2020.06.09|日本電気(NEC)(6701)業種:電気機器 テーマ:5G

決算ハイライト日本電気 / Settlement highlights of NEC

執筆:西村 麻美

株価
(2020/6/9)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
4,930円 1兆2,841億円 29.2% 11% 7.3%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
12.8倍 12.9倍 1.4倍 1.6% 5.1倍

日本電気株式会社 2020年3月期 決算短信はこちら

2020年3月期 決算分析

■2020年3月期の決算
売上高3兆952億円(前年比6.2%増⤴
営業利益1,276億円(同120.9%増⤴
当期利益1,127億円(同117.1%増⤴

増収増益の決算だった。

全ての事業セグメントで増益を達成し、2019年3月期に計上した構造改革費用や資産整理などに500億円計上した一時的要因が無くなり、ビジネスPC特需、またオペレーション改善効果により大幅に利益が改善した。

5G関連投資やセキュリティ強化投資、海外拠点の構造改革などを270億円計上したが、期初計画を上回る業績を達成した。

1989年に研究を開始した顔認証は米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した最新の顔認証技術のベンチマークテスト(FRVT2018)において、1,200万人分の静止画の認証エラー率0.5%という、他社を大きく引き離す第1位の性能評価を5回獲得している。

この分野では2019年7月に世界最大の航空連合であるスターアライアンスと生体認証技術を活用した本人確認プラットフォームの開発に関する協業を行うことを発表。

また、2019年8月には㈱ローソンの深夜省人化店舗の実証実験に参画し、顔認証AIエンジンを用いた入店管理システムや関 連する技術・サービスを提供。

さらに2019年9月には、㈱セブン銀行と顔認証による本人 確認やQRコード決済に対応した次世代ATMを展開するとともに、この次世代ATMを用いた日本初となる顔認証によるATMでの口座開設の実証実験を実施した。

5Gに関してはNTTドコモ、楽天モバイル㈱に第5世代移動通信システム(5G)ネットワークの構築のための基地局装置・無線子局の出荷を開始するとともに、5Gを地域限定で利用する「ローカル5G」事業にも本格参入し、企業や自治体に対してネットワークインフラからアプリケーションまでをトータルソリューションとして提案する活動を開始した。


2021年3月期 業績予測

■2021年3月期の業績予測
売上高3兆300億円(前年比2.1%減⤵
営業利益1,500億円(同17.5%増⤴
当期利益900億円(同10%減⤵

新型コロナウィルスによる売上減を400億円~500億円と見込んでおり、その他映像ソリューション業務の非連結化に伴う減収を織り込むものの、営業利益レベルでは不採算案件の削減と収益性改善で増益を見込んでいる。


アナリストによる投資スタンス

2018年から取り組んでいる中期経営計画は3,000人の人員削減も含むかなり大規模なものであり、構造改革により利益も出やすい体質に改善している。

バリュエーションを同業他社比較すると
・NECのEV/EBITDAは5.1倍、PBRは1.4倍
・NTTデータのEV/EBITDAは7.6倍、PBRは2倍
・野村総研のEV/EBITDAは14.2倍、PBRは6.1倍

とNECは各段に割安であり、強気のスタンスでいてよい銘柄と思われる。

ただし、NECは割安水準がずっと続いていることや、4Qに業績が偏るため1-3Qの進捗状況では安心できないのが注意点であろう。


プロフィール

マーケットアナリスト西村麻実 / Market analyst Mami Nishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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