(前年同期 367百万円の損失)となった。

 

2021年3月期予想

売上高2,130億円(前年比4.2%増
営業利益135億円(前年比64.1%増
当期利益76億円(前年比89.7%増

4Qの前提となる為替レートは1USD=103円前後、1EUR=126円前後を想定している。

第3四半期が終わり、IIJは2021年3月期通期の業績予想を二度目の上方修正をした。第2四半期が終わった時点での業績予想よりも売上高を10億円増、営業利益を22億円増、当期利益を15億円増とした。

業績予想の前提は、ネットワークサービスの粗利益大幅増、SI粗利益増、販管費減としている。

配当については、期末配当は10.25円とした。IIJは2021年1月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行い、2021年3月期の期末配当金は当該株式分割後の数値であり、分割前の株数で計算した場合、期末配当金は1株当たり20.50円となり年間配当金は1株当たり41.00円となる。

 

アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションは今期予想PERが33.52倍、PBRが2.47倍、EV/EBITDAが4.7倍と割高感は全くない

 

IIJに関する投資アイデア

他の投資家がIIJをどのようにみているか、アイデアブックでご確認いただけます。

 

プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

 

当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。 
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。 
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。