2021.01.07|2020年の日本株市場の振り返りと2021年版テンバガー10選!

テンバガー / journal main

執筆:西村 麻美


2020年の日本株市場の振り返り

2020年の日本株市場は新型コロナウィルスの世界的な蔓延とともに世界各国の中央銀行が異次元の金融緩和政策や財政政策により過剰流動性相場とも言える状況で好需給に支えられてきた。日経平均株価は2020年12月21日に26,905.67円の高値をつけ、1991年4月以来29年ぶりの高値水準を達成した。

日経平均株価は年初来(2020/12/25の前場まで)12.7%上昇し、一方東証マザーズ指数は年初来28.95%上昇した。高成長が期待されるマザーズ市場に個人投資家からの資金が流入し、2020年10月14日にマザーズ指数は1365.49と2006年8月以来の高値を付けた。マザーズで買われてきた銘柄は期待先行の株価が多く、株価バリュエーションは3桁をつけるものもあり加熱していたと言えるであろう。


米中関係と日本企業

2021年の日本株市場の動向を予想するのは米国大統領選挙の結果が12月末時点でも未確定であるという前代未聞の状況であることから非常に難しい。対中国政策においてバイデン元副大統領は融和的になる可能性が高く、一方トランプ現大統領の再選という事になれば米中関係は悪化した状況が続くだろう。

2020年の中国経済に関しては、主要国が軒並み大幅なマイナス成長を余儀なくされる中で、4月~6月期から急回復をした。中国という巨大経済市場に進出している日本企業は多く、米国の対中国政策に左右される日本企業は多い。

米中関係に影響を受ける日本企業の多さから、米国次期大統領が正式に決定し、2021年1月20日に就任式を迎えるまで日本株の動向については方向感が定まらないと考えている。


金融政策、追加経済対策

米国に関しては、直近の米FOMCでは政策金利を据え置き、量的緩和政策のガイダンスを強化し、また新型コロナウィルスの追加経済対策として総額9,000億ドル、日本円で93兆円の予算が米議会の上下両院で可決された。

日本は直近の日銀の金融政策決定会合で現行の金融緩和の継続が決定された。また、日本政府は新型コロナウィルスの感染拡大を受けた追加経済対策の事業規模を総額73兆円超とする方針を12月初旬に固めた。日米両国の金融政策、追加経済対策を受けて円ドルの為替レートは103円台半ばまで円高が進んだ。


2021年のテンバガー銘柄候補10選

上述したように2020年年末時点での日本株市場の予測をする事は大変難しい。しかし、どのような相場になってもテンバガー(株価が十倍以上になる)を狙える銘柄はある。

テンバガーを狙える株の探し方としてIPO(新規株式公開)してから数年しか経っていない急成長企業を狙うか、いわゆるボロ株(低位株)を狙う、の二つのパターンがあると考える。

以下に2021年にテンバガーを狙える銘柄10選をあげる。


タメニー(6181)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
2015年10月 155円 16億円 N/A N/A N/A N/A

タメニーは会員制婚活サービスを運営。第二の収益の柱として挙式も手掛ける。

コロナ禍で2021年3月期中間決算時は営業赤字に転落した。また、四半期純損失1,376百万円の計上のため自己資本比率が▲6%まで低下。2021年3月期通期は赤字予想のために株価バリュエーションは算出不能。

新たにAIを用いてマッチングをし、Zoomで参加できる「パートナーエージェントパーティー」をリリースした。サービス開始から1ヶ月で会員数1,000人を突破したと2020年12月24日に発表。この新サービスが成功したら究極のテンバガー銘柄になる可能性大。


オークファン(3674)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
2013年4月 1,794円 189億円 23.15倍 2.29倍 10.9倍 1.7倍

オークファンはオークション等の情報分析サービスから出発し、消費者に届けられることなく廃棄される約22兆円の法人在庫に着目し、創業来蓄積した大量の商品実売データを基に、これらの在庫を「適切な価格で」「適切なマーケットに」お届けする支援を行ってきた。営業利益率が10%と高く、創業以来15年間増収を続けている。

EC市場の成長とともに法人在庫のマッチングのリーディング・カンパニーとしてこれからも利益成長が見込まれる。


日立造船(7004)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
1934年5月 596円 1,014億円 23.12倍 0.88倍 6.8倍 0.2倍

日立造船は、環境装置、工場設備・産業機械、発電設備などを製造している日本の機械・プラントメーカーである。現在の主力事業は環境・プラント事業であり、造船事業は撤退している。かつて日立製作所の傘下であったが、現在では日立グループからは離脱している。日経平均採用銘柄。

ごみ焼却施設およびごみ焼却発電施設を手掛けている。ごみ焼却発電施設は、廃棄物を燃やして処理すると同時に、エネルギー資源として発電する施設

日立造船は欧州を中心に200件以上のごみ焼却施設の納入実績があるAE & E Inova社を子会社化。Hitz日立造船とAE & E Inova社の実績を合わせると400件以上のごみ焼却施設の実績がある世界においてトップメーカー。日本政府は2020年度第3次補正予算と2021年度予算で、洋上風力発電の普及促進を図るために財源を投入し、2040年までに3,000万~4,500万キロワットの導入を目指す方向にある。日立造船は造船で培った技術を生かし洋上風力発電を新規事業として手掛けている。世界的な脱炭素の流れから利益成長が期待される。


蛇の目ミシン工業(6445)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
1962年9月 911円 177億円 6.77倍 0.66倍 3.1倍 0.4倍

蛇の目ミシン工業は家庭用ミシン1位。日本、タイ、台湾で生産。2021年3月期はコロナ禍でマスクの供給不足からマスクの手作りが世界的に流行し、巣籠需要で欧米、日本でミシン需要が大幅拡大した。手作りが見直され、2020年の年末商戦も好調が続いている。ミシンで手作りの需要をコロナでの一過性のものにしないために体験ワークショップを開催して販売促進に注力している。


ハニーズホールディングス(2792)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
2003年12月 1,044円 291億円 11.19倍 0.87倍 3.2倍 0.6倍

ハニーズホールディングスはショッピング・センターを軸に10~60代向け低価格の婦人カジュアル服を展開している。中国からは完全撤退し、ミャンマーに自社工場を持っている。

2021年5月期第二四半期の業績予想の上方修正を昨日発表した。(第一四半期、第二四半期累計)売上高は当初予想より若干下回るが、プロパー販売時期の売上が好調であったことと、収益性の高いEC売上が想定を上回ったことから、売上総利益率について計画を上回る見込み。

また、LED化など経費削減が進展し、営業利益が急激に改善した。2021 年5月期通期の連結業績予想については、現在算定を行っているところであり、第2四半期決算発表時(2021年1月6日予定)にあらためて発表する予定であるが、株価バリュエーションについては上記よりも更に割安になると思われる。EC販売の比率が更に高くなり更なる利益増が期待される。


千代田化工建設(6366)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
1961年3月 271円 705億円 10.03倍 2.27倍 1.4倍 0.2倍

千代田化工建設は総合エンジニアリングで国内2位。LNGに強み。米LNGで巨額費用がかさみ経営危機に瀕した。2019年3月期に債務超過に陥り、三菱商事が1,800億円支援した。

水素の貯蔵・輸送を行っている。ブルネイで生成したメチルシクロヘキサン(MCH)から分離した水素を、水江発電所(火力発電所)のガスタービンに向け供給をしている。トルエンに水素を反応させて液体として水素を貯蔵するというもので、水素を冷却するより安価に運搬できる。2022年3月期はコロナ禍を抜け工事採算が改善し、また水素事業の利益貢献から業績改善が期待できる。


岩谷産業(8088)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
1962年8月 6,190円 3,624億円 17.90倍 1.63倍 8.8倍 0.5倍

産業・家庭用ガス専門商社。LPガス首位。合成樹脂、鉱物原料等も。水素事業を次の事業の柱に育成中。古くから水素を取り扱っており、水素の国内トップメーカーで国内シェアは約4割を占めている。日本で初めて商用水素ステーションを開設した。代替エネルギーの液化水素はシェア100%を誇る。水素銘柄の中核。


SBIホールディングス(8473)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
2000年12月 2,526円 6,143億円 N/A 1.25倍 N/A N/A

ネット証券首位、ネット銀行首位、ネット保険、投資信託事業(レオス・キャピタル・ワークスを買収)、国内外のベンチャー企業投資、また、地銀連合構想など総合金融業。2021年3月期通期も最高益の更新予定である。

2020年12月23日にリップル社が米SECから投資家保護違反の疑いで提訴される予定との報道からリップル社とJVのSBI リップル・アジア社を設立しており、SBI代表取締役の北尾氏はリップル社の取締役を務めている事からSBIの株価が急落した。SECが実際にリップル社を提訴する際には再び株価下落の局面があると思われ、もし長引くようなら株価は下落基調になる可能性がある。


ウシオ電機(6925)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
1970年5月 1,328円 1,686億円 N/A 0.81倍 N/A N/A

ウシオ電機は産業用ランプで世界首位。液晶・半導体向け光学装置に加え、シネマ用映像装置などを展開。

2021年3月期の中間決算は、新型コロナの影響により映像装置及びシネマ用ランプ販売が大幅減少し減収(前年比▲36.6%)、販管費を抑制したものの、営業赤字に転落した。事業構成比率としては、光源事業、光学装置事業、映像装置事業が大きく三本柱であるが、映像装置事業はコロナの影響で全世界的に映画館の休館が長期化している事からシネマコンプレックスの経営が悪化し、投資の抑制や後ろ倒しが大幅減収につながった。光源事業のうち、半導体、電子部品向け露光用UVランプについては堅調に推移した。

2020年12月23日にウシオ電機は、全自動ダイレクトイメージング(DI)露光装置の生産能力拡張およびマスク検査用EUV光源部品などの光学装置事業を強化すると発表。5G実用化によるIoTの進展やスマートデバイスの進化、オンラインサービスやデータトラフィックの増加などにより、ICT(情報通信技術)インフラの需要が急速に拡大しているために約20億円の設備投資を行う。全自動DI露光装置の生産能力は従来比で約1.4倍に引き上げ、マスク検査用EUV光源の部品安定供給などに取り組む予定との事。2021年3月期通期は赤字予定であるが、来期(2022年3月期)はDI露光装置、およびマスク検査用EUV光源部品の利益貢献の拡大が期待される。


ピックルスコーポレーション(2925)

上場日 株価 時価総額 PER PBR EV/EBITDA PSR
2001年12月 3,215円 206億円 12.86倍 1.47倍 6.2倍 0.5倍

漬物業界1位。セブン&アイ向け3割弱。キムチ、浅漬けなど「ご飯がススム」ブランドを展開している。主力商品の「ご飯がススム」以外に、浅漬け、ぬか漬け等の定番漬物や野菜・基礎調味料まで国産・無添加にこだわった昔ながらの、でも現代の人にもピッタリな通常の漬物より高価格帯の「八幡屋」ブランドの漬物も手掛ける。EC販売も行っている。キムチチゲやいわしのキムチ煮などの商品も扱っている。

「ピーネ」のブランド名で乳酸菌と糀が入ったドレッシング、焼き肉の牛角ブランドのキムチ、焼き肉のタレ、いきなりステーキブランドのステーキソースなど幅広い商品展開をしている。コロナ禍で免疫力をあげるように健康に気を遣う人が増えている状況はピックルスコーポレーションには追い風であり、コロナ収束の後にも健康志向は続くと思われ業績拡大が期待できる。


プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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