2020.06.12|SBIホールディングス(8473)業種:証券業 テーマ:ネット証券/仮想通貨

決算ハイライトSBIホールディングス / Settlement highlight of SBIHD

執筆:西村 麻美

株価
(2020/6/10)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
2,284円 5,272億円 8.2% 8.2% 2.54%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
16.0倍 N / A 1.17倍 N / A 10.47倍

SBIルホールディングス株式会社 2020年3月期 決算短信はこちら


2020年3月期 決算分析

■2020年3月期の決算
売上高3,680億円(前年比4.7%増⤴
税引前利益658億円(前年比20.7%減⤵
当期利益450億円(同33.1%減⤵

増収減益決算だった。

金融サービス事業(SBI証券、FX事業、SBI VCトレード、住信SBIネット銀行)、アセットマネジメント事業(プライベート・エクイティ事業、SBI貯蓄銀行(韓国))は好調だったものの、バイオ関連事業の損失、また第四四半期の相場急落による保有有価証券の公正価値評価損の計上により増収減益となった。


■2020年3月期時点の税引前利益の内訳
金融サービス事業553億円
アセットマネジメント事業351億円
バイオ関連事業▲114億円


SBI証券の口座数や預り資産残高、個人株式委託売買代金シェアは36.7%とオンライン競合他社を引き離し(二位の楽天証券のシェアは23.5%)トップを維持し、また証券関連事業の口座数は野村證券を抜いて業界No.1 の水準になったとみられる。

顧客基盤の拡大とともに第4四半期のボラティリティが高まった市場環境のなか、FX取引などの拡大に伴うトレーディング収益も拡大した。

韓国のSBI貯蓄銀行(2013年に株式を取得し、連結子会社化)はコロナの影響を受けずに順調に業績を拡大し、過去最高の税引前利益1,981億ウォン(約178億円)を計上し、SBI証券に次ぎ利益貢献をした。

住信SBIネット銀行はネット専業銀行6行(住信SBIネット、大和ネクスト、楽天、ソニー、じぶん、ジャパンネット)の中で口座数、預金残高ともにトップを維持した。住宅ローン取扱高も拡大している。

仮想通貨取引所SBI VCトレードの税引前利益は、61億7,100万円となった。2019年3月期には3億5,800万円だったことから、利益は約17倍に増えたことになる。また、SBI FXトレードで仮想通貨のCFD(差金決済取引)を開始する予定でいる。

バイオ事業については、SBIバイオテックが自己免疫疾患治療薬の独占的ライセンス契約を旭化成ファーマと締結し、通期黒字化を初めて達成した。

クォーク・ファーマスーティカル社は急性腎不全予防薬のフェーズⅢ臨床試験費用等を中心とした研究開発費用を引き続き計上。またアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(ALA)を活用した医薬品などの事業を3社で行っているが、うち2社は3期連続で通期黒字を達成しているものの、1社は研究開発費費用を引き続き計上。

バイオ関連事業は前期より赤字幅が減少したものの、税引前利益は▲114億円だった。


201年3月期 業績予測

SBIホールディングスでは金融事業全般が、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいために業績予想の開示は行っていない。

しかし、2020年3月末に発表したようにひふみ投信(運用資産残高約7,000億円)をてがけるレオス・キャピタルワークスの買収を4月末に行った。2021年3月期はアセットマネジメント事業の拡大が見込まれる。

またSBIと地銀3行が地方の企業支援の為に新会社の設立を発表した。またSMBCグループとの戦略的な提携関係にあるため新会社の設立が予想され、バランスシートの拡大と負債レベルの上昇が予想される。


アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションはPBR 1.17倍、EV/EBITDA 10.47倍と割安感はないが、ネット証券トップ、ネット銀行トップとしてのプレミアムを考えると割高感は全くない。

また、ROIC2.54%と投下資本に対するリターンの低さが気になるが、バイオ事業の赤字縮小とともに改善すると思われる。


プロフィール

マーケットアナリスト西村麻実 / Market analyst Mami Nishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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